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超魔導戦線リクレシア  作者: 超一蘭
11/32

ランス。



 ゴリラ山で、アティアとミラが、草や枝をかき分けながら、頂上へ向かって、黙々と歩みを進めていく、登山開始から約30分が過ぎた頃、ミラが口を開く。



 「ひぃー、ひぃー、アティ〜まってえ〜〜……

          少し休憩しようよ〜〜……。」



 膝に両手をついて、動きを止める。息が荒い。



 「もうバテたのかよ……ったく、情けねーなあ!!5分だけだぞ??」



 そう言うと、持っていた水筒をミラにわたす。



 「んくっ……んくっ……ぷはあーっ!!

   アティありがとう、はい、アティも飲んで?」



 「ゴク!!ゴク!!ぷひぃーーっ!!……あ、

     水無くなっちまった。仕方ねえなあ!!」



 アティアは目を閉じて、耳を研ぎ澄ます。



 ザアァァァァーーーー



 遠くから水の流れる音が聞こえてくる。



 「川の流れる音が聞こえる……ちょっと水汲んで来るから、そこで休んでろ、俺が戻ってきたら出発だ。」



 「ありがとう、じゃあ休憩しときます。」



 ミラはデコボコな山道の隅にある岩に腰掛ける。

アティアは水を汲みに、少し早歩きで川へ向かって行った。



 「ふ〜ん、ふふんふ〜ん、さすがアティだなー、全然疲れてないもん………頼りになるなぁ……。」



 地面に届かない足を、鼻歌交じりにブラブラさせながら、少し頬を赤らめて、ミラは独り言を口にする。



 「ウホ?ウホホン??」



 近くから、ゴリラの声が聞こえる。



 「……あ……そういえば、さっき、水筒……私

 か、関節キス!!………キャーッ!私ったら、何を考えてんの!?………でも…………ぐふふ。」



 ゴリラの声が聞こえていないようだ、ニヤニヤしながら、思春期特有の妄想が発動して気付いていない。

 


 「ウホッ!?ウホーホホホ!!!」



 ゴリラも一緒になってニヤけている。



 「え??アティア!?もう戻ったの!?」



 さすがに気づいて、ゴリラの方を振り向く。



 「………………え?……ゴリラじゃん。」



 「ウホッ。」



 オスマウンテンゴリラが1匹、ミラに向かって、黄ばんだ歯を剥き出して笑う。



 ミラは、固まる……自分の血の気が引くのを感じる、それと同時に顔が真っ青になって行く……。



 「ぎゃああああー!!たっ、食べられるー!!!」



 ゴリラ山に、ミラの悲鳴が響き渡った。



 「………!?ミラ!?しまった!!ゴリラと遭遇したか!?」



 ミラのエゲツない叫びが、水を汲んでいたアティアの耳にハッキリと聞こえて来る!!!



 「光よ!!足に纏われ!!瞬間強化だ!!」



 アティアは、両足で地面を強く蹴り、猛スピードでミラの元に向かう!!!



 「ウーホー!!!(この子かわいい顔してる、よめにする!!)」



 ドラミングしながら、天に顔を向け、高らかに叫ぶ!!



 「ふわわわわわ〜〜!!食べる前の準備運動!?」



 「ウッホンホーン!!(さあ、コッチにおいでー!?)」



 マウンテンゴリラは、なんか、いやらしい目をしながらミラに飛びかかる!!



 「い〜や〜!!ちょっとやらしいんですけど!?」



 ゴリラの飛びかかりを、超嫌がりながら、体全体を使って真横にダイビングジャンプ!!なんとか避けた!!そのまま大木の方へ逃げる!!



 「……??……ウッフ、ウホホッ!!ウフン。(ウホッ!怖くないよ??大丈夫、大丈夫!!俺に任せんしゃい!!)」



 ジリジリと、ミラをいやらしい手つきで、ワナワナしながら、大木へと追い詰める、このゴリラ、力押しが半端ない、ミラは追い詰められてしまった!!



 「ウーホーン!!(嫁!嫁!遂に!俺に嫁ができたあ!!)」



 再び歓喜のドラミングを鳴らす。が、次の瞬間!!



 「ゴーリーラー!!!そこどかんかい!!ボケー!!」



 アティアが木の枝をかき分け、叫びながら現れた!!!そのままものすごいスピードで、ゴリラに突っ込んでいく!!



 「ウホ?(あん?)」



 眉間にシワを寄せ、くるりとアティアの方を向く、向いたのはいいが、目の前には、光輝くアティアの左足しか見えなかった!!!



 バキィッ!!



 「ウボ!!(ウボ!!)」



 ゴリラの右頬に、光魔法で強化されたアティアの左足が、クリーンヒットした!!ゴリラはなすすべもなく、その大きな身体ごと、草むらへと消えて行った!



 「フゥー、フゥー……ミラ!?大丈夫か!?」



 「うん!!ありがとう!!……あ……」



 アティアのボロボロの手足が目に入る、草や木の枝を、猛スピードで、駆け抜けてきたせいで、アティアの手足は、切り傷や打撲で、血が滴り落ちている。



 「う……動かないで!!」



 急いでアティアに駆け寄り、身体に触れる、そして、ミラの足元に魔法陣が現れる、それと同時にミラの身体が白くひかりを帯びる。



 「癒しの光よ、【私のアティア】を早く癒やして!!」



 光はアティアを優しく包む、優しい光が傷口へと入り込み、みるみるうちに傷が消えてゆく。



 それにしても、普通に本音がでた。ミラは必死だったため、自分が何を口走ったか、気づいていない。



 アティアは、ソッポを向いてミラに顔を見られないようにしている、どんな顔をしていいか、分かっていない、ただ、顔が真っ赤になっている。



 うーん、甘酸っぱい。



 「ミラ……あ、ありがと……よ。」



 「え?……あ……う……うん……。」



 ミラは、アティアの手を離さない、じっと、頬を桜色に染めて、惚れた男の目を見つめる。何度もピンチを救って貰っているのだ、完全にほの字である。



 そんな、発情開始をした、色っぽい顔をしているミラを見て、ゴクリと、喉を鳴らす。



 めっちゃ……可愛い。



      ドキドキ……ドキドキ……



 2人の心音が、高鳴る、鼓動が少し早くなる。



 少し、2人の顔の距離が近づいた瞬間ーー



 「ウホーン!!ウホホー!!ウホホ!!ホホン!!(俺の弟になにしやがる喰らえ!!ゴリラパンチ!!)」



 先ほど、発情したゴリラが飛んでいった草むらから、見た目が、ほとんどかわらないが、ゴリラの兄が飛び出してきた!!そのままそのデカイ拳がミラに向かう!!



 「危ねえっ!!」



 とっさにミラを突き飛ばし、身代わりになるアティア、しかし無情にも、ゴリラの拳は、アティアの横腹にメリメリと食い込み、そのまま吹き飛ばした!!!



 「!!!がっ……」



 殴られた勢いで口から血を吹き出しながら、先程ミラが座っていた岩に頭がぶつかってしまった!!!



 「……ぐ……、ク……ソ……。」



 「嫌あ!!アティア!!」



 意識を失ったアティアに駆け寄るミラ、すぐに魔法陣が展開する、が、ミラの体をゴリラの大きな影が包む!!!これはヤバい!!!



 ミラは両手を広げ、ゴリラの前に仁王立ちする!



 「触れさせない……これ以上指一本触れさせない!!」



 ゴリラを見上げるミラの足が、ガクガク震えている、精一杯の威嚇だ。



 「ウホオーー!!(許さんぞ!人間!!)」



 ゴリラの拳がミラに向かい振り上げられたーー。



 「へえー!!女!!根性あんじゃねーか!!!」



 ゴリラの後ろの大木の枝の上から、男の声が響き渡る。



 「ウホラ!?(何者だ!?)」



 ゴリラは振り向き、枝の上にいる男を見上げる。



 そこにはーー



 精悍な顔つきに、青い短髪、右手には立派な槍を携えて、ほくそ笑みながら、ゴリラを見下している男の子の姿があった。



 「は!?なんだって!?わかんねーよ……ゴリラ語はよ!!!」



 そう言い放つと、一気に大木から飛び降り、ゴリラに詰め寄る!!



 ドカッ!!!



 そのままゴリラの、眉間に強烈な膝蹴りをかます!!



 「ウ……ホ……。(な、なんだ……と。)」



 「てめえ如きに、俺の槍を振るうまでもねえ、そのままねんねしときなー。」



 ゴリラは反応できずに、顔から地面に倒れ込んだ、一撃で仕留めてしまった。



 「へっ、物凄い叫び声が聞こえてきたから、来てみたら、案の定、襲われてたみてーだな。」



 「……あ、ありがとうございます……。た、助かりました。」



 ミラはホッとした表情を浮かべる。



 「……ミ……ラ……大丈夫……か??」



 気を失っていたアティアが目を覚ます。



 「はっ!!アティ!!光よ!!傷を癒やして!!」



 みるみるうちに傷が塞がってゆくーー。



 「!?な、なんだ!?その異常な回復スピードは!?即効じゃねーか!?」



 槍男がビックリした顔をしてミラを見つめる。



 「?これが普通じゃないんですか??」



 ミラは首を傾げる。



 「いやいや、明らかに異常だろーがよ……その

【回復力】は、一体どんだけ魔力高いんだよ……。」



 男の子の頬に汗が伝う。どうやらミラの魔力はかなりのもののようだ。



 「サンキューな、ミラ。…………すまねえ、助かったよ、俺、アティア!!お前、名前は??」



 ムクリと、起き上がり、槍音に向かって手を差し出す。



 槍男もそれに応える。



 「いいって事よ!!俺は、【ランス】ってんだ、エリート槍使いさ!!アティアと、ミラだな、よろしくな!!」



 ニコッと微笑み、アティアと握手を交わす……アティアはランスの槍を見る。そして、思った。



 

  【槍使いランス】……。そのまんまじゃん。

 



 


 

 


 




 


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