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第六話 俺、不死者を退治します。その8

「ん、なんだかんだと、そろそろ昼休みに時間ね。一旦、旧校舎の図書室へ戻るわよ」



「ふえぇ、時間っての経過って早いなぁ」



 え、旧校舎の図書室へ戻ろうだって? むぅ、沙希を探しに光桜学園の新校舎にやって来たんじゃなかったのかよ、サマエル!



「なあ、コイツはどうするんだ?」



「連れて行くわ。彼女も私らと同じ部外者だしね」



「そ、そうだよなぁ……」



 うむ、北条瑠々奈も旧校舎の図書館へ連れて行かなくちゃな。なんだかんだと、コイツも俺たちと同じ光桜学園の生徒じゃないし――。



「ん、なんだ、お前ら?」



「みるく、どうした?」



「あ、ああ、妙な二人組が生徒会室の外にいるんだよ。どっかの軍隊に所属する将校さんって感じの軍服姿をしているんだ。ソイツらは……」



「う、まさかとは思うけど、あの二人組は……」



 ムムム、一難去ってまた一難!? 旧校舎の図書室に戻ろうと今いる光桜学園の新校舎二階にある生徒会室の外へ出た途端、俺たちは黒い軍服姿の妙な二人組と遭遇する――腐敗しない特殊な死者こと中川由梨が封印されたプルトンキューブを狙う魔法少女か!?



「ここここ、こんにちは! 俺は朝倉悠斗……いや、朝倉悠子って言います!」



「悠ちゃん、なにオドオドしちゃってるのよ! そんな態度だから真子ちゃんに嫌われちゃうのよ!」



「そ、そんなぁ、初対面の人の前なんだし、オドオドしちゃっても当然だよ、ママ!」



「莫迦! ナメられないためには最初のイメージが大事なのよ! それはともかく、この姿の時はミーア大佐って呼べって言ったのを忘れた?」



 ひょっとして親子? 前者は女のコにしては背は高いけど、その物腰は打って変わってオドオドした気弱そうな感じだ。一方で後者は背が低いけど、物腰は高圧的だ。大人しい大型犬とやかましい小型犬ってところだな。



「なあ、絶対、外見年齢を弄ってるよな?」



「うむ、中身は俺たちと同じかもしれん」



 むぅ、どっちも見た感じは十代後半にしか……あ、ああ、外見年齢を弄っていそうだ。魔法少女なら、そんなことは朝飯前だしね。



「な、なあ、アンタたちって親子なんだろう?」



「は、はい! ああ、俺は十七歳だけど、ママは見た目は若いだけで実際はアラフォーなんです! それに本当の名前は美晴って言うんです」



「ふむ、見た目は若くても中身はアラフォーなのかぁ……」



「それはロリババアってか?」



「ちょ、悠ちゃん! 私がアラフォーだってことをバラしちゃダメよォォ~~! つーか、私は永遠の十七歳なんだからァァ~~!」



「い、痛い痛い! ママ、叩かないでよぉ!」



「うわ、暴れるな……うお、今度は授業が終わるチャイムが!」



「仕方ない。アンタたちも旧校舎の図書室へ来て! 話はそれからよ!」



「は、はい! じゃあ、このコたちについて行こうよ、ママ!」



「仕方がないわね! じゃ、案内してちょうだい!」



 親子で魔法少女っていうのが笑える話かも――っと、授業が終わるチャイムの音が響きわたる! そういうえば、そろそろ学生たちが待ちに待った時間である昼休みだったかな? 



「みんな穏行の術を使うぞ! 北条、アレを使えるだけの魔力は残っているんだろう? ついでにアンタたち、親子の使えるよな?」



「当たり前です!」



「もちろんよ! 私はベテラン魔法少女だし!」



「ママ、自慢することじゃないよ。アレは魔法少女歴の浅い俺でも使えるんだし……」



「まあ、とにかく、生徒会室の外へ出ると同時に穏行の術を発動だ!」



 一旦、旧校舎へ戻るとするか――と、その前に姿を見えなくする穏行術を使わないとね。



「あ、ちょっと待って!」



「ん、どうしたんだ、坂口?」



「見て! アイツだ……蔵内が上の階から降りてきた!」



「むぅ、生徒会室にでも行くのか?」



「ところで依頼した僕が行うのもなんだけど、今からアイツに仕置きをしちゃっていい?」



「し、仕置きをするだって!? んんん、尻を突き出したまま坂口が上の階から降りてきた蔵内目がけて跳びあがったぞ!」



 ん、仕置きの対象である蔵内翔真が上の階から降りてくる姿が――ん、その姿を見た坂口が尻を吐き出したかたちで跳びあがる! おいおい、まさか、ここで仕置きを!?



「ん、なんだ? 顔がモゾモゾする? この感じは動物の毛皮……ぐ、ぐわあああああっ!」



 さて、ラーテルの姿というワケでモサモサした真っ黒な毛の生えている坂口の尻が、ドシャッ――と、蔵内の顔面にクリーンヒット! その刹那、この世にモノとは思えないトンでもない異臭が漂い始める……う、そういえば、ラーテルは危険を感じると肛門の近くにある臭腺からニオイの強い液体を噴射することがあるらしい。



「よし、仕置き完了!」



「うっわぁ、ありゃ酷いな……蔵内ってヤツは再起不能だろう」



 臭腺から直接、ニオイの強い液体を噴射された蔵内は、ガクガクと身を震わせ口から泡を吹いて膝から崩れ落ちる……うわぁ、ありゃしばらく立ち直れなそうだなぁ。

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