表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
167/169

始まる者達59

『ギョッ…ギョォオ……』



後に残されたのは自分達と、目を潰されてうずくまっているドラゴンもどき。



『ドスン…ドスン……』



火内は大地を歩いて、ドラゴンもどきの側に来ると首に足を掛けて、



『バッッキィッ!!!!』



介錯と言わんばかりに、首の骨を折って殺す。



『…………』



これで全てが終わった……敵のいない静かな時間、敵のいない平和な時間……台風が過ぎ去ったかのように、穏やかな空気が戻り、生き物を引きずり込む暗い闇が、生き物に平穏を与える夜に戻る。



「げほっ…げほっ……やったね……あそこで……ふぅ…………やり合わなくて正解だよ……逃げ場を失った相手というのは怖いからね…………」



殴られたお腹を擦りながら、小此木がヨタヨタとやって来る。



原人が言った通り、手打ちにする為に小此木に対して手加減をしていて、



「うっ…ぐっ……」



「リナ…もう戦いは終わったッス……ゆっくりして良いッス……」



原人のいう通り、あのまま戦う選択をしていたら、まともに動けないリナと小此木は、殺されていてもおかしくなかった。



『…………』



火内はあの時、怒りのままに……ドラゴンのままに戦わないで良かったと思いながら、口の中に残る肉片と、鉄の味がする血を吐き出すと、



「怪我したスか?」



『…………』



心配して声を掛けてくれたミィオに、首を横に振って大丈夫だと伝える。



「お前達よくやったな……リナが動けるようになったら、中央基地に移動しよう」



そして最後に、教官達が自分達の所に来て、RLH達の群れを追い払った事を労ってくれる。



これで、全てが丸く収まったと喜ぶ場面なのだが、



「まぁ帰るのは帰るけどよ……こいつどうするよ?」



「むっ…むぅ……」



「……ペットを拾った事にしますか?」



「せめて小っちゃくなれないスか?」



『…………』



いきなり巨大なドラゴンを連れ帰ったとなれば、大騒ぎはなるのは明らか。



全員で、ドラゴンになってしまった火内をどうするかと、しかめっ面をするのであった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ