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10:早回しに最初の2週間

 これはどうも、死亡したらしいということが周りの会話からわかります。切り刻まれる私の死体を見るのは変な気分です。何も持っていない、Newbieだと言われているようです。Newbie。知らない単語でしたが、この単語はその後何度も聞くうちに「初心者」のことだと見当がつきました。


 町に戻って、蘇生屋さんへ踏み込んだとたんに「蘇生しますか?Yes/no」の選択画面が出ます。

 ああ、なるほど、と蘇生したら、白いローブを着ているのはなぜでしょう。服は…?

 服はカバンに入っていました。ローブは無料でくれるようです。


 これでは町から一歩も出られないではありませんか!

 この町にあるのは、AIが操るキャラクターのお店だけみたいです。お店に入ってbuyというと買い物画面が出て、アイテムが買えるというのは見て覚えましたが、お金がほとんどないのがつらいところです。

 街で売られているアイテムの高いことといったら。銀行に3000ゴールドありますが、もっといろいろわかるまで取っておいた方がよさそうです。


 死んだときの白黒画面のまま、町の外に出て見学すると、死ななくていいかもしれません。カラー画面が見えないのが惜しいですが、生きたまま出られないのなら仕方がないことです。もうちょっと何とか詳しいことがわかるまでは…。


 私は幽霊のまま、町の外へでて(幽霊になると透明化するようです)、いろいろなところをうろうろと歩き、森の中を通っている道を走って、町をもう一つ見つけました。蘇生屋さんで蘇生します。


 街中で鉱石が掘れるという場所があったのがそこの特徴で、AIが操るガードのいる安全圏でなけなしのお金をはたいてツルハシを買い、街中で鉱石を掘り、それを鍛冶屋さんの炉床で溶かしてインゴットにして売る…という方法を見つけて、私は鉱夫になりました。Smeltingというスキルが上がっていきます。鉱石を溶かして、インゴットにするスキルですね。日本語では「精錬」です。


 鉱石掘りのいいところは、HP(自分の体力ですね。なくなると死にます。減ってもそのままにしておくとじわじわ回復するのがいいところです)が増えて、重いものが持てるようになるところでした。INTというのは何のことかということもわかりました。(魔法を使う時に必要となる数値でした。マナポイント=MPを消費して魔法をかけるのです。低いと難しい魔法がかけられないそうです)


 空の魔法書に呪文を書いたスクロールを入れるとその魔法が魔法書に書き写されて、正しい組み合わせの試薬(8種類、AIが操るキャラクターのお店で買えます)を持っていればその魔法が使えるようになるのも覚えます。鍛冶屋のハンマーという店売りの道具を炉床で使うと、インゴットから商品を作れることも、それがインゴットよりずっと高く売れることもわかりました。


 私がNewbieだということがわかると、コツを教えてくれる人がいます。話をよく聞いて参考にして、必要なことを覚えます。スキル、お金、道具の名前、どこで道具が買えるか、自分で作れるかを覚えます。


 smithy(鍛冶)のスキルが上がり、HPがかなり上がって、STAのゲージが残っているうちはHPが全部なくなっても死なないことですとか、あまり重いものをカバンに入れると足元に落ちて、周りの人に取られてしまうことがあることですとか、そういうマニュアルには書いていないことを覚えました。


 タウンの安全圏と、外側圏外の区別を覚え、PKをどうやって安全圏にひっかけてNPC(プレイヤーが人間でないキャラクターはこう呼ぶらしいです)ガードで返り討ちにするか…というようなことを見せてもらって覚えて、実践します。


 隣の町までものを持たずに走ってプレイヤーに殺されて幽霊になって到着して、蘇生屋さんで蘇生し、鉱山町にはない裁縫屋さんへ行って買う布でかわいいお洋服が作れるということもわかったころ、私は最初に私に声をかけた人に再び出会いました。


 Ichi:おう、久しぶり、元気にしとったか、うまいこといっとんのか


 前に見たときと同じ、馬に乗ったその人は、私にたった一度しかあったことがないというのにまるで親しい人みたいに声をかけてきました。


 そこで私は初めて、その人のお名前がIchiさんだということを知ったのでした。

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