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第六話 俺、不死者を退治します。その17

「は、そんなモノ軽く防いでやんよ! うらあああ、風骨拳!」



「あちゃー、呆気なく防いじゃったか! だけど、私は囮みたいなものよ。アンタを攻撃するのを、あのコたちに任せたいと思っているしね」



「ああっ……なんだと!?」



 ホッキョクグマの姿を維持した状態の沙希が、右拳から放った銃弾のような肉球のかたちした拳圧は、ガシャドクロブラックが振りまわした左腕から巻き起こる衝撃波のような風圧の前に消え失せてしまう。



「ぐ、ぐぅわああ! き、貴様らっ!」



 が、その刹那、哀香と舞夜、それにアイロディーテとサマエルの攻撃が、ガシャドクロブラックの右肩、右腕、鎖骨、そして顎にクリーンヒットする!



「むぅ、硬いわね!」



「ちょ、あっちゃん! 本気出してよ!」



「出したわよ! つーか、愛梨こそ本気を出しなさいよね!」



「あうあう、とりあえず、攻撃した場所にヒビ割れが入ったからいいじゃない!」



 アイロディーテは愛梨とアフロディーテが一体化することで誕生する魔法少女である――と、ふたりの人格が独立したかたちで存在するので、まるで一人漫才を行っているお笑い芸人みたいなんだよなぁ。



 と、それはさておき、そんなアイロディーテが攻撃を仕掛けたガシャドクロブラックの顎に、ビキッとヒビ割れが生じる。



「こっちも右腕にヒビ割れを生じさせただけ……しっかし、硬いわね!」



「うががぁ! 俺の嘴がぁ! こ、鋼鉄を突いているみたいだぁ!」



「硬すぎ! 硬すぎる! アイツの骨々ボディを破壊する前に、私たちの嘴がおかしくなっちゃう!」



「チッ……ハーデスとタナトスが変身したハンマーとドライバーでもヒビ割れ程度しかダメージを与えられなかったわね。硬すぎるわ、コイツ!」



 舞夜の使い魔である二羽のカラスことミクトランテクトリとミクトランシワトルは、嘴が痛いと呻いている。



 一方で哀香は、右手に握る大型のハンマー、そして左手と一体化している大型のマイナスドライバーでも、ガシャドクロブラックにヒビ割れ程度しかダメージを与えられなかったのか――と、舌打ちをする。



「ヒ……ヒヒヒッ……無駄だ! ガシャドクロブラックの身体を打ち砕くことなんて、お前ら三流魔法少女では無理だ……キヒヒ!」



「さ、三流って言われたァァ~~! 何気にショックなんですけど!」



「まあ、否定はしないわ。わたしも、まだまだ修行が必要な身だってことを改めて知ったことだしね」



「ママ、俺たちも攻撃しようよ!」



「うーん、ここはひとつ高みの見物よ、悠ちゃん! なんだかんだと、あのデカブツはすっごく硬そうだから、仮に攻撃した場合、怪我しちゃう可能性があるわ!」



 むぅ、高見の見物と洒落込んでいる――いや、面倒くさがっている二人組がいるんですけど!



「叔母様、高見の見物ってどういうことです?」



「そ、そりゃもう面倒だし、怪我しそうだし……ぐえっ!」



「あ、ママ! うげぇ!」



  あ、沙希がそんな二人組――ミーア少佐と娘の悠子をぶん殴る。ま、まあ、殴りたい気分になるようなぁ……うんうん。



「気絶したのか、この人たち?」



「あちゃー、本気で殴ったつもりだったのに~☆」



「…………」



 さて、ホッキョクグマの姿を維持したままの状態の沙希にぶん殴られたのに気絶だけで済んでいるあたりを見ると、なんだかんだと、ふたりが沙希の叔母とイトコなんだなぁと改めて俺は思ってしまうのだった。



「アイツの身体を砕く場合、こうすればいいんだ! おらあああっ!」



「が、がああっ! こ、このパンダ野郎! 何故、貴様の攻撃を受けると、俺の身体がっ!?」



「ちょ、何故!? 納得いきませんー! わあああん、哀香先輩ィィ~~!」



 俺も何故って思う。ダンパーが攻撃した箇所だけは、バキンとガシャドクロブラックの骨々な身体にもダメージが当たるワケだし――。



「うぐあああ、何故、お前が攻撃した箇所だけがァァ~~!」



「それは俺が正義のヒーローだからだ!」



 ちょ、理由になってないんですけど! ま、まあ、ダンパーの攻撃のみがガシャドクロブラックを打ち砕けるってことだけはわかったぞ。



「う、ううう……な、なんだ!? この感じはっ……ガ、ガフ……ゴフ……ゲフッ!」



「ん、吐血!? 今、血を吐いたぞ!」



「あ、ああ、見た見た! 今、血を吐いたな!」



 ガシャドクロブラックの頭の天辺にいる松永が血を吐いた!? 



 あの様子を見ると限界が近いのかもしれないな。



「ちちち、血ィィ~~! この僕が血を吐いただと!? な、なんだよ、僕の身体にナニが起きているんだ!」



 松永は半狂乱になって叫ぶ! 自分に限界はない――と、思い込んでいたっぽいしな。



 そんなわけで何故、吐血したのか理解不能なんだろう。



「うわああああっ! 僕の魔力は無尽蔵! ガシャドクロブラック、邪骨形態で一気にとどめだァァ~~!」



「莫迦、ソイツを強化したら、アンタ……死ぬわよ!」



 邪骨形態!? ガシャドクロブラックの強化形態ってヤツか? 

 


 とにかく、そんな強化形態に変化させるな――と、沙希が大声で忠告する。



「だ、黙れ、クマ公! 僕に……僕に指図をするなっ……ガ、ガハッ!」



「お、おい、アイツ、また吐血を……」



「ちょ、その前に、あの真っ黒なデカブツが変化し始めたわ!」



「うーん、こりゃ不味いわね。ちと、後味が悪いけど……熊眼を使うしかないかな?」



「く、熊眼?」



「な、なにが起きたワケ? あのデカブツの頭の天辺にいる松永ってヤツが突然、ぶっ倒れたわ!」



 熊の眼? うお、一瞬だけど、沙希の両目が、カッと光ったぞ!? なにかしらの術を行使したってところか?



「大丈夫、気絶させただけよ」



 その刹那! 松永がガクンと膝から崩れ落ちたぞ!? 沙希曰く、気絶させただけのようだが、一体、どんな術を使ったんだ?

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