表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

74/278

第六話 俺、不死者を退治します。その7

「とりあえず、コイツを生徒会室内の運ぶわよ!」



「お、おう! 自爆して身動きひとつできないっぽいしな」



「つーか、俺たちはコイツがつくった固有結界の中に五分もいなかったみたいだぞ」



 あ、あるぇ? 俺として間違いなく一時間はいたつもりだったんだが? まあ、とにかく、そんな俺たちを固有結界の中に閉じ込めやがった迷惑千万の輩こと北条瑠々奈を生徒会室の中の運び込む。



「さて、アンタにはいくつか質問がしたいわ」



「…………」



「警戒しなくてもいいわ。正直に私の質問に答えれば、なぁぁにもしないんだから! ね……わかるでしょう?」



「……わかったわ。答えるわ」



「じゃあ、コレは預かっておくわ。ミケ、アンタに預けておくわ」



「うお、これは拳銃!?」



「あ、ああっ……私の拳銃が!? い、いつの間に!」



 アハハハ……ゆ、油断は禁物だな。北条瑠々奈が素直に質問に答えるワケがない――とばかりに拳銃を隠し持っていたようだ。それをサマエルがいつの間にか奪い取っており、それを俺に投げ渡す。



「さて、もう武器は持っていないようね」



「う、ううう……私の敗北です。魔力も尽きてしまいましたし、おまけに武器も奪われました」



「フフフ、それでいいのよ。んじゃ、改めて、私の質問に答えてもらうわよ」



「はい、わかりました。なんでも答えます……チッ!」



 むぅ、舌打ちをしたぞ、アイツ! やれやれ、あの態度を見ていると、北条瑠々奈は嘘偽りなく質問に答えるか一抹の不安を覚えるぜ。



「んじゃ、訊くわよ。アンタは何故、中川由梨を狙うワケ?」



「む、それは……」



「おい、素直に答えないと、お前の尻に噛みつくぞ、ゴルァァ!」



「坂口、アンタの気持ちもわかるけど、彼女に問いかけているのは私よ」



「お、おう、済まない……」



「さて、改めて訊くわよ!」



「おおお、玩具(おもちゃ)にするためです!」



 玩具にするだと!? そう北条瑠々奈は不機嫌そうに答える。



「お、お前の目的は由梨を玩具にすることだって!? うがあああ、許さんっ!」



「坂口、落ち着くんだ!」



「これは落ちついていられる事態じゃない!」



「ま、まあ、そうだろうけどさぁ!」



「アンタたち、黙ってて! さて、どういうこと? あのコを玩具にする理由はなに?」



 ラーテルである坂口を押さえ込むのは大変だ。小型の哺乳類とはいえ、ライオンにも立ち向かっていくような命知らずだし――と、そんな俺や坂口と打って変わって冷静な対応で北条瑠々奈に迫るサマエルが、再び問いかける。



「だって、そうでしょう? あんな面白い死体を放置できるワケがないじゃん! 私が死霊使いだってことを忘れた?」



 ヘラヘラと笑いながら、サマエルの問いかけに北条瑠々奈は応じる。そういえば、コイツは魔法少女であると同時に、死者を使役する死霊使いだったな。



「き、貴様ァァ~~!」



「わ、わああ、玩具ってのは冗談です! 軽いジョークです!」



「ジョークだと、ふざけんなァァ~~!」



「うぎゃー!」



 今更、冗談とかジョークだって弁解したところで遅い。ガブリと北条の尻に坂口が噛みつく――ハハハ、自業自得だな。



「イタタタァ! 許せしてください!」



「絶対に許さないよ!」



「ま、まあ、それくらいにしてやれよ」



「フン、そうだな。まあ、これくらいにしておくか」



「ゆ、許された!」



「さてさて、玩具にするって目的が冗談なら、アンタの真の目的ってなによ?」



 許すor許さない? それはどうでもいい話だ。玩具(オモチャ)としてではなく別の理由で生前の姿を保ったまま生前と同じ生活を続ける奇妙な死者こと坂口の彼女こと中川由梨を捕らえようとしている北条の真の目的が知りたいもんだぜ。



「け、研究です!」



「け、研究だと! うがああっ!」



「もぎゃー! またお尻にラーテルが噛みついたァァ~~!」



「さあ、語ってもらうわよ。真の目的――研究とやらを!」



「は、はい! 私は死霊使いとして腐敗しないゾンビをつくりたいと思っているんです! そんな折に、例の腐らないゾンビの話を聞いて……」



 ふーん、腐敗しないソンビをつくりたいので研究したいってワケね。まあ、その気持ちがわからなくもないな。なんだかんだと北条は死霊使いだし――。



「生前の姿を保ったままのゾンビをつくりあげることが、お前のような死霊使いにとっては最高の奥義のようなものだろう」



「ま、まあ、そうなりますね。薬品を使っての防腐処理は、なんだかんだとコスト面のでリスクが生じます。特に私のような裕福じゃない死霊使いにとっては……故に、あのコのような腐らない特殊なゾンビを調べてみたいと思ったんです! 低コストでつくれる腐らないソンビの作成方法を編み出すためにも!」



 なにかしらの薬品を使用した防腐処理は、確かにコスト面でのリスクが生じそうだ。値段等はわからないけど、裕福なモノじゃないと、〝そっち〟の方面のゾンビをつくっても維持するのが大変なはずだと思うしね。



「ん、そういえば、気になっていたことがあるんだが……」



「なによ、その気になっていることって?」



「あ、わかった! 腐敗しない特殊な死者――中川由梨を狙う魔法少女が、まだいたりしないかってことが気になっているんでしょう?」



「お、おう、図星だぜ、アフロディーテ……」



 図星ですよ、あっちゃん。なんだかんだと、そこらへんが気になっている。竜造寺舞夜に北条瑠々奈――コイツら以外にもいるはずだ! 肉体が腐敗することなく、おまけに生前と同じ生活を送る特殊な死者である中川由梨を狙う魔法少女が、他に何人いるのかってことが――。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ