第二話 俺、外道にお仕置きします。
装着者を性転換させ、おまけに外見年齢を十八歳に固定する魔法のアイテム(?)こと永遠十八歳のおかげで、俺――三十路間近のヘタレ無職の美樹原健司は魔法少女として生まれ変わる。
個人的には、すっげぇ嬉しいことだけど、元に戻れないのが痛すぎる! なんだかんだと、この先、俺はどうなってしまうんだろう。あのホッキョクグマに変身できるJK――山崎沙希が、そんな俺の命運を握っているのかもしれないなぁ。
「ここらへんはホント朝から人が多いな」
「まあ、仕方がないですよ。私たちは今まで人気のない公園の深奥にいたわけだし」
流石に人跡未踏とまではいかないけど、俺と愛梨、ついでにアリスとアフロディーテは、ほんの少し前まで樹海と言っても、別段、間違っちゃいない浪岡自然公園の深奥にいたわけだ。んで、そこからS市最大の繁華街である浪岡商店街アーケードに移動したので、行き交う人々の多さに何気に驚いている。
「ねえ、ちょっといい?」
「ん、外国人?」
「そうよ、見てわからない?」
「わ、わかるに決まっているだろう!」
「フフフ、まあいいわ。それより訊きたいことがあるんだけど、OKかな?」
「あ、ああ、かまわないぜ」
「右に同じく!」
「アンタたちってさ――魔法少女なんでしょう?」
「な、なにィィ!!」
「ちょ、なんで!?」
ん、浪岡書店街アーケードの入り口のところにあるパチンコ女王の前で外国人の女のコと出会う。歳は十七歳くらいかな? 金髪碧眼の欧米系、外国人のようだ――う、今、彼女が、俺と愛梨に向かって魔法少女では!? と、訊いてきたぞ! な、なんだ、なんでバレたんだァァ~~!!
「そっちにショートカットのコの使い魔は夢魔で、そっちの地味なコの使い魔はアヒルみたいね。穏行の術で姿を消したところで無駄よ。私にはわかるもの、クククク……」
「ほ、ほえ、あたしの姿が見えるんすか!?」
「ちょ、私は使い魔じゃないわ! 美の女神アフロディーテよ! あ、どこへ行くのよ、この野郎!」
「な、なんだったんだろう、アイツ……」
「さ、さあ、敵じゃないことを祈りたいですね……」
ムムムム、言うだけ言ってしれっと立ち去る外国人の女のコ……な、何者なんだぁ、あのコは!? と、とりあえず、愛梨と同意見だな。あのコが敵じゃないことを祈っておこう。
「ねえねえ、ご主人様? 沙希さんのメールの記された場所って、あそこっすよ、きっと」
「うん、ペットショップみたいだな。写真が添付されているしな」
沙希はどこで俺のスマホのメルアドを知ってたんだろう? すっげぇ気になるぜ! とまあ、それはともかく、沙希が送ってきたメールには写真も添付されている。ふーん、ケットシーって店名みたいだ。とりあえず、店の中に入ってみるとするか――。




