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スーツナイト  作者: 夢猫
ソードシア編
2/10

2話 見捨てられた少女

「ほんとにここどこなんだよ…ここがあの少女の言ってた『私の世界』なのか?」


どこを見渡しても知っている場所など、どこにもなかった。見渡すかぎり西洋のそれも中世紀ぐらいのような建物ばかりだ。


「俺にどうしろっていうんだよ…」


見慣れない景色に突然飛ばさてしまい焦っていると聞き覚えのある声が聞こえてきた。


「なにも説明せずにこの世界に連れてきてしまって申し訳ありません。あなたにはこの世界を救って欲しいのです」


「どこにいるんだよ!なにもかも突然すぎだ!まず、お前は誰なんだ!この世界でなにをすればいいんだ!そして咲に会えるって言ったよな?どうやったら会えるんだ?」


咲に会えるかもしれないという気持ちがつかさを焦らせていた。


「焦る気持ちもあると思いますが落ち着いてください。教えられる範囲のことは教えますから…」


少女はなだめるような声で話を進めた。


「私はヘーゼルといいます。一応この世界の神という位置にいます。あなたにはこの世界に起きている異変を調べて解決してほしいのです。そしたらあなたの望みを叶えてあげます。」


「異変って、この世界の神様なのにどうにも出来ないのか?」

「残念ながら私はこの異変に干渉できないのです。ですがこの世界の住人でないあなたならできるはずです!頼みましたよ!」


そういうとヘーゼルの声は遠のいていった。


「おいっ!おいっ!まだ聞いてないことがあるのに!」


その声に反応はなく、変わりに周りから冷たい目で見られていることに気がついた。


「ここじゃ、この姿は目立ちすぎるなどこかに移動しないと…」


だが、どこにも行くところがなく行き詰まっていた。そんな困っているつかさに不意に肩を叩くものがいた。


「あなたは何者?この辺じゃ見ない姿だけど…迷ってるの?」


声をかけてきたのはショートカットの黒髪で人形のような顔立ちをした女の子だった。


「ちょうどよかった!俺は真中つかさって言うんだよろしく!ここはどこなんだ?」


いままで話かけてくる人はいなかったのでチャンスだと思い話を進めた。すると、女の子から思いもよらない言葉をかけられた。


「……あなたもここに居場所がないのね。いいわ付いてきて」


『あなたも居場所がない?』いったいどういうことだ?


疑問に思いながらも、付いていくことにした。そして、彼女も冷たい目で見られていることに気がついたはそれ以上深くは聞かなかった。


「……君の名前はなんていうんだ?」

「……サナよ。あなたはどこからきたの?」

「日本だ」

「日本なんて聞いたことないわ。どうやってきたの?」

「……気づいたらここにいた」


その反応にサナは驚いていた。自分どうやってきたのかわからないなんてそんなことはありえないのだから。


……


「着いたわよ」


そこは少し古ぼけたアパートのような建てずまいだった。


「少しの間ならここにいてもいいわよ。私の家だから」

「いや!そんなの悪いって女の子の家に入れてもらうなんて!」


流石に女の子の家に入れてもらうのは気が引けた。


「へー…女の子扱いしてくれるんだ…」

「当たり前だ!女の子なんだから流石に気が引ける」

「でも、ほかにいく宛あるの?」

「ない……」

「なら、泊まりなよ。私のことなんて気にしなくていいから…」


つかさはここまで優しくしてくれることが嬉しくて笑顔で感謝した。


「サナ、ありがとう」

「……どういたしまして。……(初めてされたわ)」


それから、ここがどういうところなのかと聞いた。すると、この街はティアという街でここには剣を極める名門の学校があるらしい。さらにこの街以外には盾を極める学校とその両方を極める学校があり、この3つが国を支えるために作られた組織ということを教えてくれた。


「この国にはその3つの中で適正を見られて入る学校が決まるの。」

「サナはどの学校なんだ?」

「……私は剣の学校 ソードシア」


もしかしたら、そこにいけばなにか手がかりをつかめるかもしれないな。行く価値はある。つかさは連れて行って欲しいと頼んだ。すると、帰ってきた返事は意外なものだった……


「絶対にいや!ソードシアには行かない!」


今日初めてあったばかりだがこの子がそんな大きな声を出すとは思わなかった。つかさは申し訳なさそうに言った。


「……悪かった。なら、1人で行くから行き道だけでも教えてくれ。たのむ」


すると、紙に書いた地図を渡してくれた。


「……それに行き道は書いてあるよ……」

「ありがとう、サナ。じゃいってくる……」


そういってつかさはサナの家をでていった。


「これで彼も私のことを除け者にするんだろうな……行かせなきゃ良かったかな……」


部屋の中に独り言が溶けていった…




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