表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

明けましておめでとう

作者: 影月 
掲載日:2026/01/01

「あけおめ!!」


 午前三時、スマホの向こうから、そのような声が聞こえた。


「――ぅるせぇ」


 新年が明けるのを友と通話しながら、待っていて、除夜の鐘が鳴るのを聞くとすぐにベットに、身を投げ就寝した。


 それから、まだ三時間も経っていない。

全く、ふざけるな!!


 こいつは毎年、毎年、十二時を回り、新年になった瞬間、『あけおめ』を送ってきていたが、今年はなかった。


 多分、寝ていたのだろうと自己解決していた。


「今更、何のようだよ……」


「いや、寝過ごしちゃたんだから、仕方ないでしょ」


 悪気をまるで感じさせない返答に、怒りも湧かないし、呆れても通り過ぎて、慣れたのは随分も前の話だ。


「別に文句ないでしょ、今日は、私たちも会うだけで、他に予定ないの知ってるんだから」


「だからだろ!!今日、会うんだぞ、それなのに、電話してきやがって」


 スピーカーモードとなったスマホから、距離をとり、あぐらをかいていた俺は、不満をぶちまけていた。


「良いでしょ、久しぶりに私の声聞けて、嬉しいでしょ」


「……で、何のようだよ?」


 俺はその質問に対しては答えは、避けた。

俺には、まだ何も言う勇気というものはない。


「本題はね、一緒に初日の出、見ようよ」


「は?今から会うのか!?」


「いやいや、流石にそんなことはしないよ、六時になったら、連絡するからね」


 そうスマホ先から、声が放たれたらと思ったら、すでに電話は切れていた。


 クソが!!


 と、ただの友達なら、ブチ切れていただろう。

だが、相手は可愛い女の子。


 好きとまでは、いかないが……この気持ちはなんと言えば良いのか分からない。

 そんな感じの相手だ。



『ピピピピッ』


 良い睡眠を取れた頃に、その睡眠を妨げるように激しい着信音がなっていた。


 溜め息を吐きながら、スマホを持ち上げると、


「もう朝ですよ!!起きてください!!」


 そんな大きな声が、寝ぼけている頭の中へと響く。


「もう、そんな時間か……」


「早く、早く、もう日が昇っちゃうよ」


 可愛い声に急かされ、俺は、カーテンの方へと向かっていった。

 今は、スピーカーモードではなく、スマホを耳に当てたままであった。


「もう、もっと早起きしてよね」


 ジャラジャラと音を立て、開くカーテンから、手を離した。

 あれ?パッと見でなかったサンダルのことを考えることをやめ、俺は素足のままベランダへと出た。


「どう?どう?」


 電話の先からは、ワクワクした声の彼女がはしゃいでいることが、分かって、俺は少し、微笑んでいた。


「……きれい」


 山と山の間から、姿を見せている太陽に俺は、案外見惚れていたのだった。


「でしよ!!」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ