始まる者達50
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『ドスゥゥゥゥゥ!!!!!!!!』
「わっ!?」
『……ッ⁉』
原人とやり合っていたリナであるが、空か落ちて来た巨大な者達を避けるために二人は離れる。
『ギョォオォォォォォオオォ!!!!!!』
空から落ちて来た巨大な者達の片方は、あのドラゴンを模した、哺乳類を寄せ集めた不格好な生物。
象のような巨大な足を振り回して、大地から立ち上がる。
『…………』
そしてもう一体、空から落ちて来た巨大な者は大地に足を付けて、吠えるドラゴンもどきを見据える巨大な存在は、
「火内…君……?」
火内ではあるが、ドラゴンであった。
自分の事を抱っこしてくれた時とは、比べようのない大きさ、比べようのない存在感。
『ドスンッ!!ドスンッ!!ドスンッ!!ドスンッ!!』
ドラゴンもどきが大地を踏み鳴らしながら、ドラゴンへと突進し、
『…………』
それに対してドラゴンが身構えて、
『ドォォォシィィィィィィ!!!!!!!!!!』
二体の巨体がぶつかり合って、大地が揺れる。
『『ドスンッ!!ドスンッ!!ドスンッ!!ドスンッ!!』』
「くぅ……」
足元にいる自分達の事等、関係無いと言わんばかりに暴れ回る二体。
これでは、原人との一対一の戦い等していられない。
リナは、仕切り直しをしようとその場から離れようとするのだが、
『ギョオォオォォォォォ!!!!!!』
上空から聞こえる奇声に顔を上げると、もう一体のドラゴンもどきがこちらを狙っている。
猛禽類が、地上にいる小動物を狙うように、リナへと向かって来る。
「この…舐めるな!!」
リナは、ドラゴンもどきと対面した時の威圧感を覚えていたが、それでも戦わないといけないと身構えたが、
『グゥオゥゥッゥオォォオォオォォオォォォオオォォ!!!!!!!!』
ドラゴンもどきと組み合っていたドラゴンが雄叫びを上げて、ドラゴンもどきを持ち上げると、
『ブゥゥゥゥゥンンン!!!!』
リナを狙っていたドラゴンもどきへと投げ付ける。
『ガッシィ!!』
するとドラゴンもどきはリナを狙うの止めて、投げ飛ばされたドラゴンもどきを受け止めると滑空して、
「……そういう事」
主である、原人の下に降り立つ。
「……火内君、意識はあるんだよね?」
『……』
リナの言葉に頷くドラゴンは、間違い無く火内。