嫉妬はどこへ行く?
嫉妬の日という事で番外編
突然だが、今日は4月10日だ。
何が言いたいかは、わかるな?
そう。パルスィの誕生日ということだ。え? 公式では何も言ってない? 知らん。
俺が今日はパルスィの日と言えばパルスィの日。それすなわち、パルスィの誕生日なんだよ!!
はい。文句は受け付けませぇん!
と、俺がふざけていると隣にいた義妹ーーーもとい正邪が変なものでも見るような目でこちらを見ていた。因みに正邪は第四の壁を知りません。
「兄貴...大丈夫?」
「気にするな。それよりも妹よ。一つ頼みがあるのだが」
「パル姉へのプレゼント?」
「そうだ」
俺は前回から学んだのさ。
自分で考えたプレゼントはセンスがないことがな! あれ、目から血が...
あ、話変わるけど。涙って血が透明になったものらしいよ。知ってた? だから号泣してるって言葉は大出血とも言えるよね。
どうでもいい? あ、うん。
「思ったんだけど。人に選んだものをそのままプレゼントするってどうかと思うよ」
「そうは言うが妹よ。俺のセンスのなさは知ってるだろう?」
「あたしは兄貴のセンスいいと思うけどなぁ」
忘れていたよ。正邪は俺と全く同じ感性の持ち主だった。似た者兄妹ってことか! いや違う。論点はそこじゃない。
「妹よ。俺たちのセンスは世間一般だと下の下らしいぞ」
「な、なんだってぇ!!」
「どこで覚えたんだよ......まあいい。とにかく、プレゼントはやっぱりパルスィふぁ喜ぶものがいい」
「あ、そうだ。こう言うのは?」
そう言って正邪は俺の耳元でその内容を囁く。それを聞いた俺はきっと何を言ってるんだこいつは。と言いたげな顔をしたであろう。それほどの提案だったのだ。
とりあえず、正邪が邪魔が入らないように根回しをしてくれるらしい。いやまずこれがうまく行くかどうかだと思うよ?
△▼△
そんな訳で俺はパルスィの部屋にいます。もちろん二人っきりです。
「どうかしたの?」
「いや別に」
「ふぅん...それで。一体何の用? 別に無くてもいいけど」
「あ〜うん...一応あるんだけど...」
もう思いっきり言ってやる! 場が悪くなってもいい! なったとしても全部正邪の所為だ!!
「今日はパルスィの誕生日なので...プレゼントをあげようと思いきました」
「でも、見た感じ手ぶらのようだけど?」
「......プレゼントは俺を一日自由にしていい権利です」
はい。絶対にパルスィ蔑んできます〜。目に見えてます〜。小さくため息をすると、何か異様な感情を感じた。
その感情を発しているであろうパルスィは俯いていた。あれ? 蔑んでこない?
「あの〜パルスィさ〜ん?」
「本当に...」
「え?」
「本当に...自由にしていいの?」
「え? うん」
「じゃあ...早速...」
俺がその言葉の意味を悟る前にパルスィは俺の口を塞いだ。彼女自身の口で。
あ、こういう展開は予想してなかった。
数秒、この状態が続いたと思うと不意に彼女の口が離れた。
離れたおかげでパルスィの顔が見えた。彼女の顔は興奮でもしているのか真っ赤で息も荒かった。
「興奮してる...?」
「だって...自由にしていいって言うから...」
「はぁぁ...全く...」
俺はパルスィを抱き寄せた。
「こんなプレゼントでいいのか?」
「私はアルマさえいれば、何も望まない。それだけで幸せだもの」
「そうか...」
変に考えていた自分がアホらしく思えてくるぜ。だが、とても嬉しい。
「ハッピーバースデーパルスィ」
俺が笑ってそう言うと、パルスィが押し倒してきた。これはあれだ。今夜は眠れんな。
なんか思うがままに書きました。
後悔? 知らん。




