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第四話 俺、人造神とやらを手に入れました。その3

 沙希がどの範囲まで知っているのかはわからないけど、魔法少女業界で最近、流行っているのは、男性や人化の法を会得した獣の勧誘だとか――。


 ああ、結婚等で引退した魔法少女の出戻りも増えているって聞く。そんな背景の裏には、現役の魔法少女の数が減っている? 或いは勧誘してもお断りされるケースも増えているってところかな? だから男性や人間に化けることができる獣を勧誘しているのかもしれない。



 とまあ、そんな話はともかく、俺――美樹原健司こと魔法少女ミケ一行は、仕置きしなくちゃいけない外道、悪鬼羅刹の巣窟と化している超高層マンションことアトランティスの三十五階の3502号室の中へと足を踏み入れる。ここの部屋の中にいるはずの太田辰巳とやらを救出すべく!

 


「抜き足、差し足、忍び足……」



 とりあえず、穏行の術を使って姿を消してはいるけど、足音や声までは消せないのが短所だったりするんだよなぁ。そんなわけで泥棒のように息を潜めながら、3502号室内を俺たちは散策する。



「この部屋の中はトイレがないのか――むぅ、ここは獣たちの牢屋か、ここは!?」



 3502号室内にはトイレが存在しない。で、その代わりとばかりに、本来、トイレがある場所は猫や犬、狐、アライグマなどの獣たちが放り込まれている檻が敷き詰められている。



「まったく、この部屋は無駄に広いな。ここがホントに本来はトイレがある場所なのか、そいつを疑いたくなるぜ」



 流石はセレブ御用達のマンションなだけはあるかな? 俺たちが今いるトイレとして本来は使われているはずの部屋の広さは、畳が四畳……いや、五畳分はあるだろう。まったく、無駄に広いな。



「沙希、助けに来てくれたのか!」



 ん、本来はトイレがあるはずの無駄に広い部屋の中に敷き詰められている檻のひとつから、そう沙希に声をかけてくるモノがいる……ん、アライグマ!? 沙希の仲間ってところか? しかし、喋る獣があっちこっちにいるもんだなぁ――元人間ってヤツなのか、なんだかんだと!?



「あ、ヘパイストス! まさかアンタも捕まっていたのか!」



「うむ、不甲斐ない。この私が食べ物に釣られてしまうなんて……」



 喋るアライグマの名前はヘパイストス――むぅ、確かギリシャ神話に出てくる鍛冶神も同じ名前だったような? それにしても沙希のお仲間ってヤツはギリシャ神話に出てくる神々の名前を持つモノが多い気がする。ハハハ、そのうちゼウスやヘラといった神の名前を持つモノも現れそうな気がするぜ。



「ヘパイストス、これを渡しておくわね」



「お、針金か! よし、これで牢屋の錠前を開錠できる鍵をつくれそうだ!」



 沙希が小さな檻の中に放り込まれているアライグマことヘパイストスに針金を手を渡す――おお、あっと言う間に即席の鍵をつくってしまったぞ。んで、ガチャガチャと器用に牢屋の錠前の鍵穴に即席の鍵を突っ込み……お、開錠に成功!



「ふう、これで晴れて自由の身だ。沙希、この部屋の中に他の仲間も、コイツを使って檻の中から出してやってくれ」



「OK、元よりそのつもりよ」



「お、おい、なんか鍵がふえちゃいないか?」



「気のせいよ。さてと、アンタにも鍵を渡しておくわね」



「お、おう、それじゃ、俺も獣たちを檻の中から解放する手助けをするぜ」



 ギリシャ神話の鍛冶神ヘパイストスの名を持つアライグマは、針金でつくった即席の鍵を沙希に手渡す。しかも三つ――ちょ、いつの間に三つも!? ま、それはともかく、沙希から手渡された即席の鍵で、今いる部屋の中に敷き詰められている檻の中に閉じ込められている獣たちを解放しなくちゃな!



「そうそう、この部屋にはペルセポネーも捕まっているんだ」



「ペルセポネーって、豊饒の女神デメーテルの娘で冥府の神ハーデスの妃の名前だったような?」



「あら、博識ね、ミケ。でも、ここにいるペルセポネーっていうのは、そこにいるクロベエの相棒こと太田辰巳のことよ」



「は、はあ、そうなのか」



 魔法少女ペルセポネー――クロベエの相棒こと太田辰巳が魔法少女に変身した時の名前ってところかな?



「あ、ついでにだけど、財団Nの秘密兵器も3502号室のどこかに――」



「秘密兵器…だと…!?」



「連中は人造神って呼んでいたよ。ああ、意思を持った存在らしい」



「なんだか某特撮ヒーローの敵キャラを連想しちゃうね、ミケちゃん」



「あ、ああ、そんな感じのモノかもしれないな」



 財団Nの意思を持つ秘密兵器こと人造神とやらも3502号室内に!? そいつは某特撮ヒーロー物に出てくる怪人のような存在なのか!? それとも、別の――。



『おい、誰だ、騒いでいやがるのは!』



「む、誰か来たわね。みんな穏行の術を使って姿を消すわよ!」



「「「「OK、沙希ちゃん!」」」



 おおっと、忘れていたぜ。3502号室内には、さっきの男たち以外にも、柳原の部下がいるってことを――と、降りの中から解放されたヘパイストスら喋る獣たちが一斉に穏行の術を使って姿を消す。ヒュー、獣とはいえ流石は沙希の仲間ってところだな! と、それはさておき、セクシーな黒いボンテージな衣装を身につけたSMの女王様を連想させる背の高い若い女がやって来たぞ。

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