人のふりみて、わがふりを思い出せ。
久々に更新です。短いです。
無表情な美形の顔が崩れる。
若干ポカンとした顔は面白かった。
「何故それを?」
「ユーリとは友人だ。ちなみになぁ、リコとは腹にいるときからの付き合いで、ノンノンと愛称で呼ばれるほどに仲が良い。
一緒に風呂はいる位には。」
「!????!!」
なにかを言おうとしてパクパクと口だけ開閉する近衛騎士団長は終いには真っ赤になってうつむいた。
なんだその反応、乙女か。
「言っとくが、幼児の頃だぞ。」
どこから漏れて、リコの迷惑になればミチルが怒る。早々に種明かしをした。
ミチルが起こっても可愛らしいだけだが、養母のあの女に知れたら不味い。
神がかった美形の俺に容赦も躊躇いもなく暴力をふるう。
股間に蹴りを決められたのは後にも先にもあの女だけだ。
「ひとつ、昔話をしてやろう…」
俺はミチルとの馴れ初めを、そして楽しい一夜から一転して結婚式まで会えなかった日々の話をしてやった。
まぁ、やり方は気に入らないが、ミチルと似たような、更に鈍感にしたのがリコが相手では苦労するだろうと親切心から話してやったのだ。
「貴方と話すことができでよかったです。」
ふわりと奴は笑った。
「最低な行いは更にあったという事を聞けて。
どうにか挽回できそうな気がしてきました!」
ピシリと綺麗に礼をして奴は去って行った。
なんだか屈辱だ。
もやっとしたまま俺は眠りについた。
この時、俺はまだ知らなかった。
将来自分の子が逆に既成事実をつくると脅し婚約(一方的)を迫ったり、迫ったり、押し倒そうとしたり、追いかけ回したりするなど、この時はまだ知らなかった。
ゼノンの長女のユリちゃん。
ユーリス(リコ父)と若干被る名前ですが、ミチルさんが好きな花の名前をつけた設定。
ミチルの本名は花守満。
ゼノンの子ども達の話も連載中です。




