《設定資料編:白帯から始まる“躰道”の世界》
■ 躰道とは?
日本で1965年に生まれた新しい武道。空手を基盤にしながらも、回転・捻転・跳躍といった立体的な動きを取り入れているのが特徴。
「変移」という独特の移動法があり、攻防の流れそのものに“美しさ”や“哲学性”を求める。
大会では「実戦競技(組手)」「展開競技(演武)」「基本技法」など、型だけでなく創作表現にも重きを置いている。
■ 主人公・時雨 陽
年齢:40歳
職業:小説家
特徴:運動経験はほぼゼロ。体力的にも精神的にも“初めての壁”と向き合うことになる。
モチベーション:偶然見た演武で感じた「動きの美しさ」に心を動かされ、道場の扉を叩く。
成長の鍵:身体の感覚と心の言葉を結びつける体験
■ 秋吉師範
年齢:60代
経歴:長年、躰道を指導してきた現役の師範
性格:一見厳しく見えるが、言葉の一つひとつに哲学が宿っている
名言:「体は言葉よりも正直だ」
■ 美波
年齢:30歳前後
段位:黒帯(中段)
得意:変移動と展開競技(特に表現力に優れる)
背景:昔、ある怪我で夢を諦めかけた経験を持つ
■ 用語解説
変移:左右前後に捻りや回転を加えて行う独自の移動技術。重心移動と軸意識が重要。
順突き・逆突き:基本の突き技。単なる打撃ではなく、全身の連動を学ぶための基本。
展開競技:3~5人のチームで演武を創作・表現する競技。躰道の“表現芸術”的な側面が色濃く出る。
白帯~黒帯:帯の色は段階的に変化。白→紫→緑→茶→黒。
■ なぜ「白帯」から始めるのか
白帯は、何も知らないという証。そして、すべてを受け入れる“余白”でもある。
主人公の陽にとって、「動くこと」そのものが新しい物語。
だからこそ、白帯は単なるスタートではなく、再出発の象徴である
ちょっと一息、設定資料編でした。
躰道という武道はまだあまり知られていませんが、本当に奥が深く、そして美しいものです。
小説という形で「体と言葉の間」を描けたらと思ってます。
今後も本編と合わせて、こうした“裏話”や“補足資料”も時々入れていきますね。
――たなか