表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
46/763

噂の村人

 謝砂は背筋がぞわっとして後ろを振りむいた。

 疲れ目なんだろうか。

 列に続くように頭が増えてる気がする。

 見間違いかとパチパチと瞬きをくりかえした。

 目が寄って影が二重に見えたから人が増えたように見間違えただけだろう。

 もう一度見れば安心できるはずだ。

 しかし謝砂の目に人の頭がはっきりと見えた。

「二十人ぐらいになってないか?」

 塵家とは落ち合っていないはずだし、町の人がついてきたのだろうか。

 ちらっと見ると頭が後ろを歩く弟子の肩より背が低く身なりからして女と子供だ。

 体を斜めにして覗くと月明りで生気が感じられない青白い顔。

 そして髪の間にのぞかせた白い目と視線を合わせてしまった。

 謝砂は後ろを歩く柚苑と向き合う。

「どうしました?」

「あ、あ、あ、あ、あれ」

 謝砂は言葉にならず震える手で指さしその方向を柚苑と雪児が振り返って見た。

 耳を塞ぎたいような恐ろしくも耳障りな唸り声を出し近づいてくる。

 普通の人なら恐怖を感じて慌てて逃げることを選ぶだろう。

悪鬼あっきですか?」

 柚苑が謝砂に尋ねた。

「聞かないでくれ」

「鬼の存在に僕たちは気づきませんでした。謝宗主が気づいたのに何も感じませんか?」

「考えるより逃げるほうが先だろ」

「謝宗主!」

 柚苑が叫んだ。

 謝砂をめがけて鋭く尖った爪を振り下ろす。

 爛は謝砂を引っ張り避けさせる。

 邪鬼の爪は地面をえぐった。

 と後ろに押して腕を出して庇う。

 謝砂の前に雪児が飛び出た。

 襲ってきた鬼の腕を雪児が切り落とす。

 そしてぐるっと身を捻り剣を箒のように持ち直す。

 箒で掃くように剣から衝撃波を放って邪鬼を吹き飛ばした。

 吹き飛ばされた鬼は煙になって消えた。

 雪児は謝砂を見た。

「謝宗主どうですか? あれから修練したんです」

「そうか、すごいな」

 とりあえず褒めたが謝砂はそれどころではない。

 雪児に続いて柚苑も剣で切り鬼を吹き飛ばすが黒い煙となり消えていく。

 襲ってくる鬼はいなくならない。

「祠に誘導するのが目的だと思うか?」

「爛も聞かないでくれ」

 爛は剣を抜かず考えこんだ。

「聞いた話が噂でないならここで殺さない。殺すためには祠に連れていくはずだ」

「殺されるならここで退治してくれたらいいじゃないか」

「謝砂の言う通り逃げようか」

「手前に鬼がまだいるのに逃げれない」

 爛は剣を飛ばして弧を描くように手前の鬼を切り剣を鞘に納めた。

「鬼に追いかけさせろ」

 師弟たちは攻撃する手を止めて走る。

 謝砂は逃げると言ったことでリアル鬼ごっこを体験させられるとは考えていなかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ