日本人ギルドと遠足(後編)
始まるまでに時間がかかった狩りだが、始まったらスムースだった。
死体の出ないモンスターは、lootが床にそのまま落ちる。これをかっさらうlooterもいるので、自分が倒したらまず、それをカバンに入れ、あとで分けるのがこの場所のスタンダードであるという話をする。
周りを巻き込む「炎の壁」とか縦横無尽に走り回る「破壊の水車」とかは、FPKのエサになるので詠唱しないこと。ヒールはお互い気を付けて掛け合うこと。
包帯ヒール組は距離をよく見て、ヒールされる側は自分のHPが上がってから動くのも考えること。
人に乗り上げるとスタミナが減るので、動きが悪くなり、死にやすくなるため、人と交差する進路を取る時には、乗り上げないで迂回するほうがいいとか、どんどん一人で突っ込むと、ヒールがしづらくなるので、奥へ先導する人がOKを出さない限り、その人より前を歩かないことも教える。
Ichi:ちなみに、うちのギルドのニコは、先頭を抜いて突っ込んでモンスターが溜まっていたので即死になったことがある。間抜けなのでやめること
Nicole:ギルマス!恥ずかしいです!
Ichi:せやろな。突っ込むなよ?
Nicole:もう突っ込みません!
珍しくエクスクラメーション全開のニコだった。
****
奥のほうまで進んでから、撤退の練習をする。
先導するリーダー、次に物理攻撃、魔法系でも弱いキャラが真ん中で、後ろを長距離攻撃系、つまり弓矢か、魔法が撃てて、なおかつ体力の高いものが、守りながら撤退…というスタイルになることが多い。
リーダーはPKに気を付けながら走って、離脱か、走って退却するだけかを判断。
真ん中を走っているキャラは、なるべく距離を詰めつつ、乗り上げないように走って、スタミナが減らないようにすること。
離脱のコマンドが出たら、速やかにコールアウト。
リーダーについて、ひよこたちを走らせ、一番後ろをBBが走る。
Ichi:角を曲がる時に、走り方に気を付けて、乗り上げないように!
Ichi:包帯ヒール組は自分をヒールしつつ走る!
とか打ちながら走れるのは、さすがシンイチ?
Ichi:画面の切り替えの時に、モンスターとプレイヤーに注意して、入り口より手前で止まる!
Ichi:リーダーのタイプインチャットを見逃さない!
停止!というわけで、リーダーが停止させたのが、ダンジョンの出口にほど近いところ。
ここでの注意は、ダンジョンの出口に、炎の壁とか、破壊の水車とかを出したり、またはHPの落ちた人を狙うPKが出やすいこと。
ダンジョンに入る人を狙うか、出る人を狙うか、どちらもあるけれど、入り口は危ないということが分かればOKということだ。
そういうものを見たら、あとちょっとなのに、とか思わず、安全を期してコールアウト。
――だけれど、今回は、ここで終わりでゲートアウトとなった。




