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写念の中

 謝砂は桃展と一緒に書に入り込んだ。

 水墨画が目の前に広がる。

VRゴーグルをつけているみたいだ。

――四神たちから世界は始まった。

 四神が戦って力がぶつかり合い摩擦が生じた力は大陸が形成された。

 山は龍と鳳凰が戦って生まれた。

 獅子と亀の力で大陸が割れた。

 土は亀、水は龍、火は鳳凰、風が獅子。

 四神を封じ守り神に変えたのが天界に住まう天帝。

 四神を力を操るすべを天帝から仙に授けた。

 そして荒れた地を平穏に治めるよう命じられた仙がこの世に降りた。

 仙は同じく高い志を目指す人を弟子に取り仙術を伝承していった。

 昔話が終わり謝砂は瞬きをすると写念は終わり戻ってきた。

 桃展は写念を終えた巻物をもとに巻きなおす。

「こんな簡単なのでよかったんですか?」

 桃展は謝砂に確認した。

「ありがとう。よかったらこの仙の続きを教えてくれるかな?」

 桃展はそれならと答えられますと謝砂に話す。

「仙は四神によって荒らされた地を収めるべく上界の人に仙の力を授けられた天の力は修練することで自らの霊力を育てて仙修として力を得ることができます。仙門の世家が世をおさめています」

(仙家が国を治めてるってことか? 抵抗があって受け入れられないけど後々理解すればいいか)

「邪を払い人に悪さをする悪鬼や妖獣を鎮圧や払拭など滅することは仙門世家の大事な役目です。仙術を修練している人を仙師、道士とも呼びます」

 すらすらと謝砂が聞きたいことをまとめて説明してくれる。

「修練して師匠を超えることが目標?」

「僕だけでなく妖獣や悪鬼に傷つけれた魂を修復する修復仙師を誰もが目指してます」

「修復仙師? 修復は難しい?」

「修復する修練の道は難しいと言われています。修復仙師を名乗れたのは謝家の元帥だけですし」

(爛が謝家には実績があるとかなんとか言っていたのはそのことかな)

「剣術のほうが難しいと思うんだけど。屍と戦ったりするほうが危険じゃないか」

「自らの霊力を注いで割れた魂をくっつけたり亀裂を塞いだりするほうが難しいです」

「魂で練習するの?」

「もちろん光霊石ですよ」

 謝砂に桃展は巾着中から光霊石を出して「どうぞ」と渡した。

 手のひらにのせて石の亀裂をよく見ると金色の薄い線が模様のようについている。

「僕たちは修練でまだ一定の霊力に達してないので筆や剣の仙器を使って亀裂をなぞるだけで精一杯です」

 桃展は苦笑した。

「亀裂が浅い光霊石を使って霊力を込める練習からします」

「他の石のみたいにしっかりした石には戻すこともできる?」

謝砂の言ったことを桃展は少し考えから言い直した。

「磨かれた玉と同じようにという意味ですか?」

謝砂が言いたかった意味が通じてうなづく。

「普通の石と同じでヒビが入ってなくてツルッとした感じになるの?」

「この石は甲羅模様です」

「そうだったんだ」

「霊力で亀裂を埋められ修復された石は霊石となり二度と割れません」

「物を叩くのに便利だな」

謝砂は何も考えずに思いついたことを口に出した。

桃展の目がくっと開かれる。

「何考えてるんですか! 亀裂を埋めるだけでも相当な霊力を注ぐので大変なんですよ」

謝砂の手から信じられないと石を取り上げ巾着にしまわれる。

「ごめんなさい」

謝砂は素直に謝った。

「桃展公子、色々教えてくれてありがとう」

「力になれてよかったです。僕のことは展とお呼びください」

桃展の物腰の柔らかい感じが爛に似ている。

「展君、今度お礼はするよ」

「では僕の修練のために手本をぜひ見せてください」

「何を?」

「亀裂が深めの師兄たちの中級用で修復を見せてほしいです」

「うーん」

 頭には姜の怒ってる顔が浮かんだ。

 謝砂の理由も聞かずに展は丁寧に対応してくれ、お礼もこの石の修復でいいと言ってくれてる。

(なんていい子なんだろう。光霊石は姜も知ってることだし大丈夫か)

「ここじゃなくて隠れれるところある?」

 爛もそばにいないし、念のために隠れたかった。

「樹園はどうですか?」

「樹園? 案内してくれるなら行こうか」

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