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28話5

 蜘蛛の精妖は嶺楊のいる側の橋の手前に移動した。

 うつ伏せのまま後ろに下がりつつ指先は張った巣糸を弦のように弾き奏でる。

 まるで琴を奏でているようだが糸につけた水滴が揺れる。

 バンという大きな音が響くと小石ぐらいの水滴と嶺楊達に大きい水泡も飛ばされた。

 小さな水滴は橋の近くの塀に当たり溶けえぐられたような窪みができた。

 地面に落とされ跳ね返った飛沫を浴びた草は除草剤をかけられたように一瞬で枯れる。

 嶺楊は側にいる門弟に呪符を飛ばさせると3本同時に矢をつがえると弓を構えて弦をはじいた。

 飛ばした矢は呪符を射るとそのまま勢いよく飛んでくる水滴の中に命中した。

 水滴に触れると矢は溶けるが呪符はボゥと火がつき燃え蒸発する。

 嶺楊は水泡も蒸発させる考えらしい。

 水滴を命中させ蒸発させながら大きな水泡にも呪符と飛ばし矢で射る。

 矢の勢いが弱いのか水泡に刺さるとすぐに溶かされた。

 水泡の中でも呪符は燃えるがすぐに燃え尽きボゴボと気泡が生まれるだけで蒸発させれない。

 嶺楊は門弟に視線で合図を送り頷きあうと大きな水泡だけに呪符を立て続けに飛ばした。

 嶺楊は矢を一本だけつがえて集中し大きく弦を引いた。

 呪符が重ねらたまま狙いを定めて矢を放つ。

 矢は勢いよく水泡の中に入り呪符を水泡の中心に入れた。

 呪符が燃え水泡は内側から蒸発してシャボン玉のように膜がバンと弾けた。

「うっ」

 嶺楊は小さく呻いた。

 蜘蛛の精妖に矢先向けて頭を狙い矢を弓につがえて弦を力強く引いて構えていた。

 キリキリと名一杯ためてから弦を引く指を放つと同時に水泡の雫が弓の弦について弦が裂けた。

 裂けた弦がはじき嶺楊の手のひらに鞭で叩かれたように当たり血が滲んだ。

 弦が切れる前に嶺楊は矢を放ったが矢は逸れ蜘蛛の精妖の右肩に命中する。

「きゃぁぁ!」

 橋の上から女の悲鳴が大きく聞こえた。

 射られた腕は血を流してだらりと垂れるが左手で矢をジュワっと溶かした。

 蜘蛛の精妖は体を逆さまに向けた。

 外衣がめくれて細くて長い足をあらわにした。

 片足を橋に吊るされた状態のままバレリーナのようにくるくると回る。

(吊り橋がまったく揺れてないのが逆にめっっちゃ怖い。絶対目を合わせたくないんですけど)

 謝砂は爛の背中に隠れたがこっそりと覗いた。

 謝砂は目を擦った。

「爛、腕増えてるね」

「腕は四本で足二本みたいだな」

 蜘蛛の精妖は橋の底板に足を下ろして立っていたがまくりあげられた袖から腕が二本増えていた。

「もう限界よ。吊り橋に吊るしておいた子たちは逃げるし、捕まえに行ってもいないし」

 手で糸を操って残ってる水滴を集めて大きめの水泡を作っていた。

 謝砂の目には漁船のライトのようにも見えてくる。

 雪児と柚苑は剣の柄を握るが指には呪符を構えていた。

 爛は様子をじっと観察していたが剣が鞘から抜く。

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