シンイチとミサの会話@ミサの家
Ichi:ミサ、すまんけどな、やっぱりうちへ入ってくれへんか。
Ichi:ソロがええというのはわかっとるんやけど、ほんまにミサだけが頼りやから。
Missa:なんか、珍しいね、そんなこと言うの。なんか困ったことでもあった?
Ichi:それがなあ。うちへな、新しく入れた子がおんねんけどな。そいつが女やねんけど、言葉遣いがなあ。
Missa:つまり、下品だから、直すのに口が出しづらいとかそういう感じの?
Ichi:いや、ちゃうねん、逆や、逆。ものすごい丁寧なんや、浮くぐらい。
Ichi:本人はどないかしようと思てがんばっとるんやけど、それこそ外人がしゃべっとるみたいな。
Missa:日本人?
Ichi:のはず。ただ、本人の話によると、寮がある、めちゃくちゃ田舎の学校から全然出んと育ったとかそういう話でな。
Ichi:宗教の学校へ行っとったような、ああいうのがあるやろ、外国のドラマみたいな
Missa:女子ばっかりの
Ichi:そうそう、そういう感じので、尼さんしかおらんみたいな
Missa:へえー
Ichi:ものすごええ子なんは確かやけど、中学生か、下手したら親のアカウントであそんどるガキかと思たぐらいでな。
Ichi:途中からただのガキちゃういうことはわかったけど。最初本名を使うとったんや、名字と名前が漢字四文字のやつをな。
Missa:危なくないの、それ止めたほうがよくない?
Ichi:もう止めた。それで声かけたんやから。キャラは作り直させて、今は英語の名前がついとる
Missa:で?
Ichi:まあ、細かいことは見たらわかるとしかよう言わんけど、「神に感謝」やからな、びびんなよ?
Missa:なにそれ
Ichi:感極まると出るようやな。本人それがおかしいとか気づいとらんけど。
Missa:かわいがってるのはわかった。で、そののろけ話みたいなのをわざわざ私のところまでしに来たわけ?
Ichi:ミサ、勘弁してくれや、そういう話とちゃうねん。
Ichi:言葉遣いがな?直そうとするあまりに俺らのをコピーしよるんや
Missa:男の子っぽく?
Ichi:大体そうや。うちにおるゴンザて覚えとるか、メリケンの
Missa:ああ、うん
Ichi:あいつがこう、何とかデラックスみたいな「なのよねぇ」とか「そうだわぁ」とかいいよんねや
Ichi:ほんで、女のはずのニコがな、「そうだろう」とか「ちがうよな」とかいいよる
Missa:大体わかった
Ichi:ゴンザにお前のその語尾は商売の女性用や、ニコ、お前のは男性用や、と注意してたらえらいことでなあ
Missa:つまり、見本がいるわけね?
Ichi:そういうことやな。ロックが姉貴がおるいうてな、だいぶコーチしとるんやけどな
Ichi:どうもこう、女らしい雰囲気に欠けるいうんかな、不自然さが取れんでな
Missa:ゴンザが女っぽいのは実際アメリカでは問題にならんやろうが
Ichi:ニコが引かれるほど丁寧か、男の子と間違われかねんほどかの二択いうのは良うないと思うんや
Missa:おうちの人は、何も言わないってことなのかしらね
Ichi:ああ、それもな。ニコの御両親はおらんも同然らしい。一人暮らしでな、非常時の連絡先は弁護士や
Missa:なるほど、ドラマみたいね
Ichi:いやになるほどな。飢えとる感じや。関心と気づかいにな。
Missa:ほっとけないと
Ichi:せやな。それが多分一番近いわ
Missa:どんな子?
Ichi:厳しく教育されとる感じはある。怖がりやな。スペルの音でぴぃっとびびりよんぞ
Missa:従順で、引っ込み思案?
Ichi:パッと見ぃはな。好奇心は旺盛みたいやぞ。時々すごい変な質問しよる
Ichi:それと、意外にhot headやな。腹になんもないけど。
Ichi:カッとなるとこがあるのは学校でぎゅうぎゅうに締められた感じやけど直っとらんみたいやからな
Ichi:あと、ようびびって泣きよるわ。まあ女やからかもしれんけど
Missa:うーん、苦手かも?
Ichi:しばらくたって、あかんかったら出て行ってくれてええから、ちょっとだけでも、頼むわ
Ichi:あとな、鉱山町のnewbieらに名前売れとったわ、ええ人やいうてな
Ichi:いっこも物くれとか言わんとこは買うてる
Missa:シンイチにもべったり来るとかは
Ichi:色気ゼロや。小学生にそんなんないやろ、そういう感じや
Missa:小学生か…
Ichi:それか小動物やな
Missa:ペット的な
Ichi:大体は。頭は悪ないと思うんやけどな。あ、英語はべらべらやぞ
Ichi:アヴァロンのあれについていけるぐらいにはな
Missa:それはすごいわね
Ichi:女王様のお気に入りや
Missa:字にすると怪しさ倍増
Ichi:こないだうちへ女王が来て、3時間以上ニコとしゃべっていったからな
Missa:英語はそのあたり問題ないの?言葉遣いとか
Ichi:俺がわかるほどはないな。ロックが英語の方が普通の子に見えると言うとった
Missa:じゃあ、大体問題は言葉遣いだけ?
Ichi:やと思うんやがな
Missa:じゃあ、暫定的にしばらくは行くわ。副ギルマスの権限ちょうだい。
Ichi:ええんか、ミサ
Missa:どうせなら腹立つことがあったら全員蹴り出すぐらい出来てもいいわよね
Ichi:as you wish, your highness
Missa:hehe
Ichi:ありがとうな、ほな今週末の土曜日7時とかでええか。うちのマーカーもっとるか
Missa:このキャラにはないと思う。ちょうだい。バンクで
Ichi:おう、すぐいく
***
西日の町にはregショップがないから、いつもすいとる。銀行の屋上にコールインするマーカー位置は、盗賊避けに便利で、静かにバンク整理をしたいときに向いとるんや。
そういや、こういう銀行の屋上マーカーをニコにやったことはないなあ。
数歩ずれてマークをする。あとで渡そう。ロックにもやるか。
ミサがコールインする位置とは3歩ぐらいしか離れとらんはずや。
効果音と共に、ミサがコールインしてくる。やっぱり、屋上の建物の影を回って90度の位置。
あの頃はうちのギルド員が使うタウンはここだった。屋上で幽霊になるとゲートアウトしてもらうしかないから、屋根を使うのは死にやすいキャラは禁止で、屋根が使えるようになるのが一人前の証と言ってもよかった。
今は…。ロックもニコもギルド同士の戦争は経験がない。
飛ぶときに二人でタイミングと位置を合わせて、コールイン直後のgangbashを防ぎ、守りあうというようなコツは、ロックにもニコにも教えていない。多分セブンは知っているだろうが、これはold schoolerの癖のようなもので、セブンは意識しているかどうか…。
Brigands'denのコール位置、中央タウンはここ、鉱山町はここ、森の町はあそこ…シヴァ、ミサ、俺は、お互いのコール位置を把握している。
街の状態を把握して、敵のギルドがどこに何人ぐらいいるとか、偵察、報告も必要だし、全員同時に町へ出て銀行前でre-equipしながら守りあうとか、regを買うのはギルドなしのサブキャラやとか、いろいろと小細工が必要で当たり前にやっていたのがちょっと懐かしい。
今はロールプレイで平和なもんや。
ニコなんか中央タウンの銀行の前の広場の、それも敷石の同心円の中心をマークしている。そんな開けた位置にコールインやゲートインなんて、敵ギルドの集団に待ち伏せされるぐらい無防備な位置で、まず、ギルド戦をやるプレイヤーは避ける。
念のために練習させて、コール位置を変更させよう。ロックもニコも習慣だけはあってもええやろう。
久しぶりに来た、西日の町の銀行の屋上で、ミサが帰ってからもシンイチはちょっとぼんやりと、人気のない広場を眺めたのだった。




