『限界』
久しぶりの投稿です。
ドドドドドドドドカカカカ!!!
夕暮れ時の山頂に、激しい戦闘の音が響き渡る……
「ふぇぇ……よ、よく見えない……」
「…………あの猛スピードで、もう5分近くも戦ってやがる……すげえな…………だが。」
あっち、こっち、首から上を忙しく動かしながら、目をパチパチさせてるミラ、2人の動きをしっかりと見据えるランス。
瞬きをする暇さえ与えない、超スピードでアティアとレッドコングが拳と技をぶつけ合っている姿がそこにはあった。
両者は、互いに互いの動きを瞬間的に判断、見極め、ほぼ互角の力がぶつけ合っていた、が次第にゴリラが優勢になりつつあった。
「レーッドコーング!!パンチキックパンチキック!!」
高らかに叫び、太い手足で攻めたてる!!
シュバババババ………!!
その猛追をギリギリのところで躱すアティア。
ズキッ……ズキン……
「………く……」
どこか痛むのか、少しアティアの動きが鈍くなってくる、ゴリラはソレを見逃さない。
「うホル!!?動きが遅いぞお!!アティアー!!」
更にゴリラのスピードが上がり、怒涛の連撃!!
「くっ、誰が遅いだとお!!!」
ドカッドカカカカ!!!………バシュン!!
なんとか、なんとか全ての攻撃を凌ぎながら防ぎきった!!
「ぐ、ぐうぅ……」
アティアは、苦しそうな声を上げながら、ゴリラから距離を取る。
「アティ!?かなり辛そう………だ、大丈夫かな??」
かなり心配そうにランスを見る。
「…………。」
ランスはアティアに向かい、歩き始める。
(ハアッハアッ………く、クソお!!か、身体が……足が…痛え……な、なんだ??上手く身体が動かない!?)
身体中汗まみれの、アティアから、赤いバチバチの魔力が消え去った…………。
「フゥーッ、フウーッ……なんだ??アティアよ、もう終わりか??」
深く息をつきながら、充実した顔つきで語るゴリラ。
「い、いや!!俺はまだやれる!!身体よ!!何やってんだ!!もう一度!!レッドドライヴだ!!」
バチバチバチ!!
再び赤い魔力がアティアに纏わりつく。しかし、かなり弱々しい。
「ウフォフォン!!そうだ!!そうでなくてはつまらん!!ブルーサファイア欲しくば、俺を倒さねばだぞお!?」
鼻息荒く、両拳を顔の近くに置き、身構える。
「へへ……この程度……どうって事ねえぜ…!!」
ポン。
強がるアティアの肩に、手を置くランス。
「…………ランス??」
「……これ以上はダメだ、やめときな。」
ガチトーンで、隣で囁く。
「!?ラ…ランス!?何言ってんだ!!まだ勝負はついてねんだ!!邪魔すんな!!」
バッ!!とその手を振り払う!!
「………仕方ねえ………恨むなよ、アティア……お前の為だ。」
トンっ。
そう言うと、ランスはでアティアの後ろ首を手刀で叩いた。
「!!………え?………」
反応できずに、一瞬でアティアは意識を失った。
倒れ込むアティアの首筋をガッチリつかみ、ランスはミラにむかって歩いてゆく。
「ラ、ランス??」
ミラは、キョトンとした様子でランスとアティアを見つめる。
「これ以上はダメだ、こいつ、自分の限界を分かっちゃいねえ、コイツの【力】は諸刃の剣だ、よーく分かったぜ、今の戦いを見てな、しばらくアティアを見といてくれ、あとは俺がやる。」
そう言いながら、ポイと、軽く地面に放り投げた。
「わ、わかった……あ、ありがとう、ランス。」
地面に転がり、眠るアティアを見つめ、少しミラはホッとしている。そんな2人から視線をゴリラに移す。
「さてと……。」
「………ウホ、アティア、子供にしてはかなーり強かったぞ……こんなに高揚したのは久しぶりだ!!だが!!足りん!!たりんぞおーーー!!!」
黄ばんだ歯を剥き出しながら、叫ぶ!!
ドンドンドンドン!!!
雄叫びをあげながら、激しくドラミングをかます!!
「おい!!ボスゴリラ!!!心配すんな!!次は俺が相手だ!!!槍の錆にしてやるよ!!」
ゴリラを指差して、宣言した。
ピタリ、ドラミングが止む。
「……………ふぅ……ちょっとタンマ……休憩。」
ゴリラは、ためいきをつき、よっこらせと、座り込んだ。
「いや、戦わんのかーい!!!?」
あまりの思いがけない行動に、ランスは思わず会心の突っ込みを放った!!!
続く。




