第六話 俺、不死者を退治します。その4
「見ろォォ~~! これが俺たち白骨戦隊ボーンファイブの友情の証だァァ~~!」
「ぐ、ぐうう、まぶしいっ!」
「ちょ、アンタたち、光りすぎっ!」
こりゃ、眼を開けていられないっ! と、そんな天空で燦々と輝く太陽が放つ強烈な光と同等の光の奔流が、元ボクサーを自称する骸骨兵士こと山田を筆頭とする五体の骸骨兵士たちの骨々な身体を包み込む!
「う、うう、光が消えた……う、うおっ!」
「が、骸骨巨人がドーンと……」
「おい、ミケ! な、なんだ、ありゃ!」
「し、知るかよ!」
「うおおおおーっ! 骸骨魔神……ガシャドクロ見参――っ!!」
「骸骨魔神ガシャドクロ!? おいおい、ガシャドクロっつうと妖怪の一種じゃないかァァ~~!」
フッと光の奔流が消え失せると同時に、俺の双眸に映り込んだのは、ドーンとそびえ立つ雄に十メートルはありそうな骸骨巨人である! 山田たち、白骨戦隊ボーンファイブの友情の証(?)があってこそ成せる結合体ってところか!?
「どうだ、カッコイイだろォォ~~!」
「…………」
全然カッコイイとは思えません! むしろ気持ちが悪いの間違いだな――とまあ、そんなワケで俺は無言で首を横に振る……おい、気づけよ! カッコワルイし、おまけに気持ち悪いって……。
「カッコイイとは思えません。気持ち悪いです」
「が、がああ、瑠々奈様ァァ~~! そ、そんな冗談やめてくださいよぅ!」
あちゃー、主である北条瑠々奈が気持ち悪いって言い出したぞ。白骨戦隊ボーンファイブ――ガシャドクロは、そのことに気づいていないのか、コイツ?
「ううううっ……俺のことをカッコイイって言わねぇ奴には死あるのみィィ!」
白骨戦隊ボーンファイブは妖怪のガシャドクロになると同時に、人格がひとつに統一されるっぽいな――と、それはさておき、ガシャドクロの八つ当たりが始まりそうだ。ガンガンと骨々な右足を地面に叩きつけながら、叫び声を張りあげているしな。
「ガシャドクロ、手加減してあげるんですよ。ワタクシは慈悲深いので、あのコたちが痛々しい姿になるのが忍びなくて忍びなくて……キヒヒヒ」
「わかってますよ、手加減すりゃいいんですよね、瑠々奈さん……おらああああっ!」
「う、うぎゃあああっ!」
「も、もぎゃあああっ!」
手加減するだと……ちょ、即、前言撤回ですか、ガシャドクロさん! とまあ、そんなガシャドクロの巨大かつ鋭い刃物から繰り出される斬撃のような回し蹴りが、俺とみるくを薙ぎ払う!
「あ、危ない、危ない……」
「あらら、ガシャドクロの回し蹴りを躱すだなんて……」
「フン、躱せて当然よ! さてと、あの程度では倒せないわよ、あのふたりは――」
「な、なに!? むぅ、嘘でしょ……信じられない!」
「お前、手加減って言葉を知らんのか? 頭を思いっ切りぶつけちまったぞ!」
「イテテテ……鼻血が出ちまったよ。テュポン、ティッシュをくれ!」
やれやれ、この堅牢すぎる身体に感謝しなくちゃなぁ――ま、まあ、アリスと合体したことで防御力を倍増させておいたこともガシャドクロの巨大な右足から繰り出された回し蹴りを防ぐことができたので、なんだかんだと一役買ったってところもあるかな?
「チッ……運だけはイイようだな! お前ら、出番だぜ!」
「ヒャッハァァ! 呼ばれるのをずっと待っていたぜ!」
「まったく、アンタたちばっかりイイ格好しやがって!」
「うおおお、暴れてやんよ!」
「ウホッ……イイ女!」
ひとりだけ別の目的がありそうな物言いをしているけど、ガシャドクロの呼び声に応えるかたちで、ドバアアンと地面から複数体の骸骨兵士が湧いて出る!
「うわあ、増援だなんて卑怯だぞ! このデカブツ!」
「は、卑怯もクソもねぇんだよ! 野郎共、あの生意気なメスガキをぶっ殺せェェ~~!」
「「うおおおおおおおっ!!」」
ぞ、増援なんて卑怯だぞ、ボケェェ~~! とにかく、ガシャドクロの呼び声に応えるかたちで現れた骸骨兵士たちは、一斉の気合の怒号を張りあげる!
「ガシャドクロ、わかっているとは思うけど、アイツらを殺しても〝アレ〟だけは回収してもらいますよ?」
「ああ、わかってますって! ん、瑠々奈様、顔色が悪いですね……む、そろそろ時間切れですか?」
「まあ、そうなります……なので手早くお願いしますね」
「へいへい、わかりましたよ! んじゃ、行くぞ、お前らァァ~~!」
北条瑠々奈の顔色? それに時間切れ? とにかく、ガシャドクロが巨大な拳を頭上に振りあげると同時に、骸骨兵士たちの目玉のないはずの眼窩から放たれた殺気立った視線が、ギランと一斉に俺たちに集中する。
「お、おい、どうする? やっぱり戦うよな?」
「莫迦、こういう場合どうするかわかるでしょう?」
「え、どうするんだよ!」
「このニブチン! こういう場合は……逃げるのよ!」
「お、おう、わかったぜ!」
ガシャドクロ&骸骨兵士の軍団と真っ向から対決するのかと思ったが、グルンと百八十度、踵を返すサマエル……に、逃げるのかよ! だ、だけど、的確な判断だ! 多数に無勢ってヤツだしな!




