女王の訪問日
ギルドハウスで謹慎になった二日目の日曜日、女王様が遊びに来てくださるお約束の日。
私がしょんぼりと部屋に閉じ込められているのを、慰めにいらしてくださって、ギルマスがあんまり厳しく私をぶたないように来たのだと笑っておっしゃいました。
ギルマスは忙しいので、私をぶっている暇はなさそうだという話をしながら、ロックと作業をしているのを説明して、この大量のウールの山を糸にして、それから布にして、最後に包帯にしておくことになっているのだというと、ギルマスはずいぶん手厳しいと思うと言っていらっしゃったけれど、ギルマスに作業を軽くするように女王様の方から助言するという話は私の方から、しないでくださいとお願いしました。
罰というのは受けてしまわないとお許しが出ないものだというのはわかっているのだから、というと、女王様は、小さいのに、がんばりすぎだとおっしゃって。ロールプレイの設定上、私は多分10歳前後ぐらいのようです。
私が悪かったのだし、いい子に出来ると思ったからお披露目に出してくれたのに、期待を裏切ることになったので、ちょっと辛いです…という話をしたら、ハグされてしまいました。
ハグのアクションもゲーム内に用意されているのですが、位置関係によってはうまくかみ合わないので、大体このゲームでは簡易的に感情の一種として表現されてこうなります。
*hugs*
*hugs her back*
ちょっと、ほっとする感じがします。いろいろな話をすると、このプレイヤーはアメリカ人で40代の人なのだそうです。子どもはもう大きくなっていて、ちょうど私ぐらいの年ぐらいのお子さんがいらっしゃるという話でした。英語の質問や、感情表現の解説もしてもらったり、怒りが抑えられないことがあって、パッと口に出てしまう欠点があるのだという話や、今まで寮のある学校にいたので、外の世界にまだなじめていない話とか、だからここで練習中だとか…というような話を、いつの間にかしてしまっていました。全然知らない人のはずなのに、やさしく相槌を打って聞いてくれて、気が付いたら全部打ち明けてしまったような、そんな、自分が別人になったような気がします。。
お母さん…ってこんな感じなんでしょうか。悲しくなったら、抱きしめてくれたり、こんな風に話を聞いてくれたり、いつの間にか、黙っておくはずだったことまで聞きだされてしまうものなのでしょうか。だとしたら、神様が今、王国の中でこんな人と出会える機会を作ってくださったのは、お恵みなのだと思います。神に感謝。
こんな気持ちになったことは一度もありませんでした。甘くて、やさしくて、泣きたくなるようなそんな気持ち。誰かが私を気にかけてくれている。そういう気分がします。
ギルマスが、ギルドに入れてもらった夜に言っていました。「たかがゲーム」という人はいるけれど、感情は本物なのだと。私は今日、確かに感情が本物だということをかみしめたのでした。
感謝と賛美のうちに。
おやすみなさい。




