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第七話 俺、メイドになります。その2

「皆さん、アメリカからやって来たサマエル・アーミティッジと言います。よろしくお願いします!」



 二年B組の教室の中から、そんなサマエルの元気な挨拶が聞こえてくる。



 そういえば、アイツはアメリカからやって来たんだったな。



 さて、改めて流暢な日本語だなって思う。まるで何年も日本に住んでいたかのような感じだ。



「わあ、ちっちゃいけど、可愛い!」



「金髪最高!」



「貧乳最高!」



「だ、誰が貧乳(スモールバスト)ですって!」



 な、なんだか余計なことを言ってサマエルに怒鳴られている男子がいるっぽいぞ。貧乳って言葉は、ある意味で禁句だよなぁ、うんうん……。



「お、俺、君のファンクラブをつくろうかと思う!」



「よし、是非とも参加させてくれ!」



「俺も入るぞーっ!」



 ファ、ファンクランブが結成!? ま、まあ、とにかく、サマエルは二年B組の生徒たちに問題なく受け入れられたようだ。



「なんか暇じゃね?」



「ああ、教室の外で待機していろって言われてもなぁ……」



 二年B組の教室の外で待機していろって言われても困る……暇すぎて!



「やあ、暇そうだね」



「あ、ヘルメスさんっす!」



「うお、ヘルメス! 丁度いいところに来た! なんでもいいから仕置きの依頼はないのか?」



「まあ、ないことはないけど……てか、人造獣人を探さなくていいのかい? 暇なら、ソイツらを探すって手もあるよ?」



「あ、ああ、その手もあったな」



 気づけば、俺の左肩に小さな人間型の生き物が座っている――神出鬼没の妖精さんことヘルメスだ。



 さて、右肩には使い魔の女性型夢魔(サキュバス)のアリスの姿も――と、それはさておき、ヘルメスの助言に従うのもいいな。



「はい、とりあえず、依頼書を渡しておくよ。人造獣人探しが終わったら行ってみるといいよ。光桜学園の新校舎の中庭に仕置きの依頼主がいるはずだからね」



「仕置きの依頼主は新校舎の中庭にいるのか? ま、後で行ってみるか――」



 俺はヘルメスから仕置きの依頼書を預かる――と、そんな依頼書には仕置きの依頼主が指定してきた時間のみが記されている。



 ふむ、仕置きの依頼は、新校舎の中庭にいるという依頼主が、俺たちに直接、会って伝えるという方針なのかもしれない。



「さ、暇潰しとばかりに人造獣人探しに行くぞ、ミケ!」



「おう!」



 仕置きを依頼してきたモノが指定してきた時間は、午後五時――放課後ってヤツだな! ちょ、今の時刻は午前八時五十分……な、長いなぁ。



 ま、その間に光桜学園の新校舎、或いは旧校舎のどこかに潜んでいる野に放たれた人造獣人を探すとしよう。



「人造獣人をやっと探す気になったんだね、クククク」



「わ、お前っ……ニャルラトホテプ! いいい、いつの間に!」



「フフフ、ここでは私の仮名である黒木夜子と呼びたまえ。一応、生徒のひとりを演じているのだから――と、大きな声は厳禁だぞ」



「お、おう、悪い!」



 うおおお、気づけば、俺の背後にニャルラトホテプが!? つーか、なんだかんだと、コイツが元凶だったりするんだよなぁ。



 財団Nと通じ、あの連中が開発した生物兵器である人造住人を生徒会長の蔵内翔真に配下というかたちで与えたワケだし――。



「おい、なんの用事だ、テメェ!」



「そうだ、そうだ、なんの用事だ!」



「ま、用事があるってワケじゃないさ。たまたま君たちを見かけたんで声をかけたってところだ――あ、そうだ、君たちに光桜学園内に潜んでいる人造獣人の情報を教えてあげようか?」



「な、なにィィ!」



「私はね、こう見えても正義の味方のつもりなんだ。そんなワケで、この学園内に蔓延る悪を滅殺したいと思っている!」



 せ、正義の味方!? あるぇ~以前は中立だって言ってなかった? と、とにかく、コイツの言うことを信じちゃいけない気がする。



 なんだかんだと、ニャルラトホテプって存在は邪神だ! そんなワケでコイツの言葉には、ナニか裏がありそうだ。



「面白いわね。是非とも教えてもらいたいわ!」



「あ、沙希! って、今、思ったんだが、お前らってサボり?」



「遅刻よ!」



「遅刻だ!」



「お、おう、そうなんだ」



「と、それはともかく、獣たちに取り囲むのを止めるように命令してくれたまえ、熊ちゃん」



「そうはいかないわ。それと、私は熊ちゃんじゃない、山崎沙希よ!」



 う、今度は沙希まで現れる――と、そんな沙希はニャルラトホテプの周囲を取り囲むように、狼姫を筆頭とした使い魔たちを配置している。



 さて、不意に腕時計を見ると、今の時間は八時五十五分……一時間目の授業が始まる前のホームルームの時間だろうか!?



「そうそう、遅刻の件だが、それはどうでもなんていい細かい話だとは思わないか?



「そ、そういうモノなのか?」



「フン、ムカつくけど、ソイツにだけは同意するわ」



「ちょ、沙希、お前もかよ!」



「ああ、私がそう言うんだ。間違いない! ああ、私について来たまえ。人造獣人が化けている生徒のリストを、そこで手渡そう」



「お、おう!」



「ま、待てよ、みるく! む、仕方がない。ついて行ってみるか……」



「当然、私も行くわよ。アイツには聞きたいことが山ほどあるしね!」



 遅刻を細かいことで済ませてもいいのかな? ま、人造獣人が化けた生徒のリストを手渡すと言うニャルラトホテプについて行ってみよう。



 だけど、ホイホイついて行ってもいいのかな? 前述したけど、信用しちゃいけない存在だしなぁ、邪神であるコイツに――。

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