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ガチャ転生 英雄方程式 / 強能力待遇異世界行き。  作者: 瑠衣田 ホゥ ※旧 寿堂 スウ
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- 6 スキルとはなんたるか -

- 6 スキルとはなんたるか -


「じゃあ、準備はいいね?」

頷く。

俺は今から自分から生まれたスキルを確かめに、信頼出来る人の店で診断する事になっている。


「君がSRになったのはそれ相応の力が宿った証拠。つまり、それが一体どんな物か見に行かなければ、味方にどういう影響があるか、また無いのか、知っておかないと」


言いたい事は分かる。

何せ、あの土壇場で発動した一撃が異様だったから…

「それにしても、これはまた随分と歩くんだな、シルネさん。」


もう少しで着くから我慢ね、と言うと本当に少しで着いた。

シルネハウスから1キロ無いだろう。

こじんまりとしたレンガ造りの家の前で立ち止まる。

「着いた、ここの主人は癖が強いけど、信頼出来るよ」


そう言ってシルネさんは木製の扉に手を掛ける。



「ああああああぁぁぁぁぁぁぁああああああああああああああああああああぁぁぁぁあ‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎」


「おおぅわぁぁぁぁぁぁああああああああああああああああああ‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎」


ドアを開けたらなんか大声を出され、ついこちらも、喉がはち切れんばかりに声を出した。


「へぇ、声が良く出る人だね。シルネさんのお仲間か?」


俺はその時、名乗る事もできずに未だ固まっていたので、そのあたりの経緯はシルネさんがスラスラと説明したので、

「スキル見たいのか、この人の?」

と、トントン拍子で進むのだった。


このドッキリ主人は名を、バルクネルと名乗った。

後は専門的な魔術式行使が可能だという事だけで何も教えてくれなかった。

この家の中は余り天井が高くなく、奥に階段が見えるとこを見ると、二階にも部屋がある様だ。

薄暗く、薄気味悪い。ざっと言うとそんな印象。


「まま、座って座って。疲れてみ?」


疲れてみ?と言われて案内された椅子は、座りにくそうな大理石を思わせる石製だった。これは確かに、尻が四つに割れそうだ。

だが、よく見ると座席に魔方陣が彫ってある。


「ここに座ればいいよ。勝手に発動して、スキルの詳しい概要が、契約した人物の頭に直接流れ込む。…多分」

「多分ってなんすか…」

久しぶりだから自分に発言に保険を掛けたと、言って俺を早く座るように、椅子の手すりを叩く仕草で示してきた。


座る。

ヒヤリとした椅子の冷たさが、触れた皮膚の表面を這う。

途端に椅子は光始めた。



「起きろよ。終わったんだから」

身体を強く揺すられ、跳び起きる。

寝ていたのか…俺。

シルネは俺の目覚めに気付いてか、

「無事に終わったから、帰ろっか」と、革製のゆったりした椅子に座って本を片手に、微笑んでくれた。

俺の作業が終わるまで読書でもしてたのか。

シルネはそのまま主人に金貨を渡して、一言感謝の弁を述べて出口のドアを引いた。


「なあシルネさん、俺のスキルはどんなだった?」

あの椅子に施されている術式は、“ 強力者(メンバー) ” 能力の詳細を解析し、契約した相手に直接その解析結果を流し込む。

なのだとか。つまりシルネが俺のNからSRに引き上げたスキルの正体を知っているわけだ。


問い掛けたは良いが、返事が無い。

無視されてるのかとも思った。

こう、黙ってシルネさんのプリーツスカートが、歩くたび、横に揺れる様をまざまざと眺めながら、後ろをついて歩くのも飽きてきた。

なので、少し早歩きになって先回りする様に、しかし正面からぶつからない様に距離を測って。

そうして彼女の顔を見た俺は、

「余り顔色が良く無いけど、ひょっとすると迷惑かけそうなのか?」


「ううん…そうじゃ無いんだけどね」

そう言うとまた、家に帰るまで無言に戻ってしまった。

そこがやはり心配。



「君のためだ、一部しか教えないよ」

「…?」


シルネハウス共同スペース、居間。

そこで真剣な面持ちで見つめてくる少女に少し狼狽える俺は、謎の不安から額から血の気引く様な感覚に襲われる。

シルネは言う。

君のスキルはね、と。


「皆んなオートとアクションの二つを使いこなすけど、君はそういう形じゃない」

「つまり…?」

「変わってる…凄く…ね…」


変わっているスキルとは、シルネ具体的に説明してくれた。

オートタイプとアクションタイプのスキルを使いこなして立ち回る。そしてそれぞれ一つ以上持ち合わせている。

しかし、

俺は違った。

俺の場合、オートタイプスキルだけが二つあるのみで、アクションタイプスキルが無い。

これの何がまずいかと言えば前例が恐らく存在しないらしいという事だそうだ。

なので立ち回りかたが上手く行くか試行錯誤に時間を掛ける必要があるという。加えて、スキル内容が出鱈目と滅茶苦茶の申し子の様な珍しいスキルだという事。


「出鱈目と滅茶苦茶…ですか」

「うん…正直何コレって感じの」

「教えて下さい」

「う…うん」


「君の二つのオートスキル、その一つ目、“ 残機(リロード) ”…」


残機(リロード)、そう言われた。

シルネは言う。

「君が今まで重ねた年の分、どれ位君が苦しんでも生き返る…だから素直に死が訪れない」

「凄いな…‼︎」

「うん…でも、これは他の誰にも教えない方が良い」

「ん、なんで?」

「特殊なスキル程、それが弱点になる……」


シルネは俯いた。

その仕草の意味は分からなかった。

「なあ、そのもう一つの方も教えて下さい……ね?」

暗い空気になっているのがどうも息がしずらく感じてしまって、話題を切り替えた。


「もう一つは、“ 解方返(アンサーデストロイ)し ”」

「それは?」



「自分の事を殺したその手段を、いかなる技術を……どんな手順やスキルであっても、自分のアクションスキルに形を変え、完全模倣する」


この二つは凄く噛み合っている。

そして何より異様だった。

命と引き換えに、相手の殺し方を身に付ける。

特殊で異様でおかしいのは、この世界に足を踏み入れて間も無い俺でも分かった。


「ああ…なるほど、じゃああの怪物を倒したスキルは…」

「そうだね。つまり君は何処かのタイミングで死んでいたんだ…」

「…………………じゃあ、あと17回は生き返れる訳か…」

「うんそうだね…あともう一つ、一週間経てば回数は元に戻るみたい」


良く分かった。

なるほど、ステータスがさほど伸びていないのにSRクラスに躍進したのはそんなカラクリがあったとは…

てか俺、一回 死んでたのかよ…


◇ 前編終了。


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もう一方の投稿に集中したいので暫くこちらは投稿しません。誠に勝手ながら申し訳ありません。

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