学園7
抱き付かれた瞬間、小此木の背中に柔らかい物がフニャリと当たって、
「胸が……胸が当たってます!!……だから、だから離して!!」
「うん……私はリナよりあるから」
せっかく胸が当たっているのに、それを味わう所かそれを理由に解放を求める……リナのこれからを考えると至福の時とはいかないらしい。
小此木は、どうにか体をくねらせて逃げようとするのだが、身をくねらせて、ウナギのように逃げ出そうとする小此木の胸を手放さずに、しっかりと握り締めて……
「もげろぉぉぉぉぉ!!!!」
「いやぁぁぁーーーーー!!!!」
二人の叫びが共鳴すると体育館中にこだまし、逃げ出せない小此木は、その場で足をばたつかせて抵抗するが、胸の事を余程気にしていたのかリナは涙目で、
「胸をよこせぇーーーー!!!!」
小此木が暴れる反動の勢いを利用して、腕を左右に振って胸を奪おうとする。
「ぐわぁーーーーーーー!!!!」
その時、全てがスローモーションになった。
せめてものの抵抗だろうか?小此木は天井を見上げて、苦しみを少しでも和らげようと頭を左右に振りながら断末魔を上げる。
その姿はまるで、恐竜映画で、肉食の恐竜に襲われた人間が、断末魔を上げながら捕食されるシーンを彷彿させる。
必死に自分の胸を守ろうとする小此木と、必死に胸を奪おうとするリナ……この状況を引き起こした当の本人がどうするのかと言うと、
「シミュレーター室に行こうか」
ツバメは自分で引き起こした、恐竜映画さながらの惨劇に一切突っ込まずに、小此木をそのまま引き摺っていく。
「おっぱい抉れちゃう!!おっぱい伸びちゃう!!」
「うわぁあわぁあぁぁ!!!!」
小此木を引っ張れば、リナもくっついて来る……残酷だが、小此木には釣り竿兼エサとなって貰い、胸という竿をしならせて、リナという大型魚を、シミュレーター室へと誘導するのであった。