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鳥かごの空1

青い空が広がっている……地上の時のように空気の匂いがしない、自分達の世界。



「アタシは……」



リナは寮の屋上で寝転びながら、暗い気持ちになる。



結局、みんなを逃がした後に自分に出来た事と言えば時間稼ぎだけ……みんなは「リナのお陰で」だと褒めてくれたが、



「そっか…RLHに負けたんだ……」



「うっ……」



ツバメはそれはもう…心底ガッカリしたという態度をして、



「私も、その場に居たかったなぁ」



「うぅ……」



「私だったら、RLHを仕留められたかな?」



「ぐぐぐ……」



自分だったら、RLHを倒していたと遠回しに……けれど、確実にリナの心を(えぐ)った。



「ケロケロケロケロ…………」



井の中の蛙大海を知らず……自分とツバメは優れたRLHで、例え他のRLHが現れたとしても月とスッポン、雲泥の差と思っていたけど……



「リナ、まだあの事気にしてるスか?」



「ミィオ……」



「先に行って、待っててって」



「うん……」



しょんぼりとするリナの横にミィオが座ると、同じように空を見上げる。



「あぁあ…せっかく新型のパワージャケットを使えたのに、没収されちゃったス……これで自分は凡人に逆戻りッス」



「ミィオ……」



「あの人が言ったのは気にしなくて良いッスよ。リナがあの時、自分を犠牲にしてくれなかったら、自分達は殺されてたのが事実で真実なんスから。それを鳥かごにいた人が憶測でとやかく言うなんてナンセンスッス!!」



ミィオは相変わらずツバメが嫌いで、ツバメの言った言葉を暴言を吐いたとして認識しているらしく、プリプリと怒っている。



リナにとっては、ツバメの言った事は半分本気の、半分は戯れだと受け止めているが、



「アタシ……今回の事で、自分を見つめ直さないといけないって思ったの」



「見つめ直す?」



半分本気の部分で、思う事があった。



「人よりも優れた体…RLに対抗する力……でも、それは神の力じゃない……それだけは肝に銘じなきゃって」



「リナは…これから強くなっていくんスね」



「RLHだから…みんなの希望になれるように頑張る」



みんなの為に犠牲になって、みんなの時間稼ぎをしたというのは本当の話……だけど、時間稼ぎしか出来なかったのも本当の話……だからこれからは……



「リナ、ミィオお弁当持って来たよ」



「火内君」



声を掛けられて振り向いた先にいたのは、大きなバスケットを持った、人の姿の火内だった。

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