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第六話 俺、不死者を退治します。その9

登場人物紹介


・ミーア少佐――本名、朝倉美晴。見た目は十七歳の少女だけど、実はアラフォーのオバサン。沙希の母方の叔母でもある。


・朝倉悠子――ミーア少佐の娘で沙希のイトコ。

「よし、旧校舎の帰還っと!」



「こっちにゃ誰もいないな」



「放課後にならなきゃ誰も来ないんじゃないか? なんだかんだと、こっちは旧校舎で今は部活動専用って感じだしな」



「そうね。んじゃ、穏行の術を解くわよ!」



 さてさて、旧校舎に帰還っと――ん、なんだかんだと旧校舎の方は誰もいないので、俺たちは穏行の術を解く。



「懐かしいわ! 女子高時代の光桜学園を思い出すわ!」



「え、ママは光桜学園の卒業生なの?」



「そうよ、悠ちゃん。私は卒業生よ。なんだかんだと、二十年は前になるわね」



 見た目は同じ十七歳のコンビであるが、実際は母娘という間柄である二人組の魔法少女こと朝倉母娘の母親の方――ミーア少佐と名乗る朝倉美晴は、どうやら光桜学園の卒業生っぽいぞ。



「ああん、懐かしすぎて涙が……うわあああん!」



「マ、ママ! なにも泣くは……」



「色々あってね。すっげぇ泣きたい気分なのよ! うわあああん!」



 ミーア少佐は懐かしさのあまり、身体をクネクネさせながら、ブワッと両目から大粒の涙を流している。なんだか大袈裟な人だなぁ……。



「ところで、あの蔵内はどうなるんだろう?」



「フフフ、しばらくは、あの悪臭で苦しむことになると思う」



「中々、取れないニオイだろうなぁ、ご愁傷様ですって言いたくなるぜ」



 さてさて、坂口の最臭兵器によって蔵内を仕留める(?)ことができた。



 アイツはしばらくは再起不能の状態が続くことだろう。あの超がつくような悪臭によって――。



「う、うおおお、なんだ、この圧力(プレッシャー)は!?」



 むぅ、朝倉母娘やくらうちのことはともかく、ズドーンと背後に落雷が……う、違う! この殺気立った圧力(プレッシャー)は……般若の形相で俺たちをにらむ沙希が見受けられる!



「お、おわああ、沙希ィィ~~!」



「アンタたち、勝手にここから出るって言わなかった? ん~……お仕置きが必要ね!」



「えええっ! お仕置きだって?」



 ま、まあ、沙希が怒るのも無理もないな。図書室で待っていろって言っていたのに、それを俺とみるく、それにサマエルは反故してしまったワケだし――。



「う、うううう、ぐえええーっ! 突然、吐き気がァァ~~……あうあう!」



「ほ、ほんげぇ! 沙希と目が合った途端、頭がァァ~~!」



 う、うわああ、沙希と目が合った途端、吐き気が! ん、みるくは突然の頭痛に苦しんでいる……ダ、ダメだ! 意識が急激に失われていく!



「く、お仕置きって魔眼を――」



「ま、魔眼……あうあう!」



 サマエルが魔眼って言ったような――が、俺の意識はプッツリと途切れる。なんだよ、魔眼って!



「はうっ!」



「お目覚めのようね」



「むぅ、いつの間に、図書室に……」



 ア、アルェ~? 俺は沙希の魔眼とかいう能力を受けて意識を失ったと思ったんだが――うお、北条瑠々奈、朝倉親子、ハーデスとタナトス、坂口が荒縄で簀巻き状態にされているんだが!?



「ミケちゃん、目覚めた? ふう、沙希先輩の魔眼を受けて嘔吐して気絶するだけだなんて、すっごいタフだね!」



「う、愛梨か……むぅ、俺はタフだって?」



「そうっすよ、ご主人様! フフフン、まあ、あたしが近くにいたから無事でいられたようなものっすけどね」



「そ、そうなのか?」



「所謂、使い魔の魔力防御能力が高かったおかげで無事に済んだってワケさ。俺もテュポンが予想以上に魔力防御が高くておかげで助かったぜ……」



 お、みるくも無事のようだ。ふう、沙希の魔眼を受けて無事だったのは、近くに使い魔のみるくが近くにいたおかげのようだ。



「アンタたち、運が良かったわね」



「ゲ、ゲェー! さささ、沙希ィィ~~!」



「安心しなさい。もうなにもしないわ、クククク」



「う、それより、お前が持っている光る四角い物体はプルトンキューブ!? ハーデスから取りあげたのか?」



「そうよ、なにか文句がある?」



「い、いや、なにも……」



「さてと、アフロデューテからすべて聞いたわ。コイツの中に封印されている特殊な死者を狙う輩が、光桜学園に押し掛けてきているようね」



 うお、沙希! ふ、ふう、さっきの魔眼の件もあり、彼女と目が合った途端、冷や汗がドッと――え、アフロディーテから全部、聞いたって!? それにプルトンキューブをハーデスから奪い取ったっぽいぞ。



「さ、沙希! 私の拘束を解きなさい!」



「あら、叔母様、まさかアナタも〝コイツ〟を狙っているなんて意外です」



 朝倉親子の母親こと美晴……いやいや、ミーア大佐が、キッと沙希をにらみながら、自分束縛を解くように沙希に対し、言い放つが、そんな沙希は首を大きく横に振る――え、叔母様って言わなかった?



「フ、フン、大人には色々な事情があるのよ!」



「色々な事情ねぇ……ああ、このちっちゃい永遠の十七歳を自称する若作りなオバサンは、私の母方の親戚だったりするわ」



「え、そうなの?」



「うん、ママは沙希ちゃんのお母さんの妹なんだ。だから、息子の……いや、娘の俺は彼女のイトコになるワケだ」



「そうなんだ……って、お前、もしかして元は男なのか!?」



「うん、そうです。ママが俺の性別を……」



 ふーん、朝倉母娘の母親ことミーア少佐は沙希の母親の妹で、その娘の悠子の方はイトコってところだな。ああ、ついでに、どうやら悠子の方は俺やみるくと同じ元男のようだ。



「叔母様、あの忌々しい母親の話をしないでくれません!」



「う、なに怒ってるのよ!」



「と、とにかく、やめてくださいっ! うがああああっ!」



「く、熊ァァ~~! 沙希が熊に変身したァァ~~!」



 うーむ、なにがあったのかはわからないけど、沙希にとって母親は忌々しい存在のようだ。このことに下手に触れちゃ不味い気がしてきたぞ。

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