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16:試薬の買い方

 試薬の買い方はかなり変則的で、法則を理解しないとなかなかたくさんは買えません。


 NPCのお店では、試薬1種類につき10個売っています。売り切れたら、15分ほどで次に20個が売られます。それを買うと15分後に30個、それをまた誰かが買って15分たつと次は40個、とだんだん数が増えていって、最高になるのが999個。


なのですが、問題は10個の試薬を買って売り切れにして、品ぞろえの待ち時間の15分が過ぎて20個になったとき、誰も買わないと次に15分経ったときにはまた10個しか売られない…という現象が起こるのです。つまり大勢のプレイヤーがひっきりなしに買わないと、みんな10個だの、30個だの…という数で少しずつ買わなくてはならなくなってしまいます。


 魔法をそれほど使えない私のようなキャラクターでも30個ずつ8種類を持ち歩いていることからもわかるように、結構消費の激しいものなので、100個単位、カバンの容量と自分の体力が問題ないなら999個ずつ買いたいというようなものです。(100個で重量1なので軽いのですが)多分一番お金がいるのはこの試薬で、残りのものは材料を自分で集めて作ることも出来ますから、お金は試薬にしか使わないというプレイヤーもいると聞いたことがあるぐらいです。


 NPCの店員がお店にうようよ歩いている中を、試薬の数が大きい店員を探してbuyと連呼しながら歩き回るプレイヤーたち、品物が再配されるのをしゃべりながら待つプレイヤーたち、買えたはいいけど試薬が重すぎてカバンの底が抜けて、足元に落ちたのを一歩ごとに拾いながら必死で銀行を目指すプレイヤーなんかがいたり、荷駄馬を連れてきて馬に買った試薬を積んでいるプレイヤーに、人のカバンの中から試薬を盗み出そうとしている盗賊プレイヤーに、その泥棒を罵っているプレイヤーまで、試薬屋さんはいつも大変にぎやかな場所です。


 盗賊プレイヤーは実際盗めるかどうかということよりも、そうすることでスキルやステータスが上がるのを狙う人もいます。といってもXXX is peeking your bag!とか、XXXis trying to steal from you!とか警告が出続けるのもなかなかにうっとおしいものです。


特にpeeking your bag、つまりカバンの中をのぞかれるのは犯罪フラグがたたないので反撃も出来ませんから、みんなのぞかれるのを嫌がります。銀行前で何度もそうされると本当に邪魔で、つまりは「いやがらせ」をして楽しむプレイヤー。どうしてこんなことが楽しいのかと思うのですが、人がイライラして切りかかるともちろん町だとガードに瞬殺されるのは見たことがありますから、本当に純粋に嫌がらせなのでしょう。


 本当に盗まれてしまったら、その瞬間から2分は名前がグレーになって、犯罪者フラグが立ちますから、その瞬間にガードに瞬殺…だといいのですが、盗賊キャラが隠形で隠れてしまったら、感知スキルでもないとガードにも見えなくなってしまうのです。


 盗まれたものは返してくれるわけではありませんから、損しておしまい。嫌がらせに価値のないものを盗む人もいますが、スクロールだとか、マジック武器だとかを盗まれるとか、もちろんマーカーとかインゴットのようなものだってカバンに入れておけば取られる可能性があります。


 絶対盗まれないのはこの世界に最初に来た時に支給されたNewbieアイテム。私の場合は、ハサミ、解体用ナイフ、靴、服。服をなくすのが面倒で、Newbieアイテムの服をうっかり捨てたりした人は死に装束のローブをいろいろな色に染めて着ている人もいます。

盗めますが、死んでも手元に残ります。死んでも残るのはいいのですが本当に飾りがなくてシンプルで、かわいくはないのが残念です。ローブならいくらでも手に入る上に銀行や蘇生屋さんの前へいけばいつでも落ちていますから、ローブは盗まれてもあまり怒る人はありません。


 私が死に装束のローブを着るのは鹿の皮狩りの時です。ローブの重さが1、newbieアイテムの服の重さが上下合わせて2なので、皮が1枚多くカバンに入るようになるのでそうしています。


 真っ白ローブに、NPCの店買いの低品質刀を持っただけで、裸足で鹿を狩っている姿はあんまり見良いものではありませんが、なるべくたくさん皮を持って帰りたいじゃありませんか。

 でもこの前、その恰好で鹿を解体していたら、ギルマスが見にいらして、「いかにも初心者で、襲われやすそうだからやめろ」と注意されました。

 ですが、遅かれ早かれPKに襲われるんですから鎧なんか着ても、私の荷物をあさるPKが喜ぶだけですもの、これで十分です。


 包帯は持って行って、同じ目的で皮狩りをしているプレイヤーとヒールしあって助け合って、襲われたら大体一目散に走って逃げるのが常道ですが、最近はもうswordmanshipとかfightingとかが少しでも上がらないかとそのまま戦って死ぬことにしています。

 死ぬのは大嫌いですけれども、スキルが鹿相手より上がりやすいので、いつか返り討ちに出来ないかなあ…と。まあ、店売りの刀を使っている時点でかなり望み薄ですが。


 あんまり甘えたくないのでPKされてもなるべく呼ばないようにはしていますが、あまりにも同じ人に何度も殺される時は大急ぎでpked,centercityとか短く送っておくと、ギルマスが飛んできて、あっという間にPKを倒して私を蘇生して、ついでに皮が残っていたらギルドハウスに持って帰ってくださいます。毎回呼ぶように、と言われるのですが殺される頻度が1日に3度ではききませんから、迷惑になりたくないからと断っています。


 ちなみに、今私のギルドタグは[Under the wing of,BB]となっています。ひよこのようなチビ扱いですが、一番弱いので仕方ありません。いつか[the protector of,BB]みたいなギルドタグがつけられるようになったら…。いや、ちょっとではなく、かなり無理感がありますね。夢で終わりそうです。それよりは[Guild Smith,BB]のような生産系のタグのほうがまだ可能性があるでしょう。それとも[Stitcher,BB]なんていうのも素敵ですね…。刺繍は王国にはありませんが、裁縫スキルを上げてこういうタグに。


 ギルマスはどうしてこんなに弱い私をギルドに入れてくださったのでしょう。このギルドは入りたい方が多いらしいのですが、ギルマスが独断でメンバーを入れる(または入れない)ため、人数が少ないのだそうです。ギルマスに頼んでくれと言われたときは一応ギルマスに伝言はしましたが、その話は実現しなかったことを思うと、なにかギルマスが思っていらっしゃるところがあるのでしょう。


 今日はもう寝ましょう。明日また、出かけます。

明日のための新しい力をお与えください

麗しの聖母様、愛し子である救い主様、精霊のお導きによって。

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