始まる者達51
「ありがとう……」
リナは火内に感謝しつつ、目の前の敵達を睨む。
エルフのRLHに、ドラゴンを模倣したキメラが二体。
『『ギョオォオォォォォォ!!!!!!』』
『『ドスンッ!!ドスンッ!!ドスンッ!!ドスンッ!!』』
二体のドラゴンもどきが鳴き声を上げ、大地を蹴り上げ、こちらへと突進してくるが、
『ドスゥン!!ドスゥン!!ドスゥン!!』
火内も迎え撃つ形で立ち向かう。
『ドォォン!!!!』
手が焦げているドラゴンもどきが、体を使って火内にぶつかり、
『ギョオォオォォォォォ!!!!』
もう一体のドラゴンもどきが、火内の顔面目掛けて拳を振る。
『…………』
それに対して火内は、声を上げる事無く冷静に拳を避けつつ、
『ドスゥン!!』
『ギョン!!』
膝蹴りで、自分に体を押し付けるドラゴンもどきの腹を蹴り上げる。
そのままドラゴンもどきを転ばせて……
『ギョオォオォォォォォ!!!!』
『ドォォン!!!!』
反撃に転じようとしたが、もう一方のドラゴンもどきのタックルが火内を捕らえる。
『ヒュッ!!』
『ヒュン!!』
その一方、火内とドラゴンもどき達の一進一退の攻防の下では、リナと原人が殴り合いを始めるが、どっちもジャブを入れては、軽い蹴りを入れての様子見ばかりしている。
『『ドスンッ!!ドスンッ!!ドスンッ!!ドスンッ!!』』
それは自分達の側で行われている、巨大な生物の戦いに巻き込まれてしまわないようにする為に、外にも気を張っている。
RLHだとしても、あんな巨体に踏まれては、RLHとか関係無く圧死してしまう。
『『ドスンッ!!ドスンッ!!ドスンッ!!ドスンッ!!』』
それなのにドラゴンとドラゴンもどきの側から離れないのは、我慢比べのデスマッチ、先に尻尾を巻いて逃げ出した方が、狩られるという状況になったから。
『『ドスンッ!!ドスンッ!!ドスンッ!!ドスンッ!!』』
どっちが巨大な生物の戦いの威圧に耐えられ、
『『ドスンッ!!ドスンッ!!ドスンッ!!ドスンッ!!』』
どっちが巨大な生物の戦いを物にするかという争い。
『『ドスンッ!!ドスンッ!!ドスンッ!!ドスンッ!!』』
ドラゴンとドラゴンもどきが暴れ回る中、お互いに機会を窺っていると、
『『ドスンッ!!ドスンッ!!ドスドスドス!!!!!!!!』』
ぶつかり合いをしていた、三体の巨大な生物がもつれる。