表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/41

02 新人類の増大

私が新人類に分岐した日を皮切りに世界中で新人類が分岐し始めた。

大体一つの国に1人か2人で文化圏単位だと6人ぐらいの地域もある。

日本に2人、シナ大陸に3人、台湾に1人、東南アジアに5人、オーストラリアに1人、ニュージーランドに1人、ヨーロッパに4人、北アメリカに4人、分かっているのはこれだけで殆どの人は夫々の地域で活発に活動していて仲間を確実に増やしている。

他にもいるのは確実で、まだ情報が得られていないだけだ。

シナ大陸で活発に動いているのは内戦地域にいる2人で1人は潜伏中だ。

日本では1人は活発に活動中だがもう1人の私はやっと1人眷族を得たところだ。


この3年間に私が国内で遣っていたのは政府への根回しだけ、日本政府は国民を新人類の魔素生命に繋がらせる事により現生人類の魔素生命から離脱させる事を画策している。

そうすると現生人類の魔素生命にある存命中の日本人の情報は新人類の魔素生命に移る事になる。

これによって現生人の魔素生命を通しての情報漏洩を防ごうとしているのだ。

今日本には2人の新人類が確認されていて日本政府の計画では国民はどちらかの魔素生命を選択して繋がる事になる。

後から変更する事も可能なので選択自体はどちらでも構わない、繋げ易い方に繋げれば良い。

大多数の日本人は日本人の新人類の魔素生命に繋がる方が他の地で生まれた新人類の魔素生命に繋がるよりも容易の筈だ。

これだけ種の分岐が始まっているのだから現生人類は種の限界を迎えているのだ。

シーラカンスの様に種として残る可能性もあるが新人類に切り替えるのが無難だろう。

日本の新人類は2人とも魔法学界では知られているし、離婚した3年前にスキャンダラスにメディアに流れたので知っている一般人も結構多い。

元妻側の方に良い印象が残っているかもしれないな。

私は随分叩かれていたから知名度だけなら私の方が高いかもしれない。








眷族となったからには美弥にも今の新人類の状況を伝えて弟子にして鍛えて守らなくてはならない。

最近私は眷族第一号の美弥を弟子として連れて大学に通っている。

成体になったら魔法の基礎を身に付ければ後は週に一度顔を出して試験さえ通れば中学高校は問題ないので大学の単位を取る人は結構いる。

それで私は自分の講座であれば聴講を許可出来るし、自分の研究室で特別講習も開いているので参加させているのだ。

家でも魔法の鍛錬をさせているので内弟子みたいなものだ。

自分で守る力を身につける様に鍛錬しながら、守るためになるべく行動を共にしている。




日本では入試制度が破綻して大学は講座ごとに受講料を取り修了証明を発行する形態に成った。

専門の学士号を取る為に必要な単位数の講座を纏めて受講料はセット価格にしたりしている。

大学は全国共通の単位制に成って必要な単位はどこの大学で取得しても良い。

大学の入学と卒業と言った形態は無くなったのだ。

だから必要単位を1年で取得する者もいれば3年以上かけて取得する者もいる。

大学の研究室は論文を書くための補佐と指導もする機関で学士号を得ると○○大学○○研究室の学士修了証が発行される。


うちの大学の魔法学部の学士課程では研究室の修了は学士論文と発表で決めるが殆どの学生は早くから仮所属の形で研究室に出入りして研究の手伝いを始める。

研究の手伝いの段階である程度の魔法を習得していないと手伝いにすらなれず仮所属とはならない。

研究の手伝いをする過程で出たテーマについて研究室に提出して採用されたら研究室に正式に所属となり、テーマの研究を行い学士論文の作成と発表を修了して学士修了証を得ると学士になる。

他の方法は独自テーマを研究室に提出して採用されたら後は同じ過程を経て学士になる。

大学側は学士論文の指導料と修了証の発行の形で料金を徴収する。

修士課程も学士課程とほぼ同じ形である。


大学の収入は受講料等以外にもあって、大学での研究で取得となった特許については特許権は大学に預託となるため特許収入も増えているようだ。

この場合、研究者には契約に従って特許収入の内の何割かが入る事になる。




私は大学で魔法技術習得の専門講座を3講座開いていて魔法技術を教授している。

初級講座は高校を成体で卒業していれば習得している筈の魔法技術の再教育。

この講座は盛況で、皆さん鍛錬を怠っていて知識はあっても日常生活で使い熟せていないのだ。

流石に魔法学部を目指す学生はいない筈だけど他学部を目指す学生には充分役立つ。

稀に学士課程に入っても成体に成っていない者もいるがこの講座を履修すれば習得出来る筈だ。

中級と上級の講座は更なる魔法技術習得と実践で講師に自衛官を呼んだりしている。

3講座とも魔法技術習得が目的なので試験にさえ通れば単位を所得できる。

試験も講義で習得した筈の魔法を使えるかどうか確認するだけなので優秀な者は1年で3講座の単位を取得する事も可能だ。

これ以上の技術は原則として研究室に入るか弟子にならないと教授していない。


私の研究室では上級まで習得していないと不採用で所属とならない、研究で必要だからであるが仮所属で研究室の手伝いとしてウロウロしていれば自然に覚える。

中級まで習得していないと仮所属にも成れないけど私の講座で習得すれば充分だ。

研究室に所属と成ったら必要に応じて特別講習を開いて技術を習得させる。

殆どの学生は仮所属から始めるので問題ないのだが3回程独自テーマが採用されて研究を始める段階で学生が必要技術を身に付けていない事が発覚して大変だったことが有る。

本人は単位を取得して技術を身に付けたと思っているけど知っているだけでは使えない。

正確には時間を掛ければ使えるけど研究で使える実践レベルに成っていないのだ。

鍛錬して技術を使い熟せないと駄目なのに鍛錬を怠っている訳だ。

私の講座では魔法技術習得とある様にある程度使える様にならないと次に進めないが、大学や講師によっては知識を教えるだけで習得は本人任せなのだ。

こうした場合は研究を止める訳にはいかないので午前中は鍛錬の時間となる。



そうやって眷族第一号の美弥を鍛える日々を送るうちにマルルこと丸原 瑠美が家に上がり込む様に成って眷族第二号となり鍛錬に参加するようになった。


「マルルちゃんは遊びに来るのは良いんだけど帰らないのかな?」


「マルルは眷族第二号だよ。私と同じ様に鍛えて守らないと駄目だよ」


「宜しくお願いしますね。眷族第二号になりました」


「えっ、あれ、いつの間に」


確かに眷族になっている感じがする。


「だから今日からは呼び捨てでお願いします。マルルか瑠美で」


「いやそれは急に言われても。でも御両親は良いの?」


「うちも美弥と同じで連絡さえ入れていれば問題ないの。子供を連れ帰っても良い感じ?両親も何時別れても可笑しくない年だし経済的にも問題ないし」


「いやそれは不味いんじゃないかな」


「駄目だよ。新人類の真祖なんだから。何もしない方が不味いんだから。未成年なのが気になるんならお姉ちゃんを紹介しようか?20歳だし今彼氏もいない筈だから」


「いやそれも不味いんじゃないかな」


「兎に角、眷族第二号としての権利を行使します」


「いや、まぁ、好きにしなさい」


……考えてみるに今更1人が2人に成っても同じ事だ。


「親は大丈夫だけど。お姉ちゃんは心配性で来ると思うから対応宜しくー」


「……お姉さんが来たらどうすれば良いのかな?」


「口説いて眷族にして子供をバンバンつくるんだよ。真祖なんだから種の繁栄に責任が有るんだよ」


「……………」




数日後に瑠美の姉が家に遣って来たがどう見ても姉妹には見えないし、年も逆に言われた方が納得する見た目だ。

いやそれ以前にどこかで会った気がする。

データボックスの記録で思い出したんだが昨日沃土の研究室付近ですれ違った娘だ。

高校生だと思っていたけど20歳ならうちの学生か?


「こんにちは教授、昨日ぶりです。瑠美の姉の映美と申します」


「こんにちは映美さん、昨日学校でお会いしましたね。うちの学生ですか?ご用件は妹さんの事ですね」


「はい、沃土教授の研究室に所属して研究しております。妹にこちらの話を伺ってそれで色々と調べてまいりました。眷族第三号となりますので宜しくお願い致します」


「えっ、あれ?いや、えっ、どうしてそうなるの?」


「沃土教授とも相談してこちらに付く事に決めました。新人類の件なんですけどシナが不穏な感じで、中近東でアジア系のユダヤ人の中からメシアを名乗る新人類が出て、中南米とアフリカでも現地宗教絡みで1人づつ、インドの3人も宗教絡みでアメリカ合衆国で2人宗教絡み、オーストラリアの1人も宗教絡みで急速に人が集まっています。それで私はこちらに付くことに決めました」


宗教絡みなだけなら問題はないがシナの新人類と一神教の原理主義者絡みの新人類は排他的な傾向が強くて警戒中だ。

自分達だけが正しいと宣い、要求もしくは命令を発言するだけで話し合いにもならない事が多い。

日本人は「彼らは放置出来る限り放置するのが賢明だ」と判断している。


「その話は沃土から?秘密なんだけどなぁ。2か月後に政府発表が有るけど。まぁ、そんな感じですか。日本は1割から2割が私で残りは元妻の方に付く予定で、こちらは不利ですよ?」


「知っています。それから宇宙計画の事も知っています。異世界計画の事も知っています」


「君は沃土に随分見込まれているね。権藤先生にも異世界計画まではまだ話していない」


「それでどうします?」


「好きにして下さい。ただ私の邪魔になる様な事はしない様に。2か月後以降はしばらく様子を見て計画を開始します。上手く行けば向こうの方が繁栄しますよ?」


「でもこちらの方が面白そうです。取り敢えず2、3年で動く話ではないですよね」


「研究の進み具合に依るけど3年では難しいと思う。魔法だけでは難しそうだから。その後の事も考えないといけないし友好国との絡みもあるしね。異世界だけなら運が良ければ何とかなりそうだけど人が多すぎる」


「ほどほどに落ち着いたら私達がバンバン子供を産みますから種の繁栄のためですもの」


「あ~その話は暫く置いておこう」





2か月後、予定通り日本政府の現生人類と新人類についての現状と政府見解が発表された。


現生人類と新人類の現状

①現生人類が種の限界を迎えて種として急速に衰退しつつある事。

②呼応する様に世界中で新人類の分岐点と思われる人々が多数出現している事。

③世界中で新人類の魔素生命に繋がる人が急増している事。

④新人類の魔素生命に繋がる事により現生人類より分岐して子孫は新人類に成る事。

⑤夫々の新人類の勢力が日に日に拡大している事。

⑥現生人類に対する新人類の優位は明らかである事。

⑦このままだと現生人類は近々いずれかの新人類の勢力に飲み込まれる事。

⑧日本に2人の新人類の分岐点が確認されている事。


以上の現状を鑑み日本政府は日本国民に対し新人類の魔素生命への繋がりを促す事を決定いたしました。

幸い現在日本政府は2人の日本人の新人類の存在を確認しております。

願わくばどちらかの魔素生命に繋がるようお願いします。

現生人類の魔素生命に繋がったままで新人類の魔素生命と繋がって下さい。


新人類の魔素生命と繋がり現生人類の魔素生命との繋がりが無くなっても種の分岐なので情報は移されるだけで死亡扱いにはなりませんので個人情報が漏えいする心配はありません。

既に多数の人々が移行済みですが個人情報の漏洩は確認されておりません。

心配な方は確認後に宜しくお願いします。


後で他の新人類の魔素生命に繋がりを切り替える事も可能です。

気軽に選択してください。

魔素生命を選択せず現生人類のままいたらどうなるか?

現状では現生人類と新人類は遺伝子上は何も変わりません。

分岐点とある様に種として進化する事が決まっただけの状態です。

でも新人類が優位にあるので交配すると子供はすべて新人類に成ります。

そうやって何世代もかけて新人類が増えて進化して分岐が確定したら分岐が完了です。

そうやって何世代もかけて現生人類は衰退していきます。

新人類の魔素生命への繋がりはこれを加速するだけで結果は変わりません。

子孫が新人類に成るか自分が新人類に成るかだけの違いです。

新人類の分岐は今もなお発生中です。

新人類の優位は覆りません。

そうやって生命は進化して繁栄してきたのです。

あまり気になさらずに新人類の魔素生命へ繋がって下さい。

日本人の新人類の分岐点はこの御二人です。


そして私達2人の個人情報と画像が延々と流される。

毎日毎日、日本人の殆どが新人類に成るまで1ヶ月以上続いた。

幼体は当然新人類に成れないので成体になったらどちらかを選ぶ事になる。




1ヶ月の間、私は外に出れずにいつもの様に転移して家と大学を行ったり来たり。

マスコミ関係者は離婚騒動の事を思い出して「離婚の原因は2人が新人類の分岐点になった事だ」と報道していた。

そしてお決まりの過熱報道が始まる。

「他種に成った妻を敵として捨てて息子にも会おうとしない人非人」

「家族を捨てて3人の女子高校生との乱れた生活、法的には問題ないと嘯く」

「娘の友達2人を家に連れ込み口説き落とす」

「妹を心配して会いに来た姉を口説き落とす」

これらは情報操作の一環でなるべく私の方に移らない様にしていた。

でも一寸遣り過ぎではないかな?

反論をしないのは不味いので「彼女達は私側の新人類に成った仲間で口説き落とした事実はない」と反論したが「仲間になったら家に連れ込まれる」となった。


過熱報道は国会でも取り上げられて新人類の分岐点である私の行状が問題に成り国会に召還された。

国会議員でも世代で意識がはっきり分かれて私より上の世代の特に女性が嫌悪感を示した。

そして私を追及するがいくら追及しても嫌悪感は増せど法的に問題な事は出てこない。

倫理的に問題だとする議員もいたが45歳から下の世代の殆どは何が問題なのか理解できない。

独身男性が何人と付き合おうが当人同士が納得していれば問題ないではないか。

年齢差が40歳で若い娘を口説いて何が悪いのか。

若い世代は30歳以上は百歳までは皆同じとみているから年齢差をそこまで気にしない。

相手が若い娘である事も好みの問題で個人的な話なのだ。

そして私は新人類の分岐点ではあるが議員でもない唯の個人なのだ。

個人の倫理観を国会で追及して如何すると言うんだ。

「分岐点として相応しくない」とか言う輩もいたがそもそも国会で決める事ではない。

こうして上の世代の私への嫌悪感を掻き立てるのには充分に成功した。

これで魔法に理解の薄い上の世代の殆どがこちらには付かなくなるだろう。

マスコミは「法的に問題のない個人を引っ張り出して何をしているのか」と議員を叩いていた。

こいつらは誰かを叩くネタが欲しいだけで事実かどうかはどうでも良いのだ。


マスコミの金言:

「嘘から出る儲け」「嘘がバレるまで続けろ」「バレるまでは嘘ではない」「嘘がバレても続く限り続けろ」「嘘を続けたら新しいネタが出る」「事実が求められている訳では無い」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ