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第三話 俺、ライバル宣言されました。その16

「兄貴、今の声は一体!?」



「まあ、落ち着けよ。誰もいないのに声が聞こえたっつーことたぁ……わかるだろう?」



「お、おう、当然だ! 3502号室とか他の部屋に捕らえてある実験用生物(モルモット)共に対し、仲間の誰かが暴力を振るっているんだろう?」



「ま、ヒステリーの塊である草野あたりだろうな。やれやれ、痛めつけるにはいいが怪我をさせると売り物としての価値がなくなることを忘れている馬鹿が多くて困るぜ」



「外道~~~!!」



「ん、河谷、なにか言っ……グボベラッ! バボゲェ!」



 ふ、ふう、危ない危ない。危うく気づかれるところだったぜ! だが、その刹那――外道には鉄拳制裁とばかりに、アイロディーテが光の鉄拳を兄貴と呼ばれている男の顔面目がけて打ち放つ! 次の瞬間、軽い爆発音とともに兄貴と呼ばれる男の頭が砕け散る。なりかけとはいえ、邪神人(クトゥーラ)を一体、撃破だ!



「イタッ! この感触は岩をぶん殴ったって感じだわ」



「バケモノに変わりつつある肉体が岩のように硬化したのよ、多分ね」



「ヒ、ヒイィィ! 兄貴が、兄貴の頭が砕け……が、がああっ……ガクンッ!」



「てめぇもオネンネしていろ!」



 さてと、タダの人間相手なら――とばかりに俺は河谷に対し、背後に回り込んで渾身の力で絞め技のひとつであるチョークスリーパーを仕掛けるのだった……落ちたぞ、ふう。



「グ、グギャオオオッ!」



「はわわっ! 頭が吹っ飛んだのに立ちあがった!」



「やれやれ、しぶといわね。こういう輩を倒す場合、力の根幹である(コア)を破壊しなきゃいけないわね……神手破魔衝っ!」



 頭がバラバラに吹っ飛んだ兄貴と呼ばれている男が立ちあがる。なりかけとはいえ、流石は邪神人ってところか!? さて、そんな首なし怪人として蘇った兄貴という男のドテ腹目がけてアイロディーテは組んだ状態の両手を勢いよく突き込むのだった。



「おい、なに引きずり出したぞ!?」



「むぅ、光る玉って感じだな。大きさは野球ボールほどか?」



「あれは核ってヤツだよ、ミケちゃん」



 バゴンという音とともに、組んだ状態で突き込まれたアイロデューテの両手が、男の岩の身体へと変化しつつある兄貴と呼ばれている男のドテ腹に突き破る――ん、その刹那、ナニかを引きずり出したぞ。ほのかに光る野球の硬球ほどの大きさの物体だ。アレが(コア)ってヤツか!?



「そう、アレは核――邪神人の根幹である邪神種が芽生え変化したモノよ」



「へえ、そりゃ、物騒ね。んじゃ、握り潰すわよ!」



 兄貴と呼ばれる男の身体の中から引きずり出した光る球体の正体は、邪神種が芽生え変化したモノ!? ま、とにかく、そんな物騒なモノは、さっさと始末すべきだな! とばかりにアイロディーテはグシャリと握る潰す。



「む、首なし怪人が真っ白くなった!」



「わお、触ったら崩れ落ちたぜ!」



 さて、なりかけとはいえ、邪神人たる根幹――核として機能する芽吹いた邪神種を身体から抜き取られたせいか、みるくが触れた瞬間、陶器の茶碗や花瓶を地面に叩き落としてしまった時に生じる軽い破裂音を奏でながら、首なし怪人として再活動を始めた兄貴と呼ばれる男は身体がバラバラに砕け散るのだった。



「みんな3501号室内にも妖精さんたちを閉じ込めてある鳥籠がたくさんあるよ! よし、誰もいないようだから、私が妖精さんたちを狭い鳥籠の中から解放するとしよう!」



「あ、私も手伝うよ!」



 ベランダだけじゃないのかよ、3501号室内にも妖精さんが押し込まれた鳥籠があるのか――とまあ、そんな妖精さんたちをデュオニュソスや茜が、次から次へと鳥籠の中から解放していく。



「「「沙希ちゃ~ん!」」」



 ん、鳥籠の中から解放された妖精さんたちが沙希のもとに集まり始める。なんだかんだと、そんな妖精さんたちは沙希の顔見知り――仲間のようだ。



「ふむふむ、三十五階は部屋ごとに閉じ込めてある〝モノ〟の種類が違うみたいね」



「え、そうなのか、沙希!?」



「ええ、妖精さんたちの話だとね」



「沙希、調べてきたよ。あの気絶している大男らの会話の内容に間違内はないようだ。魔法少女を自称する女――太田辰巳は3502号室にいるようだ。後、3503号室で財団Nの関係者と思われる研究者が、人間型のナニかをつくっているようだ」



「ふむ、偵察、ご苦労さん、ヘルメス……人間型のナニか!? 気になるわね」



「あ、ああ……気になるっつーか、嫌な想像が走馬灯のように俺の頭の中を駆けめぐるぜ」



「つーか、人造人間とかロボットだったりしてな!」



「う、うーん、ありえるような、ありえないような……みるくちゃん、それは微妙だね」



「ま、今は3502号室にいるクロベエの相棒を救い出す方が先決よ。それから3503号室内でつくられているモノをどうするかを考えましょう!」



 一難去って、また一難な気がするんだが、3503号室に関しては後回しでいいかな? 今はクロベエの相棒こと太田辰巳を救出するため3502号室へ行く方が先決だな。



「ん、そういえば、柳原譲二はどこにいるんだろう?」



 おっと、そういや、あの柳原譲二は三十五階のどこにいるのやら? 俺的には、そっちの方も気がかりだなぁ――。

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