これは、驚きの白さです!
「本当に、ありがとうございました!
もう本当にどうしようかと思ってました。」
深々と頭を下げた男はやはり王太子の近衛騎士団長の副官だった。
副官に続くような形で近衛騎士団長も軽く頭を下げる。席につくようやんわり進められると頼んでいない美味しそうな料理の数々が運ばれてきた。
「美味しそうじゃん!
ほらルーヴィル食べろ食べろ。」
「レグルスそんなにはいらないですよ。」
「ルーヴィル…レグルス…だと…?」
近衛騎士団長が驚愕の眼差しで二人を見やる。
二人は首をかしげた。驚愕されるほどの他国までに響き渡るほど武勲や功績などまださほどあげていない。
「レグルス、親善試合とかでなにかやらかしたか、派遣先でなにかやらかしたかしましたか。
はっちゃけすぎはいけないと日頃から口を酸っぱくして言っているでしょう?」
「ルーヴィル酷くね?!
俺、黙っていれば完璧だってよく上司や同僚や部下に評判だぜ!ついでに歌うとモッテモテだぜ!」
「評判なんですか、それは…?」
「俺は多分、ルーヴィルが可愛いから尻を狙う奴がいて密かに有名なんだと思いますに一票。」
「ふざけるなチャラ男。」
小声で応酬する孫とその幼馴染みを微笑ましげに見ていたメイズが一言のべる。
「そこの王太子の近衛騎士団長のエドワード君はな、ルー坊の従兄弟だよ。」
『え…?!』
「二の姫様の末息子。え、分かってなかったの?
小さいとき会ったきりだから覚えていないかなぁ~」
けらけらと笑うメイズ。
ルーヴィルの母親はゲオルグ王国の一の姫様別名…鋼の女戦士。
最強と男には恐れられ女には慕われたムキムキマッチョの姫。今なおその筋力や力は衰えておらず挑戦してくる猛者を完膚なきまでに叩き潰す人である。
「そんな…ずっと女だと思っていた…」
「また染みだらけにしてやりましょうか?」
ボソリと呟かれたエドワードの言葉に、殺意をいだく笑顔のルーヴィルだった。
「あー、わかるわかる。
ルーヴィルめちゃめちゃ可愛かったもんね、妖精さんかと思ったくらいだぜ!
今思うと初恋だったのかな~、きゃっ照れちゃうわ俺!」
レグルスが笑顔で同意する。
かっとなって腹パンしようとするが鍛えぬかれた体はびくともせず、逆に手を痛めるルーヴィル。
「…レグちゃん?おいたすぎるよ?おいちゃん怒っちゃうよ?」
すかさずメイズの術が発動し、逆さ釣りになるレグルス。
「ごめん、ルーヴィル。吐きそうだから下ろしてください。お願いします。」
「分かりました、下ろしてやってください。」
そして何事もなかったように食事を再開する三人。
吐くとほざいたレグルスはモリモリ食べまくっている。
(…戦闘国家の人間はちょっとおかしい。)
穏やかな笑みを浮かべたまま、内心汗を流しながらエドワードの副官レーベンは思ったのだった。




