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超魔導戦線リクレシア  作者: 超一蘭
1/32

アティア爆誕。

初投稿です。

至らない文章ではあると思いますが、

丁寧に書いて行こうと思います。

楽しんで読んで頂けたら幸いです。




   



「ん〜っ、気持ちいい風……」



 見晴らしの良い、小さな村を、一望できる丘にひとり、佇む美しい女が、風になびく、長く赤い髪を、かきあげながら呟く。



 彼女の名前は『ソフィア』、この物語の主人公の母親である。



「あなたも感じる??『アティア』??」



 膨らんだお腹を摩りながら、お腹に向かって喋りかける。



「さすがにまだ分かんないか―――ん?」



 一人談笑するソフィアの目の前に、フワフワした不思議な手のひらサイズの【光の玉】が近づいてくる。



 ソフィアは無意識にその光の玉に手を伸ばす。



「これは……?」



 光の玉は、手を伸ばしたソフィアの掌に着地、すぐに



  フワフワと宙に浮く、そして――――――



 ソフィアのお腹の中に、スッと勝手に入ってしまった。



「え?……ちょっ、ちょっと……」



 ソフィアは、いきなりの事で戸惑う。



 そして、ソフィアのお腹が燃えるように熱を持つ!!



「ウソ!!熱っ!!ちょっ……熱っ!!ギ……ギャア


アアア―――――――――!!!!」



 ソフィアは丘全体、いや、村全体に、響き渡るほど大声で叫んだ。



    ダダダダダダダダダダダダ――――――



 丘に激しい音が響き渡る……うる若き妊婦が、

村にある、小さな古びた診療所に、膨らんだお腹を押さえつつ、大きな砂煙を巻き上げながら、ソフィアは爆走する!!



        バアン!!!



  「緊急事態発生!!緊急事態発生!!」


 

  ソフィアがはっきょうしながら、診療所の扉を激しく開く!!



 「ふあっ!?」



 びっくりした老婆が振り向く。



 「ロウゴ先生!!いる!?」



「ソフィア!!てめえ!!どうしたあ!?診療所内では、お静かにいいいい!!」


 

 ロウゴ先生の妻、サンバさん(齢70)が対応する!!



「ばあさんや〜、アンタもお静かに〜……ソフィアちゃん、一体どーしたんだね??」



 ソフィアは、丘の上での出来事を先生にはなす。



 「かくがく、しかじか、なのです。」



 先生は、手でソフィアのお腹をなでながら



「ん〜、聞いたことない事例だねぇ〜、触った感じ特に〜、異常はあ〜、ないねえ〜……それと、もーすぐ産まれそうじゃし??安静にしとかんと、いかんねぇー」



「アティは……アティアは大丈夫なのね!!??」



 すごい剣幕で、先生に詰めよる!!

 それはそうだ、突如、お腹が燃えるように熱くなったのだ。先生は再びお腹に手を当て。



「お、落ち着かんかーい。…………ふむふむダイジョーブじゃピンピンしとるぞぉ〜!!」



 ホッ…………ソフィアは胸を撫で下ろす。



「よかったあー……!?ぐえっ!?」



 アティアがお腹を…………蹴った。



 空がだんだんと茜色に染まってゆく、はやく夕食の支度をしなければ、夫と娘達が帰ってからくる。



 ソフィアは、村の家に帰宅し、鼻歌混じりに、夕食の支度をしていた。



「帰ったぞー」「タゾー」



 アティアの父親が、村仕事から、小さな幼女と赤ん坊を、背負って帰宅する。



「おかえりー、今日もご苦労様!!」



 ソフィアが、笑顔で迎え入れる。



「ママーたらいまー!!」



 無邪気に、笑いながらソフィアに、抱きつくこの黒髪カワイイ幼女の名前は、



         『カノン』(3歳)



  アティアの姉である。



「今日も、ミラちゃんのお世話、できたー、カノン、エライー??」



 父親におぶられている、サラサラな金髪をした、この愛くるしい赤ん坊の名前は、



      『ミラ』(生後6ヶ月)



 一ヵ月前、ソフィアの夫の、親友夫妻が不慮の事故で、亡くなってしまい、他に引き取り手がおらず、ソフィア夫妻が、引き取って育てている。



「毎日えらいでちゅね〜、いい子いい子〜、チュッチュッ。」



「ぴゃあーーーーー。」



ソフィアにチュッチュされたカノンは、イルカの超音波、のような声を発する。



「『アベル』、お風呂、沸いてるから、カノンとミラ先に入れてね、お風呂から上がる頃には、晩御飯できるから。」



「あいよー、カモン!!カノン!!」



「カモン、カノーン!!」と真似るカノン。



 タタタタ―――と元気よくアベルを追い抜かし、手際良く自分とミラの服を脱がし、湯船にダイブする!!



     バッシャーーーン!!!



「おわっ!!カノン!!ミラごとダイブしてんじゃねー!!」


 アベルは慌てて風呂場に、駆け込んで行った―――



「ふふ……さ、今夜はシチューよ!!」



 ソフィアは腕によりをかけて、愛を込めて、栄養満点、グツグツ、美味しそうな匂いの香るシチュー、をかき混ぜる。



 30分後、ミラにおっぱいをあげた後。ミラはすぐに爆睡。



 「ふふ……かわいい顔してぐっすりね。」



 ミラのオデコにキスをして、シチュー、パンを盛り付ける、アベルとカノンは、正座して、料理の陳列を今か、今かとソワソワしながら待っている。



 「はい!!出来上がり!!いただきます。」



「いただきまーす!!」



 3人は、シチューに口をつける。



「おいちー!!」カノンは無我夢中でシチューを頬張る!!よほどお腹が減っていたのだろう。



 そんなカノンの頭を撫でながら、



「そういや今日の昼頃だっけか……なんか丘の上からデケエ断末魔の叫びが聞こえたんだが……お前聞こえたか??」



 焼きたての、香ばしいパンを頬張りながら、アベルはソフィアの顔を見る、ソフィアは、それだ、と言わんばかりに、アベルを指差し話し始める。



「今日ね、丘の上にいたのね?それで、光の玉が宙に浮いていたの。」



「ん?光の玉?うん……」ズズ……シチューを飲む。



「でね?私の掌に光の玉が乗ったの。」



「うん……うん??……うん。」アベルは少し首をかしげる。



「熱くて、不思議な光でね、そのまま、私のお腹に入っていっちゃったの。」



 ソフィアは、アベルを曇りなき眼、で見つめる。



「てか、断末魔、お前だったのか……てか、それ本気で言ってるのか??」(真顔)



「だってホントなんだもん、でね!!先生に見てもらって、そしたら、アティアが、お腹蹴ったの!!」



 ソフィアは満面の笑みで話す。



「もうすぐだな、名前は……やっぱアティアだよな??」



 アベルは、ソフィアのお腹を見つめながら、子供の名前を再確認する。



「ええ……この子は、アティア……特別なの。」



「トクベツナノー!!」



 シチューを食べ終わったカノンがソフィアの膝にちょこんと座る。ソフィアは、カノンの頭を撫でながら、パンをかじる。



うん―――いい出来だ!!



 「うっ……」



 突然ソフィアは口を押さえる、アベルの顔を、苦しそうな顔で見つめる……



「まさか……!?」



 アベルは察した!!



「ち、ちょっ、ロウゴ先生呼んでくる!!」  



 家の前に慌てながら駆け出し、         



 「風よ、我に瞬足の力を――――!!」



 アベルは風の魔法を詠唱する。


 

 ヒュウゥーーーーと



 アベルの両足に、小さなつむじ風が、纏わりつく。そのまま突風が吹くかの如く、診療所へと、疾走してゆく――――。



「んー?なーんか、嵐が、来そうだねえ〜。」 



「はいぃ?患者の見過ぎで、ボケたのかい??」



 ロウゴ夫妻が、一息ついて、軽快なトークを繰り広げているところに、アベルが、風と共に息を切らしながら突っ込んで行くーーー。



 診療所の扉が激しく開く!!そのままアベルが侵入!!



 しかし、その勢いのまま、サンバさんに、体当たりしてしまう!!!



 「やべっ!!サン婆!!避けろおーーー!!」



 アベルは叫ぶ!!だが、時すでに遅し。



    「ギャッ!!」   ドガアッ!!!



    ダイレクトアタックーーー



 叫びも虚しく、サンバは吹っ飛ぶ、が、すぐに空中で回転し、体勢を立て直し、壁に激突する前に、足で見事に衝撃を相殺!!見事に何事もなかったかのように華麗に、着地した!!!! 



 クルクルクルクル……ダンッ!!……シュタッ!!



「おおーー……」パチパチパチパチ……



 2人は華麗な身のこなしに喝采を送る。



「いや、殺す気かああああーーー!?」



 サンバは叫ぶ、当然である。



「悪い!!それより……ソフィアが産気づいちまって………」 



「なっ、なんだってえーー!!早よ言わんかい!!」



 サンバは、殺されかけたことなど、気にも止めずにイソイソと身支度を整える!!



「そうくる頃だと、思っておったよ、やっぱり、嵐はきたね〜、丁度今、出産セットを用意したところじゃよー、さ、早くワシを連れて行きなさい〜。」



 そういうと先生とサンバは外に出る。



 「すまねえ!!恩に着る!!!しっかり捕まってな!!!」 



 アベルは2人を背中に担ぎ、再び風を纏わせ、全速力で家に向かった。



 そして、それから数時間後…………



「うぐあああぁぁぁ……!!」ソフィアは必死になって、出産の痛みと格闘している。苦悶の表情で呻いている!!その隣で…………



「あああああぁぁぁ!!うおあああぁぁぁ!!」  



 アベルと、カノンも呼応するが如く、発狂している!!



「お前ら、うるせええええ!!!ちょと黙っとけえええ!!」それ以上の気迫で、サンバは二人を黙らせる!!



「やばい、やばい、やばい!!ふんっーー!!」



 ソフィアはさらに力む!!もう少しだ!!



「そろそろだねー、アベルや、急いでお湯を持ってきてくれんか??」



 先生にそう言われると、アベルは急いで沸かしておいた風呂から、木の洗面器にお湯を入れ、ダッシュでソフィアの股へと持ってきた!!



 「もうすぐだよー!!ほれ!!もう一息!! 頑張れ!!気張れ!! ヒッヒッフー、ヒッヒッフー!!!」 



 先生は、出産の呪文を唱える。



 「ヒッヒッフー、ヒッヒッ……フウアアアア!!」



 ソフィアは、サンバに背中を摩られながら、全力で出産の呪文を唱えた!!!



 そして……スポーーーン!!!バチャアン!!



 見事、綺麗に、滑り出るが如く、


 

 勢いよく、男の赤ちゃんが、姿を表した。



  一同「あ。生まれた。」 


 

 それから、3年の月日が流れる。


 そして、ソフィア達の、運命の歯車が、狂い始めて


 ゆく―――


 























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