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第四話 俺、人造神とやらを手に入れました。その5

「うお、ここがリビングか!? ふえ~、畳二十畳くらいはありそうな広い部屋だな!」



「くそ、金持ち共め! すっげぇ、羨ましいぜ……」



「ああ、この部屋は特注だよ。元々はアトランティスの住人たちが集まって宴会を催したりするための部屋だったからね。広くて当然さ」



「そ、そうなのか!」



「ま、この部屋のせいでアトランティスの三十五階だけは3501~3505号室までしかないないんだ。ちなみに、三十五階から下は一~八号室まであるよ」



「そんなことより、柳原一味が財団Nやその他諸々の好事家に売却する目的で捕まったモノたちが放り込まれている檻が、さっきの部屋と同様に敷き詰められているわよ!」



 S市内に住むセレブな市民御用達の超高層マンションことアトランティスの3502号室のリビングは、殊の外、広い。住人のひとりであるデュオニュソスの話じゃ、ここは元々はアトランティスの住人たちの宴会場だったらしいが――と、それはさておき、そんな宴会場のように広い3502号室のリビングは、まるで牢獄のようだ。大型の檻がいくつもいくつも連なっていたり、おまけに二段重ねされたかたちで敷き詰められているしね。



「ひいふうみぃ……気配を感じる檻は全部で五つかな?」



「五つ? この牢屋のように敷き詰められている檻の中に閉じ込められているのは太田辰巳を含めて五匹ってところか?」



「うう、他はともかく、この俺を獣扱いしないでくれよ!」



「あら、すぐ近くにいたのね。んじゃ、今、そこから出すわ」



 わお、リビングに足を踏み入れて即――とばかりに太田辰巳を発見する。んで、そんな太田辰巳が押し込まれている檻の鍵を開けると、小柄なポニーテールの女のコがムッと唇を尖らせながら出てくる。



「タツ、元気そうでなによりだ!」



「お、クロベエじゃん! てっきり逃げたのかと思っていたよ!」



「に、逃げる!? むぅ、そんなつもりはなかったんだが……」



「ま、いいよ。結果的に沙希たちに助けてもらったわけだしね」



「むぅ、マジでスマン!」



「いいって……ん、見慣れないコがいるね、沙希? ひょっとして新人魔法少女かな? んじゃ、名乗っておくか――俺は太田辰巳。こう見えても男子なんだぜ!」



「そ、そうか、よろしくな!」



 むぅ、太田辰巳はデュオニュソスと同じ一見すると美少女だけど、実際は男――超美少年のようだ。しかも女装を好んでいるようだ。男の娘ってヤツ?



「く、クマゴロウはどこ!?」



「お嬢、いましたぜ!」



「ああ、良かった……グスン……」



「わあ、姫様! 苦しいですーっ!」



 メーディアと子分の杉田が、檻のひとつから小熊を助け出す。クマゴロウって呼んでいるな。ひょっとして、メーディアのペットなのか?



「沙希先輩、檻の中に閉じ込められているモノたちを助け出したわ!」



「愛梨、ご苦労様……ふむ、この部屋に囚われていたモノは、これで全部ね」



「ん、同じ顔をした女のコ? 双子ちゃんか? うお、紙袋をかぶった女のコも一緒だ」



「ゴルゴン三姉妹でしょう? まさか、アンタたちも捕まっていたとはね」



 アフロディーテと分離し、元の地味な眼鏡の女のコの姿に戻った愛梨が、そんな三人の女のコを檻の中から救い出す――ん、ゴルゴン三姉妹!? ギリシャ神話に同じ名称の化け物姉妹がいたような気がするぞ。



「ふう、助かったよ、沙希!」



「まったく、姉者が新しく開店したケーキ屋の宣伝広告を拾ったせいで、我々は悪魔のような人間に捕まるハメになってしまったんだ」



「ま、まあ、改めて、その店へ行けばいいじゃん。だからケンカはやめようよ、お姉ちゃんたち!」



 新しく開店したケーキ屋へ行く途中で柳原一味と遭遇し、捕まってしまったのか――むぅ、それはともかく、容姿が瓜二つの双子ちゃんがステンノーとエウリュアレーで、目の部分に穴が開いた紙袋をかぶっているのがメデューサのようだ。



「ふう、やれやれ、夢幻花園から無闇に出るから捕まるのよ。アンタたちはUMAみたいなモノなんだからさ」



「UMA……お、おい、あたしらはモスマンとかジャージーデビルあつかいかよ!」



「うむ、まあ、仕方がないだろう。それは認めよう」



「え、えええ、認めちゃうの! あ、そういえば、あのコも助けてあげてよ。ほら、この部屋の窓辺に鳥籠があるでしょう? 人造神っていうらしい」



「人造神だと!? ん、右足の……片方しかない靴が入っているぞ?」



 紙袋仮面――いやいや、メデューサが、窓辺の鳥籠の中にいるモノも助けてほしいと言い出す――え、人造神!? 鳥籠の中には片方しかない靴が入っているんだが? ちなみに、赤いハイヒールだ。



「おう、お前! 俺様をここから出しやがれ!」



「うおおお、靴が喋った! ヒィ……目が生えた!」



 な、なにィィ~~! 鳥籠の中の片方しかない靴――赤いハイヒールにドンッと目が生え、そして喋る! コ、コイツが人造神とやらなのか!?

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