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第七話 俺、メイドになります。その6

 高瀬洋一郎の姿は、どんどん人あらざるモノへと豹変していく。



 最早、隠すことができない状態だ!



「高瀬、お前は一体……う、うお、サマエルさん!」



「そこをどいて、山田君」



「や、山田じゃない! 俺は鈴木だ!」



「そんなことは、今はどうでもいいじゃない、山田君! とにかく、邪魔よ! 私の後ろに下がってもらえるかな、山田君!」



「うおおお、俺は鈴木だァァ~~!」



 山田なのか、それとも鈴木なのか? とにかく、迂闊にも半変態という状態の人造獣人という真の姿に変身する一歩手前の高瀬洋一郎に近寄る男子のひとりに対し、サマエルは自分の後ろに下がれと命令する。



「う、この感じはっ……人外が放つ邪気!? 高瀬君、まさかアナタは!」



 と、ミーア大佐の前髪の一部がヤマアラシの針状の毛のようにギンッと押っ立つ! 高瀬洋一郎が発する邪気を感じ取ったって感じかな?



「せ、先生、ナニが起きているんでしょうか? 高瀬君が巨大化したように見えるんですけど?」



「むぅ、クラス委員の豊崎さん! だ、ダメです! 高瀬君に近づいては――っ!」



「え、近づくなって? 私はクラス委員として彼の横暴を止めてみま……きゃあああっ!」



「まったく、今の高瀬君に近づいちゃダメですってば!」



 危ない、危ない……ミーア大佐がクラス委員の豊崎という眼鏡っコの自分のもとに引き寄せなかったら、今頃、彼女は人造獣人に半変態している高瀬が振るう凶拳の餌食になるところだったぞ!



「ちょ、不味いわね。高瀬君が人外だってことがクラスのみんなにバレちゃったっぽいわね。でも、何故か彼が人外なんかに……」



「うううう……うがががぁ……俺は人外……化け物なんかじゃない! 人間を越えた存在だ、キヒヒヒ……うがああっ!」



「うわあああ、高瀬の頭が狼のようなかたちにっ!」



「へ、変装だろう?」



「おい、そんなワケがないだろう! アレは化け物だァァ~~!」



「つーか、なんだ、この悪臭! あ、洗っていない犬のニオイって感じだ、オエェェ~~!」



 半変態状態であっても、一目で人外――化け物の類とわかる姿にまで、高瀬の姿は豹変している。



 仮に変装だって思うヤツがいるとすれば、鈍さを極めていると思う……あ、ひとりだけいるぞ、そんな奴が!



 ついでにだけど、むせるような洗っていない犬のニオイ……いや、強烈な獣臭も漂い始まる! 



「ふんぐるい、むぐるい、けもののふたぐん……猛獣界へ強制転移!」



 ふう、高瀬が人造獣人という本体を現す前に駆けつけることができたようだ! とばかりに、沙希を筆頭に俺とみるく、そしてニャルラトホテプと松永が二年B組の教室へと駆け込む!



「ほう、その本は死霊秘法(ネクロノミコン)かな? 面白いモノを持っているじゃないか~☆」



「死霊秘法? う、転移が始まった!」


 さて、駆け込むと同時に沙希が、どこに隠し持っていたのかともかく、一冊の古臭くて分厚い本の表紙を開きながら、なにかしらの呪文を詠唱する――おわ、その刹那、俺たちはアフリカのサバンナのような場所へと転移する!



「ここは猛獣界!?」



「そうか、奴を叩きのめすために、ここへ強制的に転移させたってワケね」



「ちょ、二年B組の生徒たちも、ここへ転移させてしまったようだぞ、沙希!」



 むぅ、サマエルやミーア大佐はともかく、クラス委員の豊崎たち二年B組の生徒たちまで猛獣界へと転移させてしまったようだ!



「うおおお、ここはどこだ!」



「山田、落ち着いて……ほら、騒ぐと〝そのコたち〟に襲われちゃうわよ」



「何度言えばわかる! 俺は山田じゃねぇ! 鈴木だ……ヒイイ、熊っ! 熊が出たぞぉ……うがっ!」



「とりあえず、私の魔眼の出番ね。二年B組の生徒たちは気絶させておいたよ」



「フン、余計はことを! まあ、この場合はご協力ありがとうってところかしら」



 突然、アフリカのサバンナのような場所へ移動したので、当然、山田――いや、鈴木たちは騒ぎ出すが、ニャルラトホテプの両目から放たれた邪気を受けて一斉に気絶するのだった。



「ちなみに、この眼鏡のおかげで即死レベルの邪気が気絶する程度に抑えられているのさ」



「そ、そうなの? うわ、豊崎さん……無事なんですか?」



「あ、はい、私だけなんとか……」



「むぅ、君がかけている眼鏡が、偶然にも私の邪気を分散したようだな! す、素晴らしいぞ、眼鏡ちゃん!」



「エヘヘ……で、でも、ちっとも嬉しくない状況下なんですけどっ!」



 偶然の出来事なのか!? とにかく、クラス委員の豊崎はかけている眼鏡のおかげでニャルラトホテプの邪気に耐えることができたようだ。



「ここなら思う存分、暴れられるわね! 覚悟しろ、化け物っ!」



「私も協力するわ! 二年B組の生徒たちを守るために!」



「わ、その前に美晴先生が、私よりちっちゃくなってるゥゥ~~! アラフォーのオバハンだったのに、私と同じくらいの年頃の女のコの姿に若返ったって感じ?」



「ア、アラフォーって言うなや、ゴルァァ! 私は魔法少女だから外見年齢の操作が可能なんですっ!」



「え、魔法少女? 魔法熟女じゃないて?」



「う、ううう、うっさい! 誰がババアだァァ~~!」



「誰もババアだなんて言ってましぇーん!」



「ったく、おふざけは、そこで終わり! 人造獣人が化けていた生徒――高瀬君が完全体になってしまったわ!」



 そりゃアラフォーのオバハンであるミーア大佐が自分と同性代の少女の姿に若返ったんだし、魔法少女についてなにも知らない豊崎が驚いて当然だよなぁ。



 と、それはどうでもいい話だ。高瀬が人造獣人として完全変態を遂げたようだ! 

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