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目が覚めたら、知らない天井だった

 「朝、目が覚めたら、知らない天井だった」という定型文があるそうです。


 小説のスタートとしてもふさわしく、主人公の環境ががらりと変わったことを象徴する表現なのだそうです。


 そんなフレーズが頭に浮かぶほど、今日の天井はちがいました。

 同じ模様なんですよ?別に自分の部屋じゃないところで目が覚めたとかじゃありません。ですが光の感じが全然違います。明るいのです。


 光の角度が違う?ぼんやりと何が起きたのかわからずに考えた後、ふと、時間が違うのでは!と思いつきました。ベッドの宮にあるはずの時計は、枕の横に転がっています。

 見るとなんてことでしょう!10時半?!呆然です。しばらくものが考えられませんでした。


 起床時間は5時45分。目覚まし時計なんかセットしなくても、絶対そうです。

 「ちいさいひとたち」の起床時間は7時ですし、初等部で3年生までは6時半ですが、年齢が2ケタになれば起床時間は5時45分。

 まあ、シャワーをあきらめれば6時まではベッドに居座れないこともありませんが、そこまで居座るとシスターたちが病気になっていないか、見にいらっしゃるので病気でもない限りはそれ以上ベッドには、いられません。シャワーなしは推奨されていませんから、5時45分の鐘で起きるのはもう、何年も続く習慣になっています。


 学園を出てからは、鐘が聞こえるわけではありませんが、勝手に目が覚めていました。

まさか、こんなことがあるなんて。今日は火曜日で、90分授業が2つですが、もうこの時間だと2つ目がもう始まるところです。


 これが、「お寝坊」というものなんですね…「寝過ごす」というのもこれでしょう。

初めてです、こんなこと。


 「お寝坊さん」と呼ばれるお話がありましたね。うわあ…。いや、呼び名が「お寝坊さん」で、行為としては完了形が「お寝坊する」過去形、いや過去完了形が「お寝坊した」でI slept over。多分こうです。

 

 これは、今からシャワーを浴びて着替えて、朝ごはんを食べて、学校へついたら30分から45分ぐらいは授業が受けられるかどうか…。


 あきらめましょう。お休みして、お友達に授業の内容を教えてもらうことにするしかなさそうです。ノートを写させてもらったり、チューターしてもらったり。誰に頼めるでしょう…。


 普段ある程度親しく話す数人の顔を思い浮かべながら、シャワーを浴びます。

 着替えて、身支度をしてパンを食べ、ミルクを飲んで、外には出ていないのにもう11時5分。


 やっぱりこれは無理というものでしょう。今出て学校に着いたら11時25分、門のところから教室へ行くまでに5分ぐらいはかかるとして(後から計ったら5分では間に合いませんでした)授業に出るのが30分間。無理ゲーです。あきらめましょう。


 regでも買いましょうか。


 ログオンして、バンクへ飛び、町の試薬ショップへ出かけます。

regは、本当にすぐ減ります。999個ずつ買っておいても、気が付いたらなくなるのは、スクロールづくりのscribe skillや、ポーション作りにも要るからです。キャラ間で、ギルドの箱を使って受け渡しをしながら、生産キャラのスキルを上げている最中なのです。


 特に根っこみたいな形のと、黒い球形のregは早くなくなります。お花みたいなのは毒草で、これはあまりなくならないのですが。

 

 regショップでうまく何種類か999個のregを買って、店から出ようと思ったら


Gonzales:Hi, Nico =)

(おや、ニコ)

Nicole:oh, hello, Gonza, how are you? long time no see!

(わあ、久しぶり、ゴンザ、最近どうしているの?

Gonzales:yep, things get a bit tangled in RL, but now I m ok

(ちょっとリアルが大変で。でももうなんとかなったよ)

Nicole:glad to hear that

(それはよかったわ)

Nicole:*smiles*


Gonzales:but Nico? what happen to you now?

(でもニコ、何があったんだい)

Nicole:oh, most of my skills are over 90 now

(そうね、今はスキルが全部90を超えているのよ)

Gonzales:not that, your school

(そうじゃなくて、学校だよ)

Gonzales:if I remember correctly, you are NOT supposed to be here atm

(もし、俺の記憶が正しければ、今ここには、いないはずだよな)

Nicole:I decided not to go to school today

(今日は学校に行かないことに決めたの)


ゴンザが魔法を撃ちました。いきなりです。

足元からゴウッと炎が立ち上がって、HP激減です。


 これはメイジタイプのPKがよく出す魔法です。

思わず、スクロールをクリックして、タウンマーカーに飛んでしまいました。

 ギルドメイトに撃たれたので、街中でもガードは来ないし、フラグも立ちません。


 どうしていきなりフレイム?包帯ヒールをしながら、regを銀行にとりあえず入れて、どうしたものだろう、と思っていたら、ゴンザが走ってきました。


Gonzales:Nico! hey! stop!

(ニコ、ちょっと!ストップ!)


 とまれって言われても!動いてませんから!

またフレイムが。いやですってば!なぜ!


もう一本、残っていたスクロールで、銀行の別マーカーに飛びました。これは、西日の町の銀行の屋上にでるマーカーです。


 ゴンザに追いかけられて、魔法を打たれるなんて、初めてです。もちろんセブンや、ロックとゴンザ、シヴァも、ミサ姉も魔法を撃ち合って遊んでいる時はありますが、私はまだほとんど攻撃系のスペルが撃てないのです。


 スクロールでかける六階梯は撃てますし、ムーブの練習に使いますが、あれを書くのは大変なんですから。私のキャラクターではまだ六階梯が失敗続きになります。regは消費するし、MPは足りないし…。必要な時はギルドの箱のを使用するように言われていますが、まじめに練習するとか、試合で撃つとかならともかく、ただの遊びでギルドのスクロールは使えません。無駄遣いです。

 ですから、みんなが魔法合戦になっているときは横で見ているだけですし、そういう時は誰も私に攻撃魔法を撃ちません。


 ヒールをしていると、ゴンザがコールインしてきました。

hey stop(待て)って言われても、止まったらまた撃つんですよね?もう、しつこいです!


 スクロールでタウンマーカーに飛び、もう2つぐらい銀行のタウンマーカーを経由してから、町の宿屋でログアウトしました。追いかけまわされるのを避けていたら遊べません。いくら久しぶりだと言っても、私を魔法のスキル上げの的にするのはやめてほしいです。


 もうちょっとゴンザの相手になってくれる人が来てから遊ぶ方がいいでしょうね…。みんなが来るのは多分5時からあと。


 そのぐらいまで、待ちましょう。


 生産キャラはギルドにいたので、そこから銀行へ寄って、空のスクロールとregを抱え込み、シヴァの家でスクロールを書きました。この家は私が、生産スキルを上げるときに、静かで誰も来ない場所があればいいと思うけれど、町の酒場ではカバンをのぞかれて落ち着かない、という話をした時、連れてきてくれてフレンド登録してくれた家です。


 シヴァの生産キャラのお家だそうで、中のものは何でも使っていい、と言ってもらいましたが、本当に静かで、滅多にモンスターも動物も、PKも出ない家です。


 はかどりました。何とか成功した六階梯のスクロールは後でギルドの箱に入れに行きましょう。もらってばっかりはよくないですから、少しずつでも足すようにしています。


 MPの回復が早くなる「瞑想」のスキルもあげて、書いて、待って…この分だと七階梯が書けるようになるのも近そうです。


 そろそろロックが来るころです。ロックの今日のアルバイトは5時まで。ギルマスが早ければ5時半、シヴァも早ければそのぐらいです。ギルマスとシヴァは家からリモートワークだそうですから。セブンはリモートの時と、そうでないときがあるそうで、来る時間は曜日によって違います。火曜日は早いことが多いです。


 ミサ姉は7時ぐらいの時が多いです。ちょっと遅めで8時の時も。


 生産キャラはこのぐらいでログオフです。


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