誕生 創世編
ほんのわずかな塵が集まっていた。
これほど成長するとは思ってもいなかった。
一つの大きな塊が熱を持ち、どんどん成長していく。
まだ若く、熱く、貪欲なまでに周辺のものを自らにとりこんでいった。
それはやがていくつかの子を連ね、広い宇宙を旅する。
何番目かの子も小さく、幼かった。薄暗い色から鮮やかな赤に変色した。
時間は永遠にあるように思われた。
ゆっくりとまわり続け、いつのまにか深い深い群青色になっていた。
この色…わたし好きだわ
愛おしい口が言葉をつむぐ。
彼女がこれほどこの星に心を奪われるとは、想像していなかった。
けれど、彼女がとても気に入ったというのならば、それで満足。
時折ふたりでぼんやりと星がゆっくりとまわるのを眺めていた。
永遠の時間がふたりにはある。