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超短編2

僕の世界。

作者: しおん

僕が幸せな世界に生まれてから、もう何年も経っている。のどかで平和な争い事のない世界。ここは僕の望んだ世界だ。


波乱万丈な人生ドラマなんてものはこの世界のどこにもなくて、ぽかぽかした陽気に似た人々がここでは暮らしている。

絵本に出てくるような草原と可愛いログハウス。そんなファンタジーな世界があるわけないとか人は言うんだけど、残念、ここにはあるんだよ。そんな幻想みたいな世界が。


野菜と果物と少しの肉・魚。

本当は後半のグロテスクな部分は一切合切取り除きたかったけれど、それだと僕が我慢ならない。肉も魚も大好物なんだ。それに、少しの汚れがより美しさを引き立てるような気がしなくもない。どうせ後付けの言い訳だ、本心じゃないってばれるのはわかってる。



「今日も平和だなぁ」



小さくこぼした言葉もこの世界では不思議なもので、



「へーわって?」

「へーわ?」

「へーわってなにー?」



と、子供からの質問攻め。



「ここみたいな世界のことだよ」



大人ぶって教えてあげると、



「へー」



って、みんな聞くわりに興味なさげだよね。

この世界において平和でないことがないから、理解できないのも無理はないか。


戦争だって、差別だって、そんな醜いものは存在しないんだ。だから、そんな言語もない。


競うことはあっても、争うことのない世界。


それが、僕の世界だ。





一生笑って暮らせる作り物の世界と、多少苦しいけど面白味のある現実と。


君はどっちの世界に生きたいですか?


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― 新着の感想 ―
[一言] んー……所詮作り物だし、やっぱ現実世界が私はいいです。
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