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学園17

「ちょっと今の銃声!?」



「そうよ!!」



「誰だ!?演劇用の火薬銃を持っていった奴は!!」



話の流れ的に演劇部だろうか?体育館の奥まで響く怒鳴り声を上げて、数人の上級性達が突撃して来る。



「もうすぐ、開演だっていうのに!!」



「犯人を見付けたら、十字架に磔にして背景にしてやる!!」



怒声のような声から、冗談で言っているのではないのが分かる……本気で、犯人を捕まえたら磔にしようと目論(もくろ)んでいる。



それに対して(くだん)の赤髪の少年は、体育館の入り口から入って来た、物騒な上級生を目にした途端に、ライフル銃だと思われていた、演劇用の火薬銃をスッっとマントの中に隠し、



「すみません…シミュレーター室に間に合わなくなるんで……」



三文芝居の大根役者を演じながら人ごみに紛れ、急ぎ足から全力疾走へと変わり、走りながらハンカチの上から火薬銃を握る。



まるで狙撃ポイントに急ぐかのように、息を、身を潜めて、演劇部の上級生達と行き違うように体育館の出口まで辿り着くと、火薬銃を壁に立て掛け、壁に沿って最短距離で消えていった。



「おっ、逃げ切ったな」



「捕まったらヤバいスか?」



「あぁ、捕まったらやられるぞ。部活という名の自治会だから、権威に関わる……っていのうは表向きの話で、遊びみたいなものさ」



体育館で騒ぎを起こした赤髪の少年は消えて、後から来た演劇部の上級生達が新しい騒ぎを作り、新たな騒ぎ生み出す。



お祭り自体は夜遅くまで続くが、この祭りの最高潮は、ここだったのかもしれない。



赤髪の少年が起こした騒ぎの後も、演劇部が騒いで祭りは続くが、何と無く、さっきよりも活気が減って、静けさが紛れ込んでいるような感じがした。



「はぁ……アネキ、自分達もシミュレータ室に行きましょうッス。初日から遅刻は嫌ッス……」



直接、騒ぎに関わった訳ではないが、何か気疲れしたして、肩をすくめて溜め息を漏らすが、それとは反対にポニーテールの少女はニヤリと笑い、



「決めた……もう一人の部下はアイツにしよう……アイツしかいない……」



あの赤髪の少年の事を、自分の部下にすると言い出す。



「えっ……あいつがパートナースか?」



アネキの突然の宣言に、少女は困惑の色を見せて、嫌がっているのを伝えるが、



「嫌か?」



「……だってあれ、彼の偽物じゃないんスか」



「だろうな」



「だったら……」



「あの時の、赤髪の少年を知っているという事だろ。知りたくないか?あの時の赤髪の少年と、目の前に現れたもう一人の赤髪の関係性が」



「……ッス」



アネキの言葉に、少女は渋々に返事をするのであった。

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