3ゴリラVSアティア一行。
ゴリラ山中間地点にて、ゴリラに殺られそうになったところを、通りすがりの少年、ランスに助けられたミラとアティア、3人はお互いの自己紹介をしながら、ゴリラ山の頂上を目指していた。
「なるほどなー、お前達もナイト試験を受けるって訳か!!で、俺と同じくブルーサファイアを手に入れるためにここにきたって事か。」
槍を両肩に乗せ、岩と岩を飛び移って進んでいるランス。
「目的地は一緒みてーだな、仲間は多い方がいいし、試験会場まで、一緒にどーだ??な??」
「うん!強い人がいる方が心強いし、やっぱり、結界道の外は複数で行動した方が安全だよ。」
アティアとミラは、お互いに視線を交わし、意思を確認する、今度はランスに視線を移す。
「おう。丁度いいじゃん!!おれも1人で退屈してたんだ、それに、ここの山のボスゴリラは、なかなか強えって噂だ、協力よろしくな。」
そう言いながら、進んでいると、急にランスの動きが止まる。
「………アティア……。」
「……ああ、感じるぜ、ゴリラだ、複数いやがるな。」
「さ、さすがゴリラ山だね……。」
「ウホーン!!!」
「ウファーン!!」
「ウッホーン!!」
ハイテンションな、3匹のマウンテンゴリラが現れた。
アティアとランスは、機敏な動きで、ミラを中心に戦闘態勢をとる。すかさずミラは自分の足元に魔法陣を展開する。
「いいかミラ、ここのゴリラは強え、それが複数となると、今の消耗した俺では、お前を守りながらの戦いは正直キツい。1人で戦れるか!?とりあえず3人背中を合わせてお互いの背中を守るんだ!!いいな!?」
「アティ!!うん!!わかってる!!何とか自分の身は自分で守るから、アティ達は目の前のゴリラに集中して!!」
ミラは数歩前進し、アティア、ミラ、ランスで三角形の布陣に変わる。
ランスは手を顎に当てながら感心している。
「了解だ!!へえ?!やっぱり根性座ってら、ミラくらいの歳の女って、だいたいこういう時すっ飛んで逃げちまうんだがな。」
「ミラはそこら辺の女とは訳がちげーよ!!カノン姉ちゃんに鍛えてもらってっからよ!!覚悟さえ決まれば、やる女だぜ!!」
「やる女だもん!!」
3人は腰を深く落とし、迎撃態勢をとる!!!
「ウッファッ、ウッファっファッション!!ウホホホーーー!!!(うっふぁっふぁっ!!なんだ!!ガキじゃん!!あの兄弟、こんなガキにやられてやがったのかよ!!)」
ゴリラAが指を指して、アティア達を小馬鹿にする。
「ゴリ!!ゴリゴリリー!!(全くだ!!情け無い!!食っちまおうぜ!!!)」
ゴリラBも、首を鳴らしながら3人を見下す。
「ホホホン!!ホーホホホ!!(可哀想な奴らだ!まあ、ゴリラ山最後の砦の俺たちに?殺されるなら本望かなあ!?)」
ゴリラC含め、この三馬鹿ゴリラが最後の砦のようだ。
「ちっ、たかがゴリラの分際で、いい気になってんじゃねーぞお!!??」
ランスの体から、異様な殺気がほとばしる!!!
「すげえ殺気だな………俺も、負けてらんねーぜえ!!!」
アティアからも、気合いの波動が体から溢れでる!!
「ミラも!!負けてらんないもん!!!」
ミラからは、身体中からキラキラと綺麗な光が出る、全然怖くない。
3人の殺気を真正面に浴びる3ゴリラ。
「!!!??ウ……ホ??ウホホ……ウホーッ!!(な、なんだ!?この……威圧感は!?アホ毛のガキの癖に!!なんて気合いだあ!!)」
ゴリラAがアティアの殺気にびびって鼻水を垂らす。
「ゴーリ!!ゴリゴーリ!!(くー、青髪のガキ、寒気がするほどの殺気を放ってやがる!!やべえぞ!!)」
ゴリラBも、冷や汗をかいている。
「ホッホッホッポ……ホーウ!!!(なんだあ!?あのメスガキ!!全然怖くねえ!!まるでウサギみたいだ!!アイツから仕留めるぞ!!お前ら!!)」
「ウホ!!(了解!!)」
ゴリラCが、ミラ奇襲の号令をかける!!!
3匹のゴリラが、一斉にミラに向かって飛びかかる!!
「やっぱそーくると思ったぜ!!ミラ俺に任せな!!」
ゴリラの動きを読んで、アティアがミラの前に移動し、待ち構える!!
「俺が2匹まとめて仕留める!!お前達は、1匹を確実にやれ!!」
2匹のゴリラに、槍を回転させ、突っ込みながら、ランスが叫ぶ!!
バシィッ!!!
ゴリラAとアティアの両の掌がぶつかる!!そして、お互いの指と指が絡み合い、取っ組み合いの力比べが始まる!!
「了解っ!!っぐおおおおお!!!」
アティアの身体が激しく光る!!!
「!!!?ウボっ!?ウボボぼぼぼ!!(こっ、このガキなんて力だ!!人間ごときが、このゴリラ様と張り合うだとお!!??)」
あり得ない!!普通に考えれば、15歳の少年と、マウンテンゴリラが力比べなど、結果は目に見えている。だが、最後の魔力と力を振り絞り、懸命にゴリラの動きを止める!!!
「ばっ……馬鹿力が、もうダメだあーー!!!」
しかし、必死の抵抗も虚しく、ゴリラAに押され始める。光も消えてしまった。
「ウホホッ!!ウガアーーー!!(手こずらせやがって!!!終わりだ!!クソガキ!!)」
ゴリラAが渾身の力を入れようとした瞬間!!アティアの後方に待機していた、ミラの瞳がギラリと光る!!!ゴリラAに向かい、輝く両の掌をむけ、足元の魔法陣が激しく回転する!!
「ウボ……ウボン!?(しまった……このガキは時間稼ぎ!?)」
ゴリラAの顔から凄い量の汗が滴り落ちる。
「食らええっ!!閃光!!!」
ピカアッ!! ピーーーーーーーーーー
光音が響き渡る。
一瞬であった……ミラの手のひらが、眩く、輝いた瞬間、その光は、ゴリラAに向かって一直線に伸びてゆき、そのままゴリラAと共に大きな光音を立てて、巨岩にぶつかっていたーー。
「!!?………………………。」
その場にいた誰もが、何が起きたか理解するのに時間がかかった、ミラ以外は。
「アティ!!!」
力を使い果たし、倒れ込んでいるアティアに寄り添う。
「……ははは……ミラ……お前、いつの間にあんな凄え魔法を……助かったぜ……やるじゃ……ねえか…………………」
力なくミラに抱かれるアティア、しかし、もう目にすら力が入っていない、そのまま目を瞑り、眠ってしまった。
「ミラ……なんなんだ……あいつは……。」
ゴリラB.Cと戦っていたランスが、アティアを抱きしめるミラを見ながら、頬から汗を流す。
「ゴッ……ゴリゴリー!!!(す……スキアリー!!)」
ゴリラBが、よそ見をしているランスに向かって奇襲を仕掛ける、しかし、その拳を躱し、一言。
「悪いな、くたばれ。」
ズボッ!!
ランスの槍が、ゴリラBの腹部を勢いよく貫いた。ゴリラBは、そのまま倒れた。そしてランスの目は、ゴリラCを捉える!!Bの腹から槍を抜き、Cに向かって、距離を詰める!!!
「ホ!?ホホホン!?(何い!?兄弟!?)」
「槍一閃……疾走!!!」
シュッ……………
微かな音を立てて、そのままゴリラCの胸に風穴を開け、通り越して行った。
「ホ?(は?)」
バタン……。
ゴリラCは白目を剥き、何も反応出来ずに倒れた。
「ふん、俺たちの勝ちだぜ。」
肩に槍を掛け、ランスは勝利宣言をするのであった。




