表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

73/278

第六話 俺、不死者を退治します。その6

「が、がああ、動けんっ! 動けんぞ!」



「どどど、どういうことっすか! ガシャドクロの旦那ァァ~~!」



「うぐぐぐ、瑠々奈様の魔力が尽きようとしているんだ! 固有結界が崩れると同時に、俺たちはタダの霊体に戻っちまうぞ、お前ら!」



 ガシャドクロ&骸骨戦士たちの身動きがピタリと突然、停止する。その原因は主である北条瑠々奈の魔力が尽きようとしているからのようだ。固有結界も砕け散るのも時間の問題か!?



「お前、人間のクセの魔力貯容量が多めだな。だが、そんな自身の魔力貯容量の多さに過信しんだろう?」



「ラーテルが立ちあがった……ん、話しかけたのは腹に貼りついた鏡ですか?」



「ああ、そうだ。わしはサワメ。こう見ても神である――と、それはともかく、お前は魔法少女とはいえ、所詮は人間だ。そんな人間の魔力貯容量で固有結界をつくりあげるなら、このわしのようなモノの協力が必要だぞ。長く持続させたいならな」



「く……くう、ううう……」



 と、仰向けに倒れ苦しそうに悔しそうに嗚咽を漏らす北条瑠々奈に歩み寄る坂口――いや、腹の貼りついた銅鏡こと光桜学園の守護神サワメが、北条の常人を凌駕する魔力貯容量に関心を寄せる一方で忠告の言葉も投げかける。



「むぅ、瑠々奈様の魔力貯容量が5%未満に……こ、これ以上、ガシャドクロとしての巨体を維持できん!」



「じゃあ、私がバラバラに打ち砕いてやるわ! キョウタロウ、準備はOK?」



「おう、了解したぜ! ふんぬーっ!」



「ん、キョウタロウが拳銃に変身した!?」



 ボンッ! という軽い爆発音とともにサマエルの使い魔である黒猫のキョウタロウが一丁の拳銃の変身する――44口径の大型のリボルバー拳銃だァァ~~!



「ふう、髑髏巨人が動けなくなってて助かったわ。私は銃の取扱いに関しては素人だし! んじゃ、早速……ぎゃうっ!」



 対象が動けないのなら素人でも余裕で弾丸を当てることができるだろう。しかもガシャドクロは巨大な身体を誇る骸骨の巨人だし、的としては最適すぎる――と、サマエルは使い魔の黒猫のキョウタロウが変身した44口径の大型リボルバー拳銃の銃爪(ひきがね)を引いた途端、反動で吹っ飛んでしまう。



「ううう、イタタタァ……」



「むぅ、縞パンか!」



「ああ、白と青の縞パンだ!」



「だあああ、見るな、この野郎!」



「「うわああ、拳銃(そいつ)の銃口を向けんなァァ~~!」」



 反動で吹っ飛んだせいもあり、サマエルが穿いている白と青の縞模様のパンツが丸見えだ! うおお、銃口を向けんなァァ~~! パンツを見られたことキレたサマエルが、今度は俺とみるくを対象に弾丸を撃ってきそうだぜ、ヒィィ!



「おい、ゴルァァ~~! そこの縞パン小娘! 俺の身体になにをしやがったんだ! ぐぎょ、がああああっ!」



 ん、主である北条瑠々奈の魔力切れになり動けなくなったとはいえ、その巨体を維持し続けているガシャドクロが悲鳴をあげ、苦しみ始める――と、そういえば、サマエルが撃ち放った44口径の大型リボルバー拳銃の弾丸は、奴の巨体にクリーンヒットしていたことを言い忘れていたぜ。



「アンタたちみたいな不浄な存在だと毒になるみたいね。聖水弾は――」



「せ、聖水弾だと!? ぐ、ぐぎゃあああ、教会に清められた水かよ!」



「そうよ! 弾丸の中にミカエルズソサエティ特性の聖水を少々……お、初めて使うけど、けっこうな効果があるみたいね!」



「き、効きすぎだァァ~~! 身体中がくそみそに痛ぇぞォォ~~! 聖水なんて大嫌いだァァ~~!」



 聖水弾? 使い魔のキョウタロウが変身した44口径の大型リボルバー拳銃には、そんな弾丸が装填されていたワケね――お、ガシャドクロの巨体がドパーンと砕け、その破片が巨体を構成していた元ボクサーを自称する山田とかいう骸骨兵士を筆頭とした五体の骸骨兵士の姿に戻ると、その状態からさらにボロボロと崩れ落ちる。



「わ、私の使い魔たちがっ!」



「安心してもいいわよ、アイツら単に拠り所を失っただけよ」



「む、むぅ、そうみたいですね。無念です……」



 単に拠り所を失っただけ? あ、ああ、なるほどね。山田たち北条瑠々奈の使い魔たちは、単に宿っていたモノ――白骨死体がボロボロに崩れ落ちただけであり、本体である霊体は無事のようだ。その証拠とばかりに、青白く燃え盛る火の玉のような状態となって主である北条瑠々奈の周りをうろちょろしているしな! あれって俗に言う人魂ってモノか?



「うわ、そろそろ固有結界が崩れるんじゃないのか? ヒビ割れが増えてきたし!」



「ああ、ちょっとした振動でも、この異空間はドバーンと砕け散るんじゃないか? おわ、そう言った矢先に元の空間に戻ったぞ!」



「む、どうでもいいけど、なに……今の耳障りな音は!?」



「フ、フフフ……固有結界が消滅した音ですよ……あうあう……」



 ここは間違いなく異界だ。現界に無理矢理、上書きされた世界だ――と、そんな異界こと北条瑠々奈がつくりあげた固有結界がパキーンという甲高い音とともに砕け散り、元の空間である光桜学園の新校舎二階の二階にある現在授業中というワケでシーンと静まり返った生徒会室前へと戻るのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ