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始まる者達53

(分かってたよ火内君……君が、私の為に戦ってくれてた事)



火内が空から落ちる時、二体のドラゴンもどきがいたが、その二体の中から選んだのは地上に向かい、リナを襲うとしていたドラゴンもどき。



地上に降りた後、火内とドラゴンもどきはドタドタと地面を暴れ回っていたが、それはドラゴンもどきが暴れ回っていたただけで、火内はそれを制しようとしただけ。



そして後から、リナを狙って降下して来たドラゴンもどきに対して、雄叫びを上げてドラゴンもどきを持ち上げてぶつけた……それらは全てリナを守るため……だからリナは信じたのだ、火内が何が何でも守ってくれると。



その期待に応えるように火内は、二体のドラゴンもどきの圧に押されながらも、リナが自分の真下を通って原人を狙いに行っている事に気付き、倒れる寸前に相撲取りのように足を踏ん張らせて、リナを通した。



『…………』



原人は、完全に読み間違えた。



暴れ回るドラゴンもどき……それ以上でもそれ以下でもない、ただ乱闘に巻き込まれないようにとしていただけ……そこに信頼関係等無い。



敵のRLHが無謀にも突っ込んで、乱闘に巻き込まれて死ぬ……それが結果になる……油断など一切していない……していないからこそ、相手が押し潰されるのを確かめていたのに、体は正直だ……相手はもう死ぬと、緊張が抜けてしまっている……相棒の所に行く前に、一息入れてしまっている……



こちらが再び戦う為に、体に気力を注ぎ込み、エンジンを掛けるように心臓を鼓動させようとするが、



「うぉおぉぉぉぉぉぉぉおおぉお!!!!!!」



体が反応しない。



敵が大地を蹴っ飛ばして宙に飛び上がり、体を回転させて、威力だけの隙だらけの浴びせ蹴りをしてくるのを目が追ってはいるが……



『……⁉』




それをモロに喰らってしまう。



体が(きし)む……蹴られた骨を感じる……体に走る衝撃のままに地面に転がり……



『ズサッ!!』



その隙を突かれて馬乗りにされる、振り上げられた拳が、自分の顔を狙っている。



『ガスンッ!!』



『……!!』



振り下ろされる拳に、手甲を付けている腕でガードをするが、腕に痛みが走る。



数発は(さば)けるかもしれないが……死ぬ覚悟はしないといけない。



絶対的に不利な状況……ドラゴンもどきも、相棒も自分の対峙している相手に集中しないといけない。



『ガスンッ!!』



戦いに負けたのだから仕方無い事なのだが……



『ガスンッ!!』



死ぬ前に相棒を最後に見ておきたい……振り上げられた拳を見るのを止めて、視線を相棒の方に向けると……



『ボッッ!!!!』



相棒の肩が吹き飛んだ。

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