甘いものには幸せがつまっている。
ちょっとずつ動き出します。
主に夜会といえば立食形式が最近の主流だ。
しかし、私は思うのです。
座った方が食事に集中できるのになぁー…、と。
自国では晩餐会でなければ基本立食形式だ。
そして私が親友に強制参加させられる夜会はどれもこれも立食形式。
いつもお腹いっぱい自由に食べられない事がなにより悲しかったな。
ダンスは楽しいけど踊った相手が親友のルアにアプローチしたいからってしつこく話しかけてくるのが嫌だった。
そういえば、そのたび助けてくれた人がいたなぁ…
確か、黒髪の…
……ん?
黒髪の美形で…ってあれ!?
もしかしてあれは近衛騎士団長だった?
記憶をたどると、間違いなく近衛騎士団長だ。
困るとスッと助けに入ってくれて…
食事のある場所に連れていってくれた。
一度や二度じゃなくて、何回も。
ルアに会っても反応がなくて、珍しい人だなぁって思ったのだ。
あの時はただ純粋にいい人だなぁっておもってたのにな。
まさかまさかその人と結婚(仮) するなんてなぁ…
ちょっと黄昏ていると、
「前菜でございます。」
目の前に置かれた食事に考え事は霧散する。
ゲオルグの宴は椅子に座って食べられる形式だ。
バンザイ!!!!
私は夢中になりつつ令嬢装備を完璧にまとい、食べ尽くしたのだった。
料理はどれもこれも美味しかった。
目の前で丸焼を切り分けられたときは、なんていうかテンション上がりました。はい。
普通の令嬢ならばふらっときてしまうのでしょうがねぇ…美味しそうに見えたから全然平気でした。
最後には美味しいスイーツが出ました。
小さなシュークリームがタワーになり上から粉砂糖とメープルシロップがサッとかけられていて見た目も可愛らしいものが!!!!
しかもシュークリームの味が違っていてどれもこれも美味しいのだ。
幸せだ。
シュークリームを味わいながらふと、いつかの夜会で壁の花になっていたとき騎士団長がわざわざスイーツが出たことを知らせてくれた事を思い出した。
そういえば、模擬戦闘の後はどうなったのだろうと気になってきてしまった。
近衛騎士団長は何をしているのだろう…
近衛騎士団長は絡まれたリコリスを助けた!
ダンスに誘いたくて心のなかでモジモジしている。
騎士団長は言い出せなかった!
仕方がないので間をもたせる為に料理テーブルへ案内した。
思いのほか喜んでくれた!
リコリスの好感度が少し上がった。
へたれのレベルが1上がった。
近衛騎士団長は逃げ出した!
ポケ〇ン ゲーム風。




