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第八話 俺、とある女神の探し物に奔走します。その2

 ○○県S市内に数ある学校の中で、特に長い歴史を誇るのが、今、俺がいる数年前から男女共学校となった中高一貫校の光桜学園じゃないかなと思う。



 と、そんな光桜学園の現学園理事長は考古学者らしく研究と称し、自宅や考古学研究所を備えている新校舎内に持ち込んでいる。



 新校舎の中庭に飾ってある月の女神アルテミスの分霊が宿った熊に跨った女神像も、学園理事長がどこかの遺跡から研究と称し、持ち込んだモノのようだ。



「あら、アルテミス。お久しぶりね」



「うお、アヒル……いや、アフロディーテか? ぶわっはっは! まさかアヒルになるとはな~♪」



「ア、アヒルじゃないわ! 白鳥よ! と、今はそんなことはどうでもいいわ。アンタは大理石の像から人間の少女の姿に変身し、自由に動けるんだし、自分で探せばいいじゃない!」



「むぅ、痛いところを突くなぁ。私だって本来なら、そうするところだが無理――いや、色々と事情があってなぁ……。故に、お前たちのような魔法少女の手助けを求めたってワケさ」



 と、アフロディーテが、そうごもっともな質問をする――え、色々と事情がある!?



「色々と事情がある?」



「私は、この学校の守護神――学生たちを見守る存在として、ここを長時間、離れるワケにはいかなくてね。それに昼間に動いてみろ? どうなるか容易に予想できるだろう?」



「むぅ、確かに昼間に動くと騒ぎになるよなぁ……」



 アルテミスは光桜学園の守護神を自称している。それに昼間に動いた場合、騒ぎになるよなぁ……あれ? 守護神といえば、もう一柱いたような気がするぞ。



「なにィィ~~! わし以外にも守護神がいただと!」



「ウワサをすれば影!」



 ラーテルの坂口、そしてそんな坂口の腹に貼りつけた鏡ことサワメが現れる。



「なんだか呼ばれた気がしてね。猛獣界から出て来たんだよ」



「ちょ、坂口、そんなことはどうでもいい! 守護神がもう一柱いたとは!」



「ひょっとして旧校舎の守護神かな? 私は新校舎の守護神のアルテミスだ。よろしく頼む!」



「あ、ああ、こちらこそ……」



「なあ、そんなことはどうでもいいじゃないか! それより、アンタの弓矢を盗んだ奴についての詳細を!」



 むぅ、なんだかんだと、大切な弓矢を盗んだ輩の詳細を語ってもらわなきゃ困る! と、俺はキッとアルテミスに視線を向ける。



「ソイツらの写真なら持っているぞ。ほら、コイツらだ! 三日前、日中だというのに堂々と私がたずさえていた弓矢を持ち去った不届き者共が映っている!」



「三日前? あ、そういえば、三日前の日曜日に学校内で盗難事件が起きたのを思い出したわ! あ、その時に?」



 ギリッとアルテミスを憎々しげに俺をにらみ返しながら、シュッと一枚の写真を投げてくる。さて、どんな輩が写っているのやら――。



「うーむ、泥棒っつうのは特撮ヒーローのような仮面をかぶった五人組のことかな?」



「ひょっとして特撮オタクの仕業? 某特撮ヒーローシリーズみたいに五人いるし!」



「ええと、ミケだっけ? その特撮オタクとは一体?」



「所謂、悪の秘密結社や宇宙人と戦う正義の味方が出てくるテレビ番組に心酔する連中ってところかなぁ?」



「ふむ、よくはわからないけど、正義の味方の仮面をかぶった悪人ってことだけはわかった!」



「ま、まあ、そう解釈しても別段、間違っちゃいないと思うけどね。この写真に写っているワケだし、コイツらが大事な弓矢を盗んだ連中なんだろう?」



 アルテミスの大事な弓矢を盗んだ連中は五人――某特撮ヒーローを連想させる赤、青、黄、緑、桃色の五色の仮面で素顔を覆う連中のようだ。



 ちなみに、リーダーと思われる赤い仮面をかぶったモノが紅一点のようだ……う、桃色の仮面をかぶってる輩は筋骨隆々の大男だぞ、おい!



「ん、そういえば、見覚えがある仮面だわ!」



「私も私も! 見覚えがあるわね!」



「な、なんだと!? どういうことだ、地味な眼鏡っ娘、それにアフロディーテ!」



「く、苦しいっ! 首を絞めないで!」



「お、落ち着きなさい、アルテミス! その写真に写っている連中かどうかはわからないけど、私の記憶では以前、愛梨が見学で訪れた高等部の演劇部の部室に飾ってあったモノだわ!」



 愛梨とアフロディーテが同時に見覚えがある、と言い出す――ってことは、泥棒共が何者かという真相に近づけたか!?



「よし、お前たち行くぞ! アレを早々に取り返さないといけない!」



「依頼者のアンタもついて来るのか?」



「当然、件の弓矢は人普通の人間には持て余す危険な代物と化しているんだ。だから、依頼主である私も回収に乗り出したってワケだ」



「ぬぅ、どんな代物と化しているんだよ!」



「ええと、高等部の演劇部の部室は旧校舎の方にあったよね、あっちゃん?」



「そうよ、愛梨。もしかして忘れちゃった? ま、行ってみましょう、そんな演劇部の部室に――」



 普通の人間には持て余す危険な代物と化している!? 某特撮ヒーローの仮面をかぶった五人組の泥棒に盗んだアルテミスの弓矢に一体、ナニが!? まあ、とりあえず、旧校舎にある演劇部の部室へ行ってみよう。

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