表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

79/278

第六話 俺、不死者を退治します。その12

「沙希、森の中になにかいるぞ!」



「ええ、わかっているわ。まったく、どこのどいつかしらね。忍者のように、私の固有結界の中に忍び込んだのは――」



 そういえば、俺たちが今いる場所は、沙希が〝とある本〟を媒介の展開している猛獣界というサファリパークのような異界こと固有結界の中にいるんだったな!


 そんな固有結界内は、術者の心象風景が具現化されるって聞くけど、沙希の頭ン中は常に広大なアフリカのサバンナって感じなのかな?



 それはともかく、猛獣界(ビースト・ザ・ワールド)に招かれざるモノが忍び込んでいるようだ。



「ん、誰か森の中から出てきたぞ!」



「白い……少年!? 使い魔を連れていないようだ」



「ああ、ひとりだけだな。だが、油断は禁物だぞ、沙希!」



「わかっているわよ。さて、何者かしらね。あの白い少年は――」



 沙希の固有結界こと猛獣界の中には、アフリカのサバンナ以外に南米のジャングルを連想させる鬱蒼とした広大な大森林も存在している。



 とまあ、そんな広大な大森林が、俺の目の前にドンッ!! と、広がっている――と、北欧系の白人を連想させる白い肌と風に揺らめく銀色の長い髪、そして着こなす衣服までもが真っ白なひとりの少年が出てきたぞ! 年齢は十四、五歳だろうか?



「初めまして、僕の名前は松永キリトと言います。財団Nから派遣されてきた魔術師ってところかな?」



「ざ、財団N!? ミ、ミケちゃん……」



「むぅ、あの外道共か!?」



 白い少年は松永キリトと名乗る。よく見ればハーフっぽいな――と、それはどうでもいい話! コイツ、今、財団Nから派遣されてきたって言ったぞ!?



「財団Nの工作員ってヤツか!?」



「ピンポンピンポーン~☆ その通りですよ。僕は財団Nの工作員であり……魔法少女です!」



「え、魔法少女!? どう見たって男じゃん、お前……わ、まぶしい!」



 松永キリトは財団Nの工作員のようだ。むぅ、なにが目的で、ここへ――わ、まぶしい! 突然、奴の身体から太陽の輝きのような強烈な光が!?



「はうっ! 白い少年が……白い少女に変身したよ、ミケちゃん!」



「う、俺たちと同じ変身すると性別が変わるタイプだぞ!」



「あ、ああ、そうだな。だけど、俺やミケのように一度、性転換すると男の姿に戻れなくなるタイプとは別のような……」



「とにかく! あの白い少女は敵よ、敵!」



「そうね、招かれざる客ってヤツね」



 松永の身体から放たれた太陽に光のような強烈な光は、バッと一瞬で消滅する――と、同時に、松永の姿が白い少年といったい姿から白い少女の姿に変貌を遂げているではないかっ!



「おい、沙希! アイツをどうする? もちろん、叩き潰すよな?」



「沙希に訊かなくても、当然、やることはひとつでしょう? ぶちのめすに決まっているわ!」



「サマエル、そう慌てないで? ふむ、戦うor戦わないの二者選択の前にひとつ訊きたいことがあるわ」



「OK、なんでも答えますよ、クククク」



「じゃあ、訊くわよ。アンタの目的はなに?」



「ん、腐らない死者を捕まえにやって来たのさ」



「うお、即答! く、お前らの目的も、あのコかよ!」



 財団Nの目的も腐らない特殊な死者と言っても間違いない中川由梨かよ! しかし、奴らに手に渡ったら、ロクな目に遭わないことは確かだ。ここは絶対、拒否だ!



「がああああっ! 何者かは知らんが、貴様のような輩に由梨は渡さん!」



「おい、坂口、早まるなっ!」



「止めたって無駄だ! 俺は怒りは爆発寸前――ってところだからな! うがあああっ……ぐぎゃん!」



「ありゃー……だから言わんこっちゃない!」



 ラーテルは自分よりも大きな生き物にも立ち向かう命知らずの獣だ! ライオンにだって、俺たち人間にだって立ち向かってくるって聞く。



 とまあ、そんなこんなで抑えきれないラーテルの野生、そして彼女である中川由梨を奪おうとする松永に対する怒りを爆発させる坂口は、空気を裂帛させる雄叫びをあげながら、松永に向かって突撃を開始する――が、黒くて巨大な〝ナニか〟に殴り飛ばされてしまう!



「ソイツがお前の使い魔か!?」



「そうだよ。常に僕を守っている黒金の守護神だ!」



「く、黒金? どう見ても……真っ黒で巨大な骸骨じゃないか!」



「ガ、ガシャドクロ! 私にガシャドクロと同じ……いや、黒いガシャドクロじゃん!」



 坂口を殴り飛ばしたのは、真っ黒で巨大な骸骨だ! ありゃ、真っ黒だが瑠々奈の使い魔が合体し、誕生する巨大な骸骨型の妖怪であるガシャドクロそっくりじゃないか!



 「ガシャドクロ? 怨霊の集合体のような妖怪だっけ? フフフ、そうだなぁ、コイツには、まだ名前がないし、ガシャドクロブラックとでも命名しておくかな」



「ガシャドクロブラック!? ちょ、私の使い魔をパクリですかーっ!」



 瑠々奈はパクリだって言うけど、まさにその通りの展開かもしれない――って、語尾にブラックとついているだけで名前まで同じじゃないか!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ