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第四話 俺、人造神とやらを手に入れました。その2

 歴戦の○○と呼ばれるモノについてだけど、その業界に居座り続ける古老のことを意味する言葉だと、俺は思う。



 さて、魔法少女の業界も当然存在する。あの魔法少女を自称するメーディアとかいう年増は、そんな歴戦(・・)の魔法少女の類いなのかもしれない。ま、もしそうなら十代前半、それ以下の年齢から魔法少女として活動してる希少な魔法少女界のロートルに違いない。沙希曰く、大体、二十歳前後で引退する者が多いらしいしね。



「ん、アンタは最近、俺たちの仲間になった佐藤弘子さんだっけ?」



「うん、間違いねぇ子分の杉田も一緒だしな」



 メーディアの本名は佐藤弘子っていうらしいな。なんだか、同姓同名の人が何人もいそうな感じの名前だ。ついでに、子分のイケメン君じゃ杉田というらしい。




「つーか、大声を張りあげていなかったか?」



「それがなにか問題でも?」



「問題大アリだぜ! 捕まえてある売り物が逃げたのかと思ったからな!」



「売り物は逃げ出した? フフフ、私はそんな売り物たちを解放してやりたいと思っていたところよ……正義の味方としてね!」



「な、なにィ! ガ、ガハァァ!」



 仲間と思って近づいてきた3502号室から出てきた男のひとりに対し、メーディアはノーモーションの状態からドテ腹目がけて右拳のボディーブローを打ち放つ! 反逆の一撃ってヤツか!



「な、なあ、どうでもいいんだけどさ。あのメーディアって女……若返っちゃいないか!?」



「う、うん、あっちゃんと合体する前の状態の私と同じ年くらいかな?」



「ああ、あれがお嬢の戦闘形態なのさ。ついでに、そんなお嬢の全盛期の姿ってところだな」



「へ、へえ、そうなんだ。じゃあ、あの年増の姿から考えて、あの女は魔法少女として衰退しているワケね」



「そりゃそうでしょう? なんたって年増のアラサー女っぽいしね~☆」



「ちょ、誰が衰退期なワケ! 年増って言うな、アラサーって言うな、だあぁぁ!」



 あの女は戦闘形態になると若返るようだ。所謂、全盛期の姿に――ふむ、それじゃ元の姿は魔法少女としての能力が衰退した姿のようだな。嫌だねぇ、年は取りたくないもんだ……え、お前だって元は三十路だろうって? むぅ、今は十八歳だ! 人間がもっとも輝く年齢だって本気で思ってるんだ。昔ことを思い出させるなよ!



「外見で人を判断するなー! うらあああっ! たあああーっ!」



 衰退した姿じゃないと全力で否定するメーディアは、烈火のごとく怒りながら、そんな怒りのはけ口ばかりに3502号室から飛び出してきたもうひとりの男の顔面目がけて飛び膝蹴りをぶちかます。



「次、衰退した姿とか年増、そしてアラサーって言ったら殺す!」



「お、おう!」



「むぅ、マジで殺られそうな雰囲気だな、おい……」



「あ、ああ、とりあえず、禁句(タブー)ってことにしておくか……」



 衰退、年増、そしてアラサーは禁句扱いにしておこう。その方が無難だ。触らぬ神に祟りなしってところだな。



「ふう、変身解除っと……」



「お、元の年……いや、元の姿に戻ったみたいだ」



「杉田、蜂蜜を――」



「ああ、とりあえず、手持ちの蜂蜜は、この二リットルのペットボトルに詰め込んであるモノだけですね、お嬢」



「少なっ! まあいいわ、ゴキュゴギュ……」



「お、おい、そんなに蜂蜜を飲むのかよ! 俺には飲めないなぁ、そんなに……」



「うっさいわね! 私は一度、変身すると、すっげぇカロリーを消費するのよ。だから、こうやって蜂蜜を飲んで補っている」



 メーディアは子分の杉田から手渡された二リットルのペットボトルに入った蜂蜜をガブ飲みし始める。しかし燃費の悪い変身だなぁ。変身を解いた後に、ああやって蜂蜜を大量の飲まなきゃいけないほどのカロリーを消費するとか――。



「さ、3502号室の中に入るわよ」



「沙希ちゃん、気絶している男は手足拘束して3501号室の中に放り込んでおいたよ」



「サンキュー、茜! んじゃ、改めて3502号室内に入り込むわよ、みんな!」



 ん、豹の茜がショートカットの活発そうな女のコの姿に変身し、メーディアの攻撃を受けて気絶したふたりの男の手足を拘束し、3501号室に放り込む。うーむ、沙希の相棒の獣たちは、皆、人化の法――人間に変身できる術を会得しているようだ。あ、そういや、茜は元人間だって言っていたような? まあ、とにかく、3502号室内に入り込もう。ここでグダグダやっていると3505号室に集っている柳原たち邪神人共にも気づかれてしまいそうだしな!

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