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超魔導戦線リクレシア  作者: 超一蘭
5/32

特訓。



 ドカッ!!!  パシッ!!!



 ドドドドドド!!!


 

 激しい、殴打音が聞こえる。



 「だだだだだだああぁ!!!」



 「む、この動きについてくるか、やるな!!」



 昼下がりの晴天の中、草原で2つの影が激しく動き回る。



 「ハァ……ハァ……くそ!!全部防がれた!?ならば!!くらえ!!メガトンキック!!」



 「甘い!!ギガトンキック!!!」



    ドガア!!!



 激しい蹴りが、ぶつかり合う!!!

 

  

  ボリボリ……ポリポリ……



 その光景を、ビスケットを頬張りながら、静観する1人の少女が、終わらない動きに歯止めをかける。



 ゴクリ………ビスケットを飲み込み。



 「アティー!お姉ちゃーん!お昼ごはんもってきたよー!!早く来ないと、食べちゃうぞー。」



 片手を口に当て、大声で2人を呼ぶ、金髪の可愛い女の子の、手にぶら下がっているバスケットには、手作りのサンドイッチが、ぎっしりと詰まっている。


 

 黒髪の、赤いアホ毛を生やした、男の子の耳がピクリと動く、ミラの方を振り向き、

そのままミラに向かって諸凸猛進!!突っ込む!!!



 「もうそんな時間か!!飯、飯、飯ーーー!!」



 「ふええぇぇ〜〜!?アティ〜〜、ストップ!!ぶつかっちゃう〜〜。」



 ぶつかる!!と思ってミラは目を瞑る……………



 あれ??何事もない。



 そっと目を開けるとーーーー



 パクパク……!!  モグモグ……!!



 アティアが勢いよく、サンドイッチを頬張っている。



 「もう〜、びっくりさせないでよ〜。」



 「わふい、わふい。」



 アティアの走ってきた方から、ゆっくり歩いてくる1人の女が、アティアの背後へ、



 ぺシッ!!


 

 モグモグ、食べながら喋るアティアの頭を、軽くはたく、長い黒髪の、美しい女性が、口を開く。



 「アティア!行儀が悪い!それにまだ手も洗ってないよ!全く……汚い手で直接食べ物を触るなんて……ちゃんと手を洗っておいで!!!」



 「……はーい、カノン姉ちゃん。」



 ちょっとふてくされて、手洗い場へダッシュしていく。



 「あ、お手拭き用意してたけど……」



 「あ……まあ、いい訓練になるさ。」



 2人は、少し苦笑し、手をしっかり拭いた後、サンドイッチに手を伸ばす。



 パクパク……モグ……モグ……



 「ふむ、卵に良いした味がついているな、レタスもとても新鮮だ。ミラ、料理上手くなったじゃないか。」



 カノンは、満足そうにサンドイッチを堪能している。


 

 「えへへ……サンバおばあちゃんが教えてくれたんだ、料理は、真心と、新鮮な食材と、した味だ!!って。」



 「私がいない一年の間によく頑張っているな、偉いぞ、これは今夜の晩御飯も楽しみだな。」



 「任せて!!頑張っておばあちゃんのお手伝いするからね!?」



 ミラはご機嫌でサンドイッチを頬張る―――



 うん、美味しい。



 「ただいまーーー!!」



 ピョーンと、かなり遠くからアティアがジャンプしてくる、かなり鍛えてあるのだろう、ものすごい跳躍力だ!!



 「ひゃ〜、相変わらずものすごい運動神経ね〜

、はい、ドーゾ!!」



 ミラは、びっくりしながらサンドイッチをアティアに手渡す。



 「む、あんがちょ、カノンねーちゃんに鍛えられてっからな!!」



 そう言うと、サンドイッチにかぶりつく!!



 ガツガツ!!モグモグ!!



 さすが成長期の男の子だ、勢いが違う。



 10分後…………



 サアアアアアァァァーーー



 3人は、草原の中心にそびえ立つ、大きな千年樹の下で昼食をとっている、そよ風が葉を揺らし、爽やかな音を奏でる。



 「ふぅ〜、ごっそさん!!美味かった!!ミラ、やるじゃん!!いい嫁さんになるんじゃね??」



 腹12分目、しっかり食べたアティアが、大きく膨らんだお腹をおさえながら、大木によりかかり、座る。



 「お粗末様でした、そ、そう??………ま……まあアティアがどうしてもって言うなら………その……な、なってあげても……いーよ?? お、お、………お嫁……しゃん。」



 チラリと、頬を少し赤らめ、髪を指でクルクル絡ませながら、青い瞳でアティアを見る。



    Z Z Z Z z z z ……z z z……



 「………ズズ………よー、寝とる。」



 カノンが茶を飲みながら囁く。



 「…………ふんっ!!」



 少し頬をふくらませ、不機嫌なミラである。



 「それにしてもミラ、また魔力が高まっているな、久しぶりに勝負でもどうだ?」



 「ホント!!やったあ!!」



 待ってました、と言わんばかりにピョンと飛び上がる。


 

 久しぶりにカノンと戯れるのが、よほど嬉しいのだろう。



 爆睡するアティアから少し離れ、10メートルほど距離を置き、2人は向かいあう。



 「ルールはシンプル!!一撃でも私に入れることが出来ればミラの勝ち!!まあ、かなり手加減するから安心しろ。」



 「わかった!!当ててみせるよ!!お姉ちゃん!!」



 微笑するカノンに向かって、両手を突き出す。



 「光よ!!お姉ちゃんに攻撃だあ!!」



 ミラの足元に白い魔法陣が現れ、ゆっくりと、クルクル回り出す、そして、ミラの手が光りだす。



 「発動までの時間が掛かりすぎているぞ?それではすぐに距離を詰められるよ!!」



 カノンは腕組みをしながら、ミラの動きを冷静に分析する。



 「うん!!知ってる!!いくよ!?

             ホーリーレイ!!」



 ミラの掌から、無数の細いレーザービームがカノンに向かい、放たれる!!!



 「ホーリーレイ!!いつの間に中級魔法を!?」



 まさかの攻撃に少し驚く、が、カノンは腕組みしたまま動かない、光は、そのまま全てカノンを通り抜け、散り散り散っていく。



 「あ、あれ??」



 ミラは口をヒクヒクさせながら、首を傾げる。



 「………コントロールが悪すぎる、いくら威力の高い魔法が放てても、当たらなければ意味がない。仕方がない、今日はコントロールの練習に切り替えよう、これでは宝の持ち腐れだからな。」


 

 「え?教えてくれるの?やったぁーー!」



 「では、あそこの岩にむけて、魔法を放つ練習からだ。」



 「はーい。」



 2人の特訓が始まった、そして4時間後……



 「ふわあーー……え、もう夕方やんけ、久々にカノン姉ちゃんにしごかれたから、つかれたんかな??」



 あくびをしながら、アティアが起きる。



 「おーー……やってんねぇ。」



 ドーン!!…………ドーン…………



 「よし!!今日はここまで!!」



 「ひぃ……ひぃ……あ、ありがとうございましたあ……」



 膝に手をつき、ダラダラ流れる汗を拭う。



 キラキラと、汗が光りながら地面に落ちる。



 「命中の精度はかなり上がってきている、だが、まだまだ魔法の発動時間が遅すぎる、明日はその特訓をしよう。」


 

 ポン、とミラの頭に手を乗せ、優しく微笑む、ミラも、ニコッと微笑み返す。



 「だいぶしごかれたみたいだなー!ミラ!、もうすぐ日が暮れっから、晩飯食いに帰ろーぜ!!」



 いつの間にか、凹んだ腹を鳴らしながら、2人に近づく。



 「全く、お前は、どんな胃袋してるんだ??あれだけ食べたのに、もう腹を減らすとは……。」



 「ほんとだよぉ……」



 カノンは少し呆れ顔で笑いながら、ミラはヘトヘトになり、精魂果てた顔をして、家に向かって歩きだす。



 アティアはーーー



 「超成長期也!!」



 このドヤ顔である。



 そして、三人はサンバとロウゴの待つ家へ、真っ赤な夕陽に照らされながら、仲良く帰っていったのであった。




 





 

 



 



 

 

 





 


 


 


 

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