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第五話 俺、邪神と遭遇しました。その3

 魔法少女はなにも日本限定の存在ってワケではない。当然、外国にも魔法少女がいる――というか、魔法少女の本場なのかもしれない。



 沙希曰く、日本よりも多くいるらしい――世界は広い当然だろう。んで、邪悪の権化たるクトゥルフ眷属邪神群と呼ばれる異形のモノの本場もあっちが本場。外国にいるモノの方がより凶悪でより禍々しく冒涜的なんだろうなぁ。



「ん、誰かがピアノの音?」



「ま、まさか、誰もいない音楽室に出没するっていう幽霊が……」



「そんなワケないでしょう? ピアノなら、あの猫が向かっているはずの部屋――図書室にあるわ」



「じゃあ、ひょっとして――」



 おいおい、学校の怪談ってヤツか? 沙希の言う通り、そんなワケがない。アレは真夜中限定で起きる怪奇現象みたいなものだ――ん、ピアノが図書室にある? じゃあ、ピアノを弾き鳴らしているのは、あの猫の飼い主で沙希が俺とみるくに会わせようとしている新たにスカウトした魔法少女と同一人物かもしれない。



「ん、金髪碧眼の外国人がいる!」



 さて、黒猫を追いかけるかたちで俺とみるく、そして沙希は旧校舎の上の階へと続く階段を駆けあがり、四階にある図書室へと足を踏み入れる――ん、確かにピアノが本棚などとともに見受けられる。年季の入った黒いグランドピアノって楽器かな? んで、ピアノの椅子に座る金髪碧眼の外国人少女の姿が見受けられる。もしかして、アイツが沙希が俺とみるくに会わせようとしている新たにスカウトしたっていう魔法少女は、あのコのことか!?



「遅いわ! 私をいつまで待たせる気なのよ、モグモグ……」



「フフフ、遅いって言うわりにはくつろいでいるじゃない、サマエル」



「む、むぅ! とにかく、アンタを待っていたらお腹が空いたのよ! なにか文句でも?」



 むぅ、なんだ、いきなり流暢な日本語で怒鳴りつけてきたぞ! ドーナッツを口にくわえながら――へえ、サマエルって名前のようだ。



「ところで沙希? そいつらがアンタの仲間ってワケ?」



「ええ、そうよ、とりあえず、私の仲間の一部ってところだけどね」



「ふーん、まあいいわ。私はサマエルよ。アメリカからやって来た魔法少女ってところよ――って、アンタたちって出戻り? それとも元男とか人化の法で人間に変身した獣だったりする?」



「お、おい、出戻りや獣じゃない! も、元男だ!」



「お、同じく……」



「そういえば、アンタとはどこで以前……」



「あ、俺もそう思っていた。だが、思い出せんなぁ……」



 即、俺たちとみるくの正体がバレてしまった! そうです、俺は元男ですよ。今はこんなに可愛い巨乳美少女ですけどね――ん、そういえば、サマエルと以前どこかで出会った気がするんだけど……お、思い出せん!



「さてと、私は新校舎に戻るわ」



「え、戻るのかよ!」



「当たり前でしょう? 私はアンタたちと部外者と違って正式な光桜学園の生徒だしね」



「うむ、まあ、確かに俺たちは部外者だな」



「とまあ、そんなワケでしばらく、ここで待機していてほしいわ。私は昼休みに戻ってくるわ」



「お、おう、わかった」



 沙希はそう言うとプイッと俺の目の前から踵を返し、図書室から立ち去るのだった。



「サマエル、今、立ち去ったコはお前と同じで胸の大きさを気にしているようだ」



「五月蠅いわね、このクソ猫! 胸の話を私の前でするなって何度、言えば……」



「…………」



「む、むぅ、そんな話はともかく、沙希が戻って来るまで、今いる旧校舎を探索してみない?」



「旧校舎を探索しようだって? なにか面白そうなことがあるのか?」



「それは俺が説明しよう」



「うお、黒猫! なんだよ、その説明っていうのは?」



「キョウタロウだ。ちなみに、元人間だがワケあって黒猫の姿で、あのサマエルに仕えている――と、それはさておき、この旧校舎には〝お宝〟が眠っているんだ」



「お、お宝? なんかすっげぇ興味が湧いてきた! ん、待てよ、そのお宝って、まさか?



 黒猫はキョウタロウと名乗る。ふーん、元人間で、どんな理由があるのかはわからないけど、あのサマエルって外国人魔法少女に仕えているようだ――と、旧校舎にお宝が眠っている……だと!? そ、そういえば、ちょっとした都市伝説に心当たりがあるぞ!



「そのお宝っていうのは、あの黒魔術殺人事件の主犯格が隠したっていうモノだったりする?」



「その通りよ。私は、その話を聞いて探し出そうと思っているのよ」



「ヒュー、一体、どんな宝なんだよ!」



「それは俺も知りたいところさ」



 ビンゴ! やっぱり、あの伝説絡みだったか――え、どんな都市伝説かって? 説明しよう! どんなお宝を隠したのかは、まったくもって謎であるけど、前述した数年前に光桜学園で起きた黒魔術殺人事件の主犯格が、悪魔を呼ぶ出す名目で行った凄惨な殺人事件の舞台となった現旧校舎のどこかに手に入れたモノは、人知を超える禁断の叡智を得られるという〝なにか〟を隠したって言われている。あくまで都市伝説というかたちではあるが、異界の超越者からもたらされたモノだって話だ。



「あ、そういえば、件のお宝を守護している悪魔がいるって話があるぞ」



「あ、悪魔!」



「その悪魔がいるせいで、件の〝お宝〟が見つからないって話よ。私の姉の話ではね」



「お前の姉も、ここに来ているのか?」



「ま、そんなことはともかく、探すわよ――件のお宝を!」



「あ、おい、待てよ! むぅ、勝手だなぁ……」



 悪魔がお宝を守っているだと!? アハハハ、それこそ都市伝説みたいなものだな。さてと、サマエルが図書室から出ていく。まったく、無計画に探す気かよ。とりあえず、追いかけてみるか――。

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