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第一話 俺、魔法少女になります。その9

 今、俺がいる浪岡自然公園の深奥にある広場は、何千年も前の古代人がなにかしらの儀式を行っていたという痕跡が、あっちこっちに見受けられる一種の古代遺跡のようだ。



 俺の使い魔である女性型夢魔(サキュバス)のアリスを誕生させるための儀式を執り行う際に利用したストーンサークルなんかを見ると、ここが古代遺跡なんだなぁ――と、納得がいくワケだ。



 ああ、沙希曰く、今はひとつしか見受けられないけど、かつてストーンサークルは対となるかたちで存在していたらしい。つまり、もうひとつあったワケだ。んで、そんな沙希と相棒である狼を自称する喋る上、人間の女性の姿にも変身できる狼を自称する魔犬こと狼姫らは、月の女神の石柱と呼んでいるみたいだ。



「沙希先輩、探したよ! なんでこんな奥地にいるんですか?」



「まったくだわ! 危うく迷子になっちゃうところだったんだから!」



「寝巻っぽい格好をした中学生くらいの女のコ? それに派手なアクセサリーを身につけたアヒル?」



 そんな二人組がやって来る――ん、アヒルが喋ったけど、もう驚かないぞ! さて、喋るアヒルと一緒にやって来た寝巻っぽい格好をした女のコが、今、沙希のことを先輩って呼んだぞ。



「ああ、紹介するわ。彼女は三嶋愛梨、魔法少女歴一週間のアンタより、ほんのちょっとだけ先輩の魔法少女よ。ついでに、一緒にいるのがアフロディーテ。ああ、見えても女神らしいわ」



「ああ見えてではない! 私は女神よ、女神ィィ!」



「め、女神ねぇ、俺にはどう見てもタダのアヒルにしか見えないんだが……」



 ふーん、三島愛梨っていうのか。んで、俺より一週間ほど早く魔法少女にスカウトされたコのようだな。一緒にいるアヒルはアフロディーテという名前らしい。ハハハ、まるでギリシャ神話の神様みたいな名前だな。



「ふん、見る目がないわね。こんな美しい白鳥の姿をした女神が眼前にいるというのに――」



「あ、あっちゃん、私もアヒルにしか見えないんだけど……」



「な、なんですって!」



「ああ、怒らないでよ! 私は真実を言ったワケだし……」



「キ、キイィィ! これ以上、言ったら相棒のアナタでも絶対に許さないわよ!」



「わあああん、あっちゃん! 嘘よ、嘘、嘘ォォ~~!」



「な、なあ、お前らってさ。もしかして、お笑いコンビ? 漫才でも披露しに来たのかよ」



 三島愛梨と喋るアヒルのアフロディーテの相槌する姿を見ると、ボケとツッコミを交互に繰り返すお笑いコンビを連想するぜ。



「わ、私たちはお笑いコンビじゃないです! あ、ああ、初めまして、私は三嶋愛梨って言います。一週間ほど前に魔法少女になりました。新人同士ですから仲良くしてくださいね! ほら、あっちゃんも挨拶して!」



「ふん、アフロディーテよ。つーか、アヒルって言ったら許さないわよ!」



「お、おう、よろしくな、ふたりとも!」



 とまあ、俺は三嶋愛梨と握手を交わす。さて、アフロディーテに対し、アヒルって言葉は禁句(タブー)にしておこう。口にすると色々と面倒くさそうだし――。



「握手を交わしたワケだし、アンタたちはパートナーの契りも交わしたことになるわね」



「「え、えええっ!?」」



「嫌なの?」



「俺は別段、気にしないけどさぁ」



「私も気にしません。お姉さん、優しそうだしね」



「お、おう、そうか! よし、なら改めてよろしく頼むぜ!」



「はいっ!」



「さて、ここまでは計画通りね」



「「えっ!?」」



 計画通り? ひょっとして沙希のなにかしらの企みに乗せられたのか、俺は!? あ、ああ、そういえば、この世に蔓延る外道共を魔法少女の不可能を可能にする奇跡(?)の力で葬り去る闇の仕置き人になるのが夢だって沙希が言っていたな。それに関連する計画なんだろうか、うーむ。



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