第三話 俺、ライバル宣言されました。その9
登場人物紹介
・ヘルメス――沙希の相棒のひとりである小妖精。
「説明しよう! 財産Nとは主に宇宙開発事業に持てる財力を注ぎ込んでいる財団法人よ――が、あくまで表向きの話である。裏では〝ああいう〟連中と手を組んでいる邪悪の権化のような連中よ!」
と、沙希が現れて、そんな説明を――。
「沙希ちゃん、予想外だよ! あの財団Nと手を組んでいるモノだったなんて――」
「うん、だけど、タツを助けなくちゃいけないわね。実験生物にされてしまう前に!」
「実験生物にされる……だと!?」
「ええ、財団Nはオカルト絡みの研究、またはUMAの研究にも勤しんでいたりするわ。ああ、連中の研究対象のひとつとして、魔法少女も含まれている。とまあ、そんな理由もあり、柳原が捕らえている太田辰巳を引き渡す可能性があるわ。グルになっている財団Nに――」
「う、うえー! なんだよ、それ……げ、外道ォォ~~!」
「お、おいおい、俺たちはネッシーやビックフットと同じUMAだと思われているのかよ!」
な、なんて奴らだ! 外道、許さん! 俺たちは実験生物じゃないぞ! 早いとこ太田辰巳を助けないと大変なことになりそうだな!
「あ、連中がどこかへ行くぞ! 追いかけるぞ、みんな!」
「おう、もちろんだぜ!」
「そうね、追いましょう!」
「追うっす!」
「待ちなさい、アンタたち!」
「ちょ、なんで止めんだよ!」
「そうだ、そうだ! 奴らのアジトを見つけ出す絶好のチャンスを逃すぞ、沙希?」
「ふう、私が何故、ここに来たか? その理由が理解できていないようね」
「「「えっ!?」」」
「わかった! すでにアジトを発見したとか?」
「ご名答。その通りよ、愛梨」
「「「「な、なんだってー!」」」」
ちょ、沙希がここに来た理由は、柳原がアジトとして利用している場所がわかったので、それを知らせるため――と、そんなところか? お、おい、それじゃ俺たちと並行するかたちで柳原の行動を探っていたのかよ! ムムムム、俺たちがやろうとしたことが一気に無駄足になってしまったぜ……。
「ご主人様、あたしらの行動が無駄足になってしまったっすね」
「う、うむ……」
「そうでもないわよ。あの男が財団Nと関わっていることがわかったことだしね」
「そ、そうかぁ? しかし、腑に落ちないなぁ……」
「ああ、まったくだぜ! ムカついたからラーメンでも奢れ! なにか食べれば、このムカムカした気持ちが晴れるってもんよ!」
「みるくちゃん、なんかズレてるよ!」
「まあ、みるくの場合、例え刃物で腹部を刺される等の大怪我を負っても肉を食えば治る特異な能力の持ち主だし、なにか食べれば、嫌な気持ちも当然、晴れる」
「ちょ、なに、その能力!」
「ま、とにかく、アンタたちと並行して行動していたってワケよ。あ、ちなみに、柳原のアジトを見つけたのは私じゃなくて、コイツね」
「ん、沙希の右肩に緑色の服を着た小妖精がいる! ひょっとして、そいつが?」
「僕の名前はヘルメスだ。そいつではなく、今度から、そう呼びたまえ」
沙希の右肩に座るヘルメスと名乗る小妖精が、柳原のアジトを割り出したってところかな? ん、ヘルメスってギリシャ神話に出てくる神様の名前じゃなかったっけ?
「ま、とにかく、一旦、小狐丸に戻るわよ。そこで作戦を練り直すわ。題して――タツ救出作戦の!」
「お、おう!」
作戦を練り直すねぇ。ま、一旦、小狐丸に戻った方が無難かもしれない。標的の柳原と結託する財団Nというさらに面倒くさい連中も絡んでいるワケだし――。




